どこまでも遠く悲しみを放り投げる
悲しみが転がる深い山の中で
家族はその悲しみを拾い上げ
小さく千切っては美しく燃やす
僕と家族は気づかずに追いかけっこ
家族は僕の表情を絶えず改 ....
崖のうえで
いまやっと
生きている気持がする
はだかで
つめたく嬲られて
ごつごつした岩に立って
穴だらけのひふを脱いで
ねばっこい血管を捨てて
さわがしい心臓も
置いてきて ....
子猫を抱いて
戸口にたって
海の幻を見おろしてから
しばらくして
冷めたコーヒーを飲む
帰らない旅人は
古本に栞を挟んだまま
彼女の人生から消えた
あなたの認識はとてもしなやかで
私の岩盤の割れ目にいともたやすく滲み込んでくる
あなたは私を理解しても何も語らない
語ることが理解を無効にしてしまうことを知っているから
突き崩されたも ....
お前の夢は金で買えるのか?
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巷の給料日に合わせて、あのアイドルがついに脱ぐ!、とのことで
日ごろサンプルを眺めるに留めていたダウンロードショップでつい手が伸びる。
隣のパッケージは ....
窓から漏れだす光は
怠け者を打つ神々の威光
仕事をさぼっている輩を見つけ出し
粉々に打ち砕く
夕刻に迫りくる闇は
帰宅するものを退ける神々の威光
仕事を切り上げようとする者どもを見つけ ....
151015
古くさいことばだねぇ
明治生まれの親父も使ったこと有るかしら
いつまでも候文を書いていた父も諸君!と叫んだことは有るまい
直立不動で自分は〇 ....
バス停から歩き出した 暗くなった歩道に
街頭に照らされて 燦然と
一本だけ落ちている 大根の葉っぱ
ベビーカーを押す母親が スーパーの袋から落とした
午後7時 今ごろぶり大根にな ....
レントゲンに映らない黒い綿埃が私の肺にたまる頃、
今年もあの赤い花が寂しい寂しい休耕田の、
それでも草だけは刈った畦を彩り、
そうして見る間に色あせていく。
息を吸う。
吐く。
吐息に ....
月が高い塔に当たりました
夜景は万華鏡の海 光に輝くベットの上
女性の姿で生まれました
悪夢を熱にしながら こぼれる言葉
キンタマ王子のキンタマは
地球の衛星であるとの論文が
英国科学誌キンタマジャーナルに
掲載されたのを受けて
キンタマ王子が会見を行った
キンタマ王子は
「自分のキンタマが超新星爆発で
生 ....
洋紅色の巨大な貨物船は
少年たちの掌から分泌される
蜘蛛の糸を張りめぐらせられ
少しづつ浜辺へと曳かれていた
隆々とした筋肉質な船員達はビールを酌み交わし
吠えたり
笑ったり
歌 ....
強盗が脅迫と力で奪いとった「それ」を
詐欺師は嘘と手管でまんまと横取りした
だが翌朝には消えている泥棒に入られて
泥棒は「それ」を盗品ブローカーの処へ持って行くが
二束三文の代物だと言うブロ ....
大跳躍!
につまづいて
失う一歩
好機を逸して
記憶の使い回し
デジャヴの頻発
閉じた世界を
生きるすべ
先遠く
しゃっくりのような
一歩ずつ
道深く
あとちょ ....
猫の列に並んでいると心が安らぐ
不安がどんどん消えていく
夜の暗闇の中でこの列が
どこに行くのか何を目的にしているのか
猫でない人には知る由もないが
ふりをして歩いていけばわかるだろう
閉 ....
根の堅州(かたす)まで逃げ果(おお)せるか
その先黄泉(よみ)の暗い道順(みちゆき)
荒神谷の奥深く
人影も無く、道も無く
鬱蒼(うっそう)とした下草と
室(むろ)を作る地(じ) ....
みどりの線で世界を描く
翠は鎮静のいろ
緋色が補色
融和と柔らかな背反
それぐらいがいいところだとおもうのだ
ビリジアン
青みがかったみどりらしい
マゼンタ
あかるい紅 ....
つつじが丘の襞隅で
鴉が わめきあっている
キジバトも うなりあっている
そうだ あのときは そのときなりに
対処していた 筈なのに・・・ ....
浮かんでは沈んでいく言葉達
言葉のありかは深層意識
漁師のように言葉に網をかける
網にかかった言葉は
時に楽しく
時に悲しい
最近は悲しい言葉ばかりが網にかかる
何度も 何度 ....
メガネをかけた店員が私を緑のサツマイモだと言った
もう一人の店員は私のことを赤いキュウリだと言った
どの棚にも私の居場所はなく、
北海道の男爵やクイーンが
同じ棚には並びたくない、と言 ....
じゃがいもの冒険。昔昔、そのまた昔、昔と言ったらハムレットを思い出すが、
実はハムレットを読んだことはないんだ。ハムをバターで包んで、逆さ折りで
パイを焼くように。てのひらがバターを焦がす前に三時 ....
●か行の女の子のために
旅の扉
〇かこ
東京の映画館だからといって、年がら年中人が入っているわけではないと知ったあれは、小さなタワーの地下であまりにも有名な映画を ....
{引用=金のメダル
銀のメダル
銅のメダル
どれがあなたのメダルでしょう
(これはお約束だから)
銅のメダルです
と応えた
では銅のメダルをあげましょう
嬉しかった
三人 ....
短く鋭い溜息が
ぎゅーっと聞こえてきたよ
まるでドアーの開閉するような
その音は近づいてきたよ
目撃者によると
十秒おきに
ぴぴっと電話に飛びつき
ぼくは救急車を呼んでいたという
....
ウンコの拭き方については
未だに議論が続いている
後ろから手を入れて後ろに引くか
前から手を入れて前に引くかだ
これが女性だと
衛生上、後ろからが普通なのに対し
男性の場合は前からでも
....
実家に帰り、午睡をする。
窓外で
うらかな陽に照らされたポストが
かたっと音をたてる。
配達夫のバイクの音は遠ざかる。
そんな風に僕はいつも
待っている
昨日も、今日も、これからも
....
多くの人が溢れる街
私が この街に暮らして何年だろう
今 私に帰る場所は だけど 無い
そんな光を見ている 今の 私がいた
ロンバケのやっていた 昔見たことのある場所
隅田川の畔の深 ....
鎌倉の朝は、なぜか散歩がしたくなる。
低い緑の山間から
燦々と顔を出す陽をあびようと
玄関のドアを、開く。
日頃住む街よりも
澄んだ風を吸いこみ
図書館の庭に足を踏み入れ
ベンチに腰 ....
天井一面に桔梗の花が咲いているという
わたしはそういうものが見える性質ではないので
驚いて友人に聞いてみると
特に悪いものではないらしい
おそらく先祖の誰かが好きだったのでしょう
たまには本 ....
あまいとおもっていた
あなたの言葉は
いまでもわたしの喉をふさいでいる
目の内側から金色がおしよせて
まもなく手も足もうごかなくなる
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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