まとわりつく夏の汗
行水で流せば
あとはキンキンに冷やした至福の一杯
ハーバーから出て行く
ヨットの数がたちまちに増えていく春
その背泳ぎのような船の航行に
季節の匂いがする
昼ごはんを食べ終えたマチコが
海を見たいといった
ぼくは灰皿を取り替える
ウ ....
フィットネスクラブの一室に設けられた部屋に
ペンギンの赤ちゃんが預けられていて
胸の高鳴りが抑えられなくなり
まなみはいつの間にか
赤ちゃんペンギンの紙オムツをといていた
前つんのめりに ....
僕らは梯子が欲しかった
やがて起こるだろう戦争に
発狂しないよう
小さな子供を昇らせる
剃刀に
血を走らせながら
三億年の未遂を窓から開け放つ
きまって麗子はバルコニーに ....
滑らかな立方体のような冬の
空気の底に
淀んだ温もりを保つ夜が
一つの過去として納められている
スピーカーの周囲をゆっくりと
対流する誰かの声
契約が済むと
少し古い建物の
少し古 ....
いくつもの川が
ひとつの海にそそぐ
ぼくたちは
いくつもの川のようなものだ
ひとつの海にそそぐのだ
そこは罪
そこは花
罪はつぐなわれる
花はかれてしま ....
かなしい雨
細糸の雫を見つめる双生の水晶体
いつか止むのだろうか
あの鈴の音が空へ駆け上がったなら
乾きは喉に集約され
無上の必然を照らし出す
許されること その贖罪を見据えなければ
無 ....
レガ子に初めて乗った日
何だか 高級車だなって 感じた
昔は 軽自動車が 当たり前だったから
ぶつかったなら 木端微塵になることも
実感するまでは 分からなかったんだし
乗用車までの ....
わたしにおまえを見るのはやめてくれ
制服のシャツに
くだけた調子の喋り方に
やさしくなるのは嘘でしかないね
知らないよ
おまえはわたしを知らないよ
道をたずねて2分だし
SNSと ....
そんなに遠くを
探すまでもなくて
最初にわかることだから
これは天空を見つめるばかりの
きっと自分のかたちをした
青空の欠片みたいだろう
何かを好きになると云うことは
朝早くおはよう ....
暗い残暑が滴ってくる
百日紅の花から
蝉時雨から
空を斑に彩る不穏な雲たちから
遠雷から
幾重にも重なる過去の記憶から……
暗い残暑が滴ってくる
そうして私の底に
暗い染み ....
望むもの、願うものが
綺麗であればあるほど
日常の醜さに吐き気を覚え
こんなはずじゃなかった
と愚痴を零し
かと言って自分から何をするでも無く
流されるだけの人生は
六畳一間でどんぶらこ ....
なにをしてもいいんだ 正解じゃなくても
それがオリジナルならね
ニュースになるよ きみの漫画も
池袋
制服にベースぶらさげて歩いてる
あの子は「オシャレが鎧だ」って言ってた
なにと闘ってる ....
ぼんやりと公園を歩く
私は暑さの中で
木陰で涼んでいる人を見る
そんな私が今日もいた
今日は来なかった
友達は 疲れているらしかった
というよりも
もう ずいぶん会っていない
私は ....
ふぐちょうちんの暴走が始まった
先週まであんたらが心から願っていた
あの平和を脅かそうとしているぞ
二度とあんな悲惨な目には合いたくない
世界に向けて誓ったあんたらの思い
全部ふぐちょうちん ....
どうやっていろどろうか 新しい家を
どうやって試そうか この空気の好みを
あしたどんな色着て どんな味の実食べて
どんなTV見て どんな声出せて
あしたくるか あさってくるか
もうず ....
すいません
ご指摘の通り
私のホームページは
インターネット検索で
「宮沢賢治 詩」と
入れれば出て来ます
小説「カネの又三郎」では
宮沢賢治になりきって
世相を批判しています
....
地球温暖化は
九十年代で終わったのです
対策が打たれて
温暖化は停止したのです
それでも地球がおかしいのは
地球が人間を見放して
冷淡化しているからです
のばした爪に 皮をゆだねても
みかんは 指を求めていないのです
力ですか 許しですか
欲しいものを求めていますか
甘い実にも捨てる場所がある
どうしても受け入れられない
どこか ままな ....
わたしたちが集めていたのは
瓶ビールのふただった
父の晩酌のたびにそれは
どちらかの手に入る
栓抜きでこじ開けられた痕は
同じ方向にひしゃげて
それは何かを証明するように
ひとつ ....
「誰も彼も 渡ってくれば良いのです」
遺影写真に並ぶ祖父と祖母と父の目が
私をじっと睨み続ける
肉体の私を憎み後頭部の私の影に 三寸釘を打ち付けて
今日も十字路に磔にする
....
物憂い季節の飴玉を
煙る眼で舐めていた
「印象かもしれない
塗り潰された貝のように
破れたレースの隙間から
凝らす朝が射竦める
「人形かもしれない
あるいは蒼 誰かに ....
隣の奥さんが
回覧板を届けに来たとき
右の鼻の穴から
一本鼻毛が出ていた
奥さんは気づいていないのか?
それとも「私は隙の多い女なのよ」
というアピールなのか?
思案している最中 ....
夜は爆ぜ
すぐにまた現われ
朝へ朝へあとずさる
雨に
種を蒔きながら
触れれば空に到く
咲かないものの履歴
指は水を編む
夜を高くする
何処にも行けな ....
不幸自慢の座頭蜘蛛
緑の文字にうろついている
燃やしても燃やしても
早朝を喰みにやってくる
久々にいい酒くらって
現代詩フォーラムというサイトへ
投稿していたときのことを
話してしまったらしく
「おじいちゃんらしいとこもあったけど、
なんだか新鮮だったよ」
なんて
感想 ....
「僕は君の未来を縛りたくはない」
そんな感じのこと、あなたはよく言ってるね
三年もあれば準備は整うさ
病気とか
自立とか
叶えたい夢とか
色々な課題は私にはあるけど
そんなの、三年な ....
きょうは お父さんの
人差しゆびに つかまって
公園へ お散歩
お父さんの
目がいつもより やさしいので
靴を鳴らして うたを歌う
ときどき見上げる
お父さんの その瞳 ....
ボクの髪を
フワッとおどらせて
鼻のあたまでパチッとなった
きょうの風
電気がまじってる
ボクはすこし心配だよ
キミ
まだ ....
窓をあけ
洗濯物をサッととりこむ
旧式の黒電話を
ガチャンと切る
髪の毛を
ポニーテイルにしてみたり
変な格好をしてみたり
古びたノートの上に
点々と
「なぁに? ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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