大体世界なんていう言葉を
殊更口にするヤツは
自分の居場所すら確保できずに
寂しく死んでいくものだが
キンタマ王子はそうではなかった
キンタマ王子はその巨大な
キンタマによって
世界 ....
どろどろの味噌汁を椀ごとぶちまけた
いつものような朝食だった
突然油のきれていないベーコンに腹がたったからだ
台所の窓ガラスが割れ
誰かが小石を投げたと僕は嘘をついた
夕方になれ ....
始まる
無限の膨張と収縮
失踪
零れ落ちる水が歩きだした
それは天使が吸い寄せられるように
悪魔の結晶が分解されるように
のみこまれ
たたずむ城壁
迂回する回廊を ....
太陽に向って歩く
それが太陽だからだ
あなたは神?
私はにんげん
これを夕暮れと呼ぶらしい
この角度、この浅い、浅ましい…角度
そのようにして入っていって
やがて剥がしていくつもりなのだ ....
今 冷静に考えればおかしなことは幾つもあった
学生服のボタンが陶器に替わったのは良いとしても
疎開先の山村に棲む父の従兄の大工小屋で
兵隊さんたちが材木を使って
角形の潜望鏡のようなものを ....
友達を誘って
紅葉を見に行くバスツアー
賑やかなバスツアー
たくさんの人と知り合いになる
バスの中では会話が途切れない
紅葉の中を歩く
会話は途切れず
楽しいオーロを纏っている
....
いますよ
--------------
私の神さまって居るよね?
ほしいものは何ですか
それは形あるものですか
お金で買えるものですか
手に入れたときを想像できますか
おいしいものですか
温かいものですか
冷たいものですか
....
いっぱい食べてね
おかわりあるから
その薬指から
約束がこぼれ落ちないくらい
いっぱい食べてね
不満があるわけじゃないし反抗してるわけでもない
興が覚めたというか気分がのらないんだ
つくり笑顔が本当の笑顔になるのかな
君の笑い声とユニゾンできるかなぁ
365日後の朝にまだ痛 ....
おまえは夜がこわいと言った
夜はおれも
ちょっとこわいかな…
冷えたおまえのひたいを静かになでた
あしたは何が食べたい?
甘~ぃ デニッシュ…
おれはあちこちのベーカリ ....
朝の川原の岩に、腰かけ
せせらぎに耳を澄ます。
{ルビ水面=みなも}には嬉々として
乱反射する、日のひかり。
一度きりであろう人生を
この流れに…まかせようか
――旅人は岩から ....
水のない球体
光のない反射
あかく くねったり
きんいろに あがめられたり
輪っかや虹や黒ずんだりして
きれい とか 不気味 とか
好かれたり 嫌わ ....
にょきにょきと…背丈がのびる
パキラの樹は、天井にふれ
窮屈そうに
緑の背骨を曲げている
――私ハモット大キク…ノビタイ
音の無いパキラの声は、不思議なほど
対面する私に内蔵さ ....
目の前の、岐路は分かれ
右の標識も、左の標識も
〇い空白のまま、立っている。
*
私は想いを巡らせ…夜道を{ルビ漫=そぞ}ろ歩く。
立ち止まり…深夜に囁く星々に、目を凝らす。
....
つい。
その つい。が 火だるま状に なってくんだ。
あい。
その あい。が 雪だるまみたいに熔けてくんだ。
うん。
その うん。が 渦巻いてって とつぜ ....
晩秋にただよう
すっぽんぽんの朝の冷え込みを
なだめ すかそうと
(北の高血圧の隙間から)
まつ毛をかわかして
ものしずかにふりそそぐ
神無月の太陽の優しさに いま
鴉 ....
クレーター crater
懐かしいね ここは君が終わった場所
同時にさ 始まった場所でもあるんだ
信じられるかい ここに確かに君は居たんだ
最後の最後まで 色んなもの守ろうとしてた ....
私は褐色がかった指に
マニキュアを塗る
輝く爪を手に入れるため
これまでは
手をほめてくれる
人達がいた
大切にしていた
私の白い手は
褐色になりつつある
鋭角の風のよう ....
これだけは秘密にしておきたかった
本音を言うと
僕は先生のために死にたかった
だけど死ねなかった
生きろと言われたような気がした
先生のために生きてみようと思う
人生は理不尽の連続だけど
....
こどものころ 戦争は いつかなくなると 思っていた
実際の話 古代や中世の時代と比べたら
安易な理由では、人は人を殺めたりはしなくなったのだろうか
むかし 中世の時代に 真鍮の牛という処 ....
とつぜん雲が現れる
泣けば楽になると傍らで誰かがいう
雨が降りはじめる
わが子を抱きしめていた腕がするり
ほどけてだらしなく砂を掴んだ
かなしみに浸ることはかんたんで
すべてを捨てる覚 ....
151023
リンゴを買うたび後悔する
赤いのに渋いのだ
渋いから生で齧るのは止めて
皮をむき
何等分にも分けて
芯を取り
お鍋に入れて
ぐらぐらと煮詰める
....
この凝固した時刻
叫び声は沈黙している
早朝は際限なく分解されていく
どこまでも微細に果ては無になるまで
今日死んでいく者たちへ
せめて初めましてと伝えたい
ただ出会うことが
....
ぼくは空を舞っていた
ただ それだけなのに
貴女はロンギヌスの槍を放ち
この胸を貫いた
戸惑い
心臓が張り裂けそうになる
その言葉だけがこの胸を貫いた
まだその瞳も見ない ....
いい加減にいやになる
どうしていつもこんな色
そんな東京の空を
みあげる 首が意思を持って
かなしく首はうなだれて
ごめんなさい とわたしに云う
大丈夫 とすぐには返せないけど
首の ....
ポタージュ 柔らかい母の手のひらが舞う
ポトフ 冬の楽しさテーブルを前にして
ミネストローネ 鮮やかな色は夕日のように
オニオンスープ 琥珀のぬくもり今日を慰める ....
歩き方が分からなくなる
ぎこちなくなる
右の次が左という確証が持てない
やがて立ち止まり、しゃがみこむ
もう、一歩も歩けない
それは、実は、お前の心の表れ
本当の自分を偽っていることの ....
知らないよ
こんなおじさん知らないよ
ぼくは目配せしかしてやんない
しぜんとこぼれる
スマイルしか見せてやんない
どこから来たのかなんて知らないよ
ぼくはおもしろい ....
表意文字同士で手を繋ぐ駅裏の小路
休んでいいかいと言った少年の姿はもうない
弦楽器の音合わせに
五本の指は小さな画面の上をひた走る
青年は手を自由にし煙草に火をつける
再び繋ごう ....
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