銀色の翼が西の空に消えてゆく。
北鎌倉の西洋館の二階から遠く、由比ガ浜が見える。
手の平ほどの水平線に鳥たちは集い、
冬枯れの歌を歌っている。
坂道を下れば、秋が忘れていった ....
変わり映えの無い日々のルーティン
燃えるような愛の情も沈静化
何か変えようとして繕い
疲れて病んで眠って忘れる
曖昧な記憶
アイマイミーばかり
人間誰だって自己中心的
臭いものはアウ ....
四輪(jeep)駆け巡る
冬の笑顔はいいね
あの人の胸のなかにある
鳶色をした大きな瞳
木枯らしを背にするときのカーブ
−ルーズオーバー
茶色のボタンが毛糸にひっかかる
無邪気な雲 ....
2Bの鉛筆を走らせて
刹那に頬笑む君の横顔を滑らせて
想いでの湘南海岸を語るいま
明日はしばしの別れ
必ず戻る
ぼくはきっと千の文字を書く
(入れたい入れたい入れたい入れたい入れたい入れたい)
せりあがる濁流を押さえる、
マンホールのように、
私は夜の車内で唾を飲み込む。
森をくぐり抜けた夜空には、
どこまでもついてくる
三日 ....
残響ヒビキの渦中
透過されていく意識、白く
朝から潰れ閉じたままだった瞼
開いた夜半、差し込む光
大小無数の半透明な橙光球となり
白い意識のスクリーンに浮き沈む
遠い異郷の優し ....
「戻れ戻れ」と君は叫ぶ
海に向かって
波に向かって
「戻れ戻れ」
君は笑っていただろうか
君は泣いていただろうか
青空だったけ
雪降っていたっけ
今でもいつでも
君の声だけ頭に残って ....
自分の中に、経験が{ルビ溜=たま}ってくると
いよいよあなたと私に、別々の顔が現れる。
背が高いとか、低いとか
体が太いとか、細いとか
頭が良いとか、悪いとか
線を引くという行為の、 ....
今迄の僕は
ゴミ箱行きの恋文を
山ほど書いた。
けれども全てが徒労だと
一体誰に言い切れようか?
どうせなら
純粋花火の一粒を
無心に念じ…封じ込め
世界にひとつの手紙を書こう。
....
あの日 わたしは地球の上を電車で走っていたが
その翌日 わたしの脚を守りながら
わたしと(この小さな町の)道を走っていた一足は
歌を忘れたカナリヤとの冤罪とともに光りを奪われていま/
とこ ....
七歳の頃五十年前と聞くと古い民家が浮かんだ
その古い民家の中に入ると壁に御札がはってある
日本人形があり埃かぶった和菓子の箱もある
この民家には悪霊がうようよといて
その中に白い着物を着た皺だ ....
数学の成績だけが上がっていく
「ねぇこの問題教えてよ」と
君にお願いされてから
これがタクラマカン砂漠ならいくらでも書けたんだけどキリマンジャロには縁もゆかりもないからどこを見たってラクダさえいない一粒の砂さえない冴えない顔の私の身もフタもなさといったらまーいおーまーいわったわん ....
モヒカンにピアスが天を崇める
そんなやつと会いたい
きっと言われるだろう
腰抜けって
自らを犠牲にして世界を救った人
そんなやつと会いたい
きっと言われるだろう
あなたこそ私が救いたかっ ....
せいろ蕎麦を二枚啜り
デスクに就いて
もう飽きたパソコンを眼の前にする
ただ 残業の無い会社
感謝はいっぱい
悪くない人生が胸を抱き締めてくれる
長い冬の夜はゆっくりと唐詩の頁でもめく ....
風を嫌う小鳥になりたい
水を怖がる亀になりたい
許すことができる人間になりたい
静寂を好む人間になりたい
雑音の多い、この社会
見なくていいものまで見えてしまう
気付いて欲しくて見せて ....
氾濫する文字に埋もれ
三千のCDに埋もれ
山盛りの釣り道具に埋もれ
樹齢数百年の大板に埋もれゆく
あの世には連れて往けないのに
何故か集めてしまう習性が悩ましい
この世には明日までの命 ....
運転手が二人いても
運転していない方が
眠っていたら
運転している方の
居眠りには
一体誰が気付くんだ?
どう考えたって
三人にして
絶対起きている奴が
一人いない限り
防げないだ ....
さてと
何時ものスーパーに立ち寄り
まづは野菜コーナー
太くて長い真っ白なネギが視線をよぎった
エノキと椎茸をカゴに放り込み
焼き豆腐にシラタキ
おっと!忘れちゃいけない純米酒 ....
十日以上食べられなくなって
明日から入院
多分2カ月くらいは仕事もお休みだろう
しばらくは様子をみるため監禁される
自殺願望も攻撃意識も無いのに
せめてパソコンでも持ち込みたいのに
スマホ ....
一人の母親から生まれた兄弟たちが
殺戮を繰り返している
遠くにいる母の涙は絶え間ないだろう
宇宙の法則は静かに無常を湛え
現象をただ見つめているだけ
帰るとは
ふりだしに戻ることであった
帰るとは
ひとりぼっちに戻ることであった
帰るとは
ひとりですること以外の選択肢を失うことであった
帰るとは
下校のチャイムの様に
何かの終わりを ....
この空が青さを取り戻す時
あの空も晴れてくれるだろうか
優しい光は
隅々まで届いてくれるだろうか
あの子のもとへ
届けてくれるだろうか
駅のホームには
人々の疲労と希望が散らばっている
コンクリートの怒りによって
掃き清められた余りにも尊い人生たち
線路は狂おしく悲しみながら
大きないかづちを流している
....
寒さが増せば増すほど秋に植え替えた植物たちの悲鳴が気にかかるものだ
邪魔な雑音に慣れた耳が他人から発せられる温もりに感じられるように
そして居住する家賃も安くなれば怪しい人物が住み着いてくるの ....
二人で生きてるだけで
罪になるネズミの兄妹
腐った痰壺に顔を突っ込むのが日課
シンナーの染みこんだリノリウムの床のみぞ
鼻先でなぞると世界が反転する
それが彼らの慰めです
体の半分 ....
何度もくらべ
追い落とし
殺してきたもの
探して
失い忘れて消したままのもの
食らい続けた無数に償う
夜の数だけ犯した
昼間の数だけ狂って吐いた
それだけなのに
僕が違ったの ....
160114
拝啓前略
最近、
読んだかどうか覚えていない書籍が増えた
表題のも定かで無いが
雪の降る頂上付近にヒョウの死骸があったとかの
描写があったような ....
ちょうど新月の晩
旅人は家族に会いたいと
強く願った
真っ暗な森の中
たまらずに声をあげて泣いた
声は木々のざわめきにかき消され
ますます孤独を感じずにはいられない
パチン
....
冷えた夜に冴えた月を眺めながら、
あなたを思い浮かべる。
私は窓の鏡のなかで、
薄皮を剥いでいく。
あなたの鼓動が私の身体に触れる。
私は刹那に哀しくなる。
歓喜に触れて哀しくなる。
....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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