田舎とも言えないありふれた田舎で
あなたはひとりぼっち
自分のありふれた形に
泣きそうになってる
崩れた土たち
あなたがトンネルを掘ったせい
水をかけすぎたの
ぐずぐずになってしまった
....
温かい布団は息もせず
脈を打たない抜け殻だ
窓ガラスが凍ったら
鍵もかかっていないのに
外には出られない
石油ストーブの声がした
気だるそうに歌っていた
....
はじめに鳴り響いたのは赤ん坊の鳴き声だった
ギャアギャアと泣く赤ん坊を抱きながら困り顔の母親がふたり
辻の西と東からやって来て
....
エグイ世間と理想の間に 弾かれた虹色おはじき
摩擦で汚れたスペックは 憂鬱を残し消えてった
アイツが姿を消す前日 小さく呟いた言葉も
一面飾った後直ぐ 月影に溶けて零に成った
正解不正解を ....
吐く息で散り
舞う 雪の朝に
傷口のファスナーは下ろしたまま
眼差す問いが鷲づかみにした
瞑る心臓 跳ねる魚
口いっぱいに頬張って
ダシテ マタ クリカエシテ
僕は確実にろうそくより青 ....
心臓の鼓動とともに
コトリ、と、音をたてるエス
立場のアレコレを考える自我
善悪の規範、超自我
いま
どれもが
ひしめきあって
現実で
生きようとしている
愛 ....
海流から海流へ
乱気流へ乱気流に
暇にかまけて遠方へ まるでからかう 音離し
あー、幾億駒 燃えている とどめ置けぬほど 美しく
あー、幾億戸が 終えていく 放ぽり出せる事 疎ましく
....
1.
ある日
ふと思い立って
きみの世界に寄ってみた
そこではきみが
四足歩行で用を足していたり
三色に光りながら交通整理に励んでいたりして
それは
何一つ変わ ....
いつのまにかあった家
気づけば幾年
窓も褪せる
ひびにテープ
天井から埃の糸
忍び込む猫
減る家族
積もる思い出
柱は底から朽ち
素通りしていく
人も風も時も
残ったものは
何 ....
テメェらの陳腐な詩には飽き飽きだ!
そう言って僕は詩の世界から退いた
そうだ僕だってそんな内容しか書けない
知ってる、知ってる
児童虐待、親の愛、真実の愛、つかみ所のない恋
何を書いても ....
呼ぶ声の向こう側には
私はいない。
呼ぶ声の内側に私がいる。
声の内側は、
鮮やかな肉で、
血を吹きながら擦りきれている。
擦りきれた肉の隙間に入る風は、
冷たく心地よい。
無関 ....
風を知らない無知な私を、
笑う子どもがいる。
子どもは殖えていく。
げらげらからから、
騒ぐ鰐の口になって、
私を咀嚼する。
咀嚼されながら私は、
私から反時計回りにまわる
星の輝きを ....
通勤電車の厚い窓に
朝の光が 何層にも折りたたまれている
世界を遮断して
許されたものだけが 透過してくる
見渡す景色が 放射状の光の道たちに
遠く近く切り分けられて
本当の姿を ....
ドロリ
ケーブルの中 濃密なインクが運ばれてゆく
末端で待ち受ける 退屈なひとたち 忙しいひとたち
虚無となれ合うための儀式
みんなハイになってる
眠れない 闇の一隅
不思議な薬が ....
流されていく 高いところから低いところへ
流れていく 目から頬へ
流れてしまう 重力に逆らえない
流れて 流されて 流れていく
嬉しい時は 踊るように流れる
悲しい時 一 ....
愛されたいと言うのなら
まず
あなたが愛さなきゃ
大切にされたいと思うのなら
まず
あなたが大切にしなきゃ
あなたが心を持っているように
彼も心を ....
目の前にある現実を受け入れた時、
世界がほんの少し明るく見えた。
人の数だけ存在する悲しみを受け止めた時、
ほんの少し自分の成長を実感した。
苦しみを何でもないと思えた時 ....
電柱の下に女が立っていて
その両目が強く抉られている
古い古い傷
傷の奥にはきれいな屋敷があり
台風の夜など
海に向かって(蟻ほどのはやさで)
屋敷は崖からずり落ちていく
古い古い傷
静かな夜
波の音が響く夜
月がよく見える夜
あなたと強く抱き合う
気持ちを一つにしたくて抱き合う
明るい今を抱き締めて
明るいあなたの光が眩い
幸せの波が今を満たしている
....
キラキラの太陽の下 粒粒のサンゴ 咲いた
首飾りにするには ちょっと遅いね 君が言った
首元が 心許ないからなのか
その筋を 隠せるのかと 画策したのに
徒労に終わる
もう一 ....
『少女』
今日でハタチになるのよ
少女は花を散らして
その1秒を不器用に演じた
『宇宙』
置き石をみっつさせて
盤に星を置いてゆく
計算は怠らず
擦り合わせてジゴに ....
ベジタリアンの夫は機械が刻んだ野菜を好まないのでわたしは毎日大量の野菜を刻む、薄切り、千切り、いちょう切り、短冊、ささがき、タワーマンションの最上階に住んでいながら、窓の外なんかほとんど見 ....
窓の外の
雨の影に
音がないので
音がないので
部屋を満たす静けさが
宇宙の寂しさにつながってしまう
一人の時間を
刻む時計が
キックッ キックッと
決して分けられないはずの ....
そうやっていつも誰かの心を信じ
背かれても「人」を愛する君は
繰り返す涙を伝う前に隠し
お持ち帰りの痛みと
どうやって過ごすつもり?
白けた夕陽 滲む、憂いの瞳
本当の音で 眩しい未来 ....
彼には
歌詞カードが
欠かせない
言葉を大切にしている?
そうじゃない
歌を聴いているとき
言葉は二義的なものだ
それは彼にとっても
誰にとっても
彼が必要としているのは ....
私の胸から発する悲しみが
昏い宇宙を亘り
やがて優しさとなって
あなたの胸に届きますように
ベッキー相手に
ちんちん勃たせる
(手垢が付いているのは承知で
敢えてボッキー!)
奴はちょっと怪しい気がする
ベッキーで勃起するなら
ペコちゃんでも勃起するのではないか?
ペコちゃ ....
長い時間をかけて
黒く塗りたくった羽根を
君は
僕の背中から
剥ぎとったんだ
僕が
自分の足で
一歩ずつ
前に進めるように
自分の手で
一枚ずつ
....
背の高い男でした
私を食べたのは
盗まれたもの
はありません
私は私の肉体を
返却
します
借用証明書
は
捨てました
今度は
誰を
レンタルしようかしら
プライスカード ....
その日 久しぶりだった CDを借りて
そして 家のバカでかいスピーカーから流していた
そのCDを流す時 部屋で
かつての私が悲しく思える時の中で
1382 1383 1384 1385 1386 1387 1388 1389 1390 1391 1392 1393 1394 1395 1396 1397 1398 1399 1400 1401 1402 1403 1404 1405 1406 1407 1408 1409 1410 1411 1412 1413 1414 1415 1416 1417 1418 1419 1420 1421 1422
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
5.14sec.