叫びたい花の襞が、
指先を突き破る。
突き破られた、
指の皮膚から噴き出した、
花の汁が、
タールのように暗い、
色とりどりの世界を描いていく。
傷つけあうことで、
構築された暖か ....
〈一匹の龍が
その顔をあげ
ゴロゴロと喉を鳴らし
深く重たい雲間の一点に
目を凝らす〉
深い暗闇の中
淡く灯る光の下で
1人のバレリーナが踊る
タンタンと
音を立てながら
体を ....
性行為を
性行為として
純粋に楽しむなら
もうアナルしかない、と思う
それにしても・・・
冬のアナルは、
淋しいね
立ちバック状態で
きみのアナルに
呟いたとき
隙 ....
わたしは
粒で出来ている
粒は
かなしみも
ぜつぼうも
知らないまま
ただ
あたえられた時間を
あたえられるままに
はずんでいた
ときおり粒は
とどこおる
たとえば寒い ....
つつじが丘のひだに
住みついて 三十年
いま 卒寿となって
しんみりとおもう
九十の齢(よわい)の歩みが
(おかげ ....
小さな歯車の音が降る
遠くへと去る足音も
積もりつづける夜の光も
淡い動きに満ちてゆく
光の器の心は欠けて
路面電車の灯を見つめ
ひとりの子が
ふたりの声で歌 ....
ドラゴン出てこない
あんなにがんばったのに
なにも悪いことしてないのに
いっこうに出てこない
どうすんの?
どうやんの?
ドラゴンどこ行ったの?
森を探しても
街中を探しても
どんだ ....
詩を書けば
空よりも青く
哀しみにも負けない歌声がある
ほら、耳の聴こえない男の子が楽しそうにみてる
片足の不自由な女の子は必死に両手を振っている
みつめれば舞台の上で ....
太陽から見た冬の地球は
不思議に見えるだろう
地球のほとんどが真っ白になり
生き物たちが寒さにふるえ
まあるい雨のようなものが降りそそぎ
息を吐けば白いけむりがでる事を
燃えてばかりいる太 ....
暗闇に漂う一本の手首のことを考える
指はすべて揃っていて
爪には土と苔がこびりついている
どこか山蜘蛛のようでもあり
それは実際に一匹の生きた蜘蛛である
さよならだけ上手になっていた
忘れようとして
懐かしがるだけ
もういらないや
さよならの練習だいぶしたから
愛は時間のことだ
時間の無駄と感じるなら
愛も ....
自己主張の強いバカの
バカな自己主張が強ければ強いほど
発言権を得ると言う
詩情とはかけ離れた世界を
許容している自称詩人達に告ぐ・・・・・
ザ、ザザ、お前、プー、プー、ろくでも、ガ、ガ、ガ ....
明日に次の日があさってなんだよね
それが正しい
でも私には
明日の次の日は
明日の明日なんだ
昨日の次の日が今日なんだろうけど
私にはね
昨日の次の日なんだよ
今日やったこと
....
「グーチョキパーで
グーチョキパーで
なにつくろう
なにつくろう」
と歌ってたゆうちゃん
「グーはチョキに勝つんだよ」
と教えたら
不思議そうな顔をしてこちらを見ている
右手がグー ....
昼上がり
インターホンの音と共に現れたのは
生まれ育った家の一階に住んでいたもう一人の母親
楽園で寝静まったPrayer達を従えて
雪の国に静かに明かりを照らす
坂の下のオメルタは現 ....
くるりと足を上げ
飛沫もあげずに潜って往く
小石のように すーっと
光がゆらゆら届く辺り
うたたね だから
すぐにまた浮上できる辺り
食事の後 うっかり
文字や何かに集中しようと ....
まよう
答えを探している
息子とじゃんけんをする
勝っても負けても
答えを見つけることの間違いを
教えられる
あいこでしょ!
障がいについて
伝える日がくること
世の ....
すれ違うためのいくつもの道が用意されている
君がどの道をたどるのか知らない
そのため受け取ることのない手紙は書かれ続ける
愉快だが退屈な時間が流れる
雨が降る道を器用に選んで避けた
ふと ....
木曜日に古い友人と会ったのだった
久しぶりに聞いた彼の恋人の話
結婚するのかもしれない人だった 彼の
私は話すことはなかった 彼の 隣で
私は座っていた 何も変わっていない顔で
私にあるの ....
160210
時間が無いから
じゃんけんで決めよう
じゃんけんで決まった
わたくしの人生
なんとも恥ずかしいことの
連続さと思っていたら
フーテンの寅さんに ....
バロウズはジャンキーで
ウイリアムテルごっこをしていて
嫁さん撃ち殺したけれど
ビート世代の代表的作家だ
ハンター・トンプソンも
最後はクスリで頭おかしくなって
こっちは自分の頭に
....
残雪は
音をたてる
煮えたぎる
音をたてる
崩れ落ちる
溶岩のように
呑み込まれると
....
ハンザギは
のっそりと
重たい頭をもたげた
ハンザギは
のっそりと
重たい腰をあげた
今宵最期の一晩に
挨拶回りをしましょうと
鮎も
岩魚も
カワゲラ ....
風は光と影に囁き
透明な空気を細やかに主張した
何故なら
ある歌の中では 黒が白となり
ある叫びの中では 赤が青になるからだ
透明感のある言葉は一体どこに隠れたのか
人の主張は圧縮され ....
あの子の悲しみを
代わることができず
慰めの言葉一つかけられなくても
側にいることはできる
あの子が顔を上げた時に
すぐに笑いかけられるように
話を聞けるように
....
(ソンナコト、イウ、ミサチャン、ナンカ、キライ。
ふたりは同じ薄ピンクのフレアースカートとツインテールの幼稚園児
ミサに、少女は拒絶の言葉を投げつける、と
ミサは酷く優しい顔をして、とて ....
骨をくわえた、
私になった犬はどこへ消えたのか。
犬は私になったのか、
私が犬になったのか、
窓辺から不意に現れた犬の、
口にくわえられた骨には、
長い髪の毛が絡みついていた。
髪の毛は ....
夢中になった歌集は 本棚で埃をかぶっている
覚えている言葉は もう何も動かさない
好きだった花が 色褪せて見える
もともと 好きでもなかったのかもしれない
紅をさす 鏡の中にいるの ....
呼吸をさまたげるぬるい真綿と
つめたいくさび
命には届くまいと言い聞かせて
悲しみが訪れてくれるのを待つ
何もかもを涙に流せる静謐
繰り返しの記号がとめどなく
胸腔を破ろうとさわぎ
....
深層学習の時代に
いつの間にか
生産中止になっていた
色付きの碁石
三人目
の人間たちがこないまま
私たちの票と
反対派のそれを
採決しようとしていた
(いずれはまつりごとも ....
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