ドーナツばかり食べている
その穴ばかり食べている
わたしがわたしであるために
あなたがあなたであるために
そのどちらでもないもののため
食べるたび空腹になるのはなぜ
願うほど切なくなるのは ....
聖なる憎しみよ
人を憎むということは
愛することをしたいことの裏返し
人々の争いの気持ちの中にも
人間だけに可能な聖なる感情が結実する
お願いだ憎しみの方法を教えてくれ
もっと大きな間違い ....
曇のなかの金属が
鉱と擦れ合い 匂いを放つ
音の波を燃し
輝晶を放つ


光の槍
降るはふたり
ひとりは死びと
ひとりが背負う


左上が白い夜を
けだも ....
遠くの山々が
のどかに雲の帽子をかぶっていた日々
春の野をいっぱいの花でみたし
初夏の木々を新鮮な緑で塗りかえてくれた
美しい地球よ
恋しい地球よ
どうか
山を崩さないでくれ
家を ....
 今日という日に新たな風が、吹き荒れている。
 それは喜びであったり悲しみであったりする。
 一つの言動や行動が新たな何かを生んでいる。
 希望や絶望が不可思議に織り込まれている。

  ....
感覚が感覚を呼ぶ、
空気にのせた音というもの、
私の声が、
はらりと涙のように、
紙の上に落ちると、
私の声はさかなになって、
紙の上を泳ぎだす。
そしてひとつの感情を繋げて、
物語を ....
ヘリコプター調達する
金があったら
弁当買って持って来い
どうせ上をブンブン飛んでるだけなんだからよ!

おっと、出た!
御得意の「我々には伝える使命がある」
ガハハハ
伝えた後は、会 ....
電気を落とした
湯船に入り
じぶんの顔をまじまじとさわる
こんなところに

あったっけ

どれだけいきても
わからない
ことは
どれだけしんでも
わからないのだろうよ

暗 ....
呑み込まれていく織り込まれていく
巨大な力と熱のうねりに
圧倒的で繊細な愛の織物に

わたしの中で蠢き思考し活動する力の流動体が
人生の不条理こそ条理と響く木霊の透明未知が
受肉の快と苦に ....
人が疲労する以前に
時間は疲弊し尽くしている
触れようとして伸ばした手の指は
じりじりと焼かれていき
その先には花が咲いている
名前もなく特徴もない
あらゆる花を平均して作られたかのような ....
丘を越える夢を見たい

風吹く空に金色の
夕陽に溶ける夢を

穴の中にいる自分
暗がりでなおうつむいて

夢さえ見なくなって
どれだけ経っただろう

開けても閉じても目に
色彩 ....
深さを知っていれば

誰の心も
覗く必要はない

酒を飲んで
楽しくなって笑い合い

滑らかな表面の
心地いいあたりで互いに漂う

浅い関係の
なんという絶妙な距離

純粋 ....
時々
体の壊れる音がする

それとも
心の壊れる音か

耳鳴りは
永遠に続くかのような蝉時雨

悲しくはない

目を閉じれば
あの夏にいる 
道はつづいてゆく
途切れながらも果てしなく

途次の三叉路で
焼きそばの匂いにさそわれて
この街道に至る

次の五叉路では
上海の娘が待っていて

サイレンのように
髪を偏西風に ....
――あなたは、聴くだろう。
日々の深層の穴へ
ひとすじの{ルビ釣瓶=つるべ}が…下降する、あの音を。

――漆黒の闇にて
遥かな昔に創造された、あなたという人。
遺伝子に刻まれた、ひとつの ....
 途中雨が降ってきた。傘をさすのも買うのもめんどくさくてそのまま歩いた。
 昭和通りの路地に店を探した。
 愛する男を独り占めしたくて、痴情の果てに男の性器を切り落とした女は、六十を過ぎてなお妖艶 ....
 ぼくは師匠にうでを見込まれて、理髪店を一軒任されるようになった。へたくそが髪を切ると、髪が伸びるとそこだけ浮いたようになるのだが、師匠に教わったやり方だとそうはならなかった。
 髪の毛というのは伸 ....
 和夫くんはさすがだった。秋が深まるころにはいじめられなくなっていた。
 和夫くんのお父さんが無実になった訳ではなかった。
 小学生の頃から和夫くんを知っているひとなら、先生からもつねに一目置かれ ....
 藤の花が咲いています
 あなたの知らないところで
 藤の花が咲いています
 あなたの見えないところで

 今はもう打ち捨てられた山林の
 雑木林が煙る春
 柔らかな新芽の真新しい色
 ....
巨大災害に備えて何かするのは
結局運よく助かった場合の
事後対応のためだ

被害に遭わなかった俺達は
悲惨な光景を目の当たりにして
「やっぱり身を委ねるしかないのだな・・・」
と気付いて ....
我が身にはこれからも
あまりゆかりのない言葉

新学期

なぜだかわからないが
断固として幼稚園にも行かず
日々放浪していた僕にあたえられた

小学校という世界の箱庭で
やっと社会 ....
ねぇ…
真実も偽りも
本当も嘘も
現実も理想も
全てを見たあなたに
今何を映してるの?
このあおい夜を切り取って縫い付けた右腿は
ぐずぐずと黒く膿んでしまったから
風通しの良い洋服を探している
ふやけて黄ばんだ気に入りの本にはさんだ言葉をまだおぼえているか
いいえわすれて ....
どうしてまた
と 問う度に空瓶はふえ
瓶の立つ数とおなじだけ
言葉を見失う

不運と幸運を釣り合うように計ってのせた菓子盆
運ぶうちに混ざり合ったこれをいったい何と言う
花びらが散って
緑が眩しい輝く気持ち
身体中で吸い込む
新しい季節のはじまり
いい匂い
鮮やかな破裂と
飛び散る細胞
広がる感覚
蠢く命と呼吸音
吐き出す息と
春風がどこまでも
 ....
鍵を右に回したなら

右の扉の錠が回って

鍵を左に回したなら

左の扉の錠前が回る
フィギャーノート創始者の
マルックとカールロに会った2006年

彼らは「北方派五分楽団」の演奏を観て
指導者が素晴らしいとコメントしたけど
ボクが指導者だと知った時に
信じられないという ....
海岸に沿った
緩やかな下り坂を
自転車に乗ったきみが
麦わら帽子を
左手で押さえながら
駆け抜ける
両足が離れたペダルは
クルクルと空気を
掻き回している

きみの後を
女性警官 ....
胸の上の微小な斑点は
ほんの少しの
風力だけでその
配置を変えてしまい
圧力は少しずつ逸れていく
本棚は不格好に撓み
空の瓶底が
真新しい壁と同じ色になったら
抽斗を開ける
清潔な
 ....
夕方のショッピングモールで見かけた
こげ茶のブレザーと黒いリュック
早足の後姿は あの頃と同じで
リュックから にょきっと突き出て揺れているゴボウ


器用な指先を思い出す
鉛筆を削 ....
自由詩
タイトル 投稿者 Point 日付
ドーナツの夢やまうちあつ...216/4/20 11:34
聖なるメダリオン黒髪1*16/4/20 10:34
みどり うたかた Ⅲ木立 悟416/4/20 8:50
恋する地球を恋するyo-yo4*16/4/20 6:40
祈りヒヤシンス2*16/4/20 5:07
ワインあおい満月216/4/19 21:40
ヘリコプターを撃墜する花形新次116/4/19 19:28
とおくなる浴室Seia116/4/19 15:35
魂の核ひだかたけし7*16/4/19 13:38
幻花葉leaf216/4/19 7:36
バルバロイガト4*16/4/19 4:36
優しい他人1*16/4/19 4:23
耳鳴り5*16/4/19 4:15
空へかえるマニュアル1梅昆布茶716/4/19 3:52
零の世界服部 剛516/4/18 23:35
花畑(終)吉岡ペペロ216/4/18 22:59
花畑(5)216/4/18 22:56
花畑(4)216/4/18 22:53
あなたの知らないところで亜樹016/4/18 21:52
乾パン花形新次316/4/18 20:43
新学期梅昆布茶816/4/18 11:45
リィ1*16/4/18 10:07
はるな416/4/18 2:43
菓子盆416/4/18 2:38
春風灰泥軽茶316/4/18 1:27
自由詩雨へのダブリ...116/4/18 0:00
フィギャーノートは使わない板谷みきょう2*16/4/17 23:47
ポケットに詰め込んで花形新次216/4/17 22:26
無為の輪郭noman316/4/17 21:48
恋人藤原絵理子216/4/17 21:35

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