髪の長い男が好きだと
あなた言ったでしょう
だから私こんなに長く
切ってしまいます
切ってしまいます
ハンドルを
歩行者に向けて
中島みゆきを聞きながら
休日で賑わう通りを ....
どこにもいない人
どこにもいなかった人の
残像
ひぐらしうずまくその中で
黒い影が夕日を浴びる
影
ですらない
どこにもいない人
行く場もなく
たった一人の夢の中
残像は生活し
....
目を瞑ってはいけない、
口を開いてはいけない、
手の足の動きを止めてはいけない。
あなたはそうやって、
私の心の肩を切り落としていく。
そうして切り落とした肉を、
壁中に張りつけて。
あ ....
優しくするのに理由があるとしたら
されないほうが幸せなのかもしれない
てんびんみたいに均等なんてありえない
庭でつばめが巣をつくる
それをねらってへびがくる
去年へびは雛を喰った
なの ....
リサは
草原に群れるヒツジを描いた
青い空 緑の大地
日本の大人なら
ほとんどの人が知っている
クラーク博士の指す牧場
に居た薄茶色のヒツジ
の群れ
三々五々 ....
一滴の滴が山に落ちて
やがて渓を渡り
大海に流れ落ちてゆく
透明な魚たちの飛翔にまなこを落とし
明日を占い
龍脳の墨を摺り
静かに筆を走らせ過去をなぞる
今年も若葉は季節を知り
....
出会い頭の事故というのがある
この狭い家にも
トイレのドアを開けると
出会い頭の事故にあう
風呂に入ろうとして
ドアを開けると
その人はいつもそこにいる
襖を開け ....
静かな部屋で
茶をたて
一輪の椿を散らし
伽羅を聴く
刹那の想いと三千世界を閉じ込めるように
液体の膨張がぼくを支配する
そのしぶきが吹き零れようとするのを抑える
漁火のように照る女の
光るふたつのオニキス
そこに浮かぶ小さな彗星の軌跡
じりじりと焼き爛れる腰の捻り
ぼくの血管の鉱 ....
1
やさしいきみはあまやかな声の中に居た
水のせせらぎの癒しにも似た音色
きみは水で形成されたうつくしい水精(ナンフ)だった
ぼくはひとつの水槽の中に入るように きみのなかに熔けてゆ ....
年をとるということは
悲しみに気づくこと
それは漠然と近づく終わりを
魂の一番深い場所で
悟ってしまうこと
だから
何かを知る前の瞳が
この世の何より美しいの
体は穢れ ....
銀の盆に乗せられて
運ばれてくるのは若さ
その生贄は
無邪気な言葉で今を語る
なんの考えもなしに
与えられた奇跡を浪費する天使たち
説く教えなどない隠者は
黙って美しいものを ....
生まれた町が
少しずつ変わってゆく
取り壊される古い団地
あの棟には昔
友達が住んでた
ガチャで出したおもちゃの指輪を
いつか私にくれたね
名前も思い出せない
忍者 ....
蛹の中で身じろぎする幼生の
息遣いほどの微雨
清流に屹立する山岳の岩は
主たる寡黙な黙想に耽り
棲みつく生物たちの呼吸を内包する
母を疎う駄々としてか
広野に下りた者は口々に囁く
懐 ....
ごごお、ごごおう、
今宵もまた強く風が吹く
ごごお、ごごおう、
汚れた哀しみのコバルトの闇に
刃を剥く三日月さえも
ごごう、ごごおう、
吹き飛ばしてしまえ
おはよ
世界
元気ですか
また
嘘をつく
オトナを見ました
まったく、ね
最高にハッピーになるおまじない!
なんだよそれ
帰れよ
結局ね
好きじゃないんだと思いま ....
CMのとき急に音おおきなんの
どうにかならんかね
わしらCMのとき
音ちいちゃなるね昔から
CMのとき音おおきならんかね
あと
草野球で
代打の波平が滑り込んで
アウトかセ ....
睡眠導入剤ネタで
盛り上がるバカ達
お前らが寝られなくたって
家族を初め誰も困らないし
単に医療費の無駄使いで、迷惑なだけだから
一生、起きていりゃ良いのに
・・・・・起きたっきり ....
鋼鉄の肩甲骨は今も健在だ
貯めてきたきたものは一気に吐いて
シンプルになりたいと思う
物量が部屋を充満して
身動きも出来ない
冷凍庫も満載で
どうにもこうにも
ただ妻のレモンが作るロ ....
赤くこぼれている花
昨日の天気予報
今朝はもう違うことをいっている
あそこで咲こうか
たねがどこ吹く風にまかれている
ゆっくりと悲しくなろう
ゆっくりと酔っても ....
昨日今日明日、
きのうきょうあす、
くりかえして、
くりかえして、
私たちの雑巾はもうぼろぼろだ。
日々雑巾を絞る。
木綿糸で繋ぎ会わせた縫い目からは、
明日の台所がみえる。
絞る手の ....
いてくれるから
らしくあれる
らしくなれる
強く強く
気づいたこの想い
届けるために今がある
早くこっちへ来てと
求めてばかりで
その考えをなおざりにし ....
真剣に
なればなるほど
うしなうのがこわくなるから
たしかめながら
歩みをすすめてしまう
待てば
答えは自ずから出る
そんな言葉に出会ったけれど
待つのは
途方もなく、ながい
なが ....
冷えた糖蜜の
途切れず
細く垂れるのを
吸いながら
暗闇に溶けて
見る夢は
疲労感なく
洒脱な世界へ
かろやかに
浮く
リンネテンセイヲシンジナサイ
イマガドンナニフコウデモ
ネンブツヲトナエレバ
ゴクラクジョウドニイケルシ
ライセイハキットシアワセニナリマス
ウイ〜ン、ガチャッ
ウイ〜ン、ガチャッ
....
風の強い春の日の中を走る
この二両編成のさびしい列車は
さながら私の部屋のような
根付いた親しみで満ちている
シートに座れば座布団のようで
人が乗れば来客が来たかのよう
そう思える寛いだ春 ....
漂い波打つ
波打ち漂う
響きの光の
光の響きの
渦巻き潜る
潜り渦巻く
光の響きの
響きの光の
集まり造る
造り集まる
響きの光の
光の響き ....
実験工房にて
神学を爆破する導火線に
火をつけてみる
解体工房にて
蔓延するヘイトスピーチの
舌の根を根絶する
スナイパーロボットと
遊ぶ
あの建物は
もう誰もいないのに
....
眠剤飲んでからエンジンかかる
手など
近頃 じっと見たこと無いが
今朝 背伸びをしようと
上げた手を見てしまった
よじれた皮膚の連なり
幾重にもかさなった山脈のようで
これがわしの手かね
柔肌を撫でた歴 ....
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