明日からまた、
雨の一日がはじまる。
灰色の視界は、
私を箱に残したまま。
箱のなかには、
脱いだままの服や、
読みかけの詩集たちが、
底のない目で私を見ている。
伸ばしっぱな ....
ひとはいつも希望の輝きと絶望の淵を内包している
自我というがんじがらめの石ではなく
自己という関係性の中のやわらかな今を生きている僕
僕の好きなひとに結婚を断られた
たまに会って食事ぐ ....
たとえば月が地球から離れていく
周回軌道が大きくなる
そこから逸脱していく
さよなら地球星、さよなら地球星
いろんな国の国旗を眺める
いろんな国の国歌を聴く
ラ ....
山菜採りのジジイ、ババアが
熊さんに食われたらしい
熊さんからしたら
捕まえたは良いが
いざ食ってみると
骨と皮ばかりで肉は少なく
しかも硬くて
あまり美味くないなあと
思ったに違いな ....
動きが素早く枝渡りもうまいので 最初はコゲラかと思ったら
何羽も群れているし とにかく小さいのです
双眼鏡でよく見てみたら 日本で一番小さい体長約10センチ
体重は3g 1円玉3個分の キ ....
今夜、なにかをしでかしてやろうという気でいる
朝が来る前までに、なにかを
今頃考えている、なにができるかって
だからってなにもしないことはない
必ずやってやるんだ、なにかを
しでかしてやるん ....
愛していたって
嘘ばっか
初夏の風が
私の皮膚を剥がして
新しいわたしが現れる
つまらない
音や物を振り払って
白い光に溶けていく
それはまさに
ブラックホールに
飛び込むように
冷たくて端的 ....
眠気が止まらない
暑い空が広まる
気怠い午後は
終止符を打つ場所が
見当たらず
継続する
ミモザの美しいころに
父さんと手を繋いで
理由もしらず
バス停まで歩いたことは
憶えているわけもない
わたしは二歳
父さんの掌はきっと
わたしのちいさな手に
この世でほかにはみ ....
お父さんは素敵な人で
わたしはおかしな人で
お父さんには常識があって
わたしにはそれがまるでなくて
常識が非常識を命がけで守備してた
非常識はそれを空気だと勘違い
空気は人力の愛と汗と ....
どんなにかあたためても
言葉は言葉でしかない
たまごとは違う
なにも孵らないよ
書ける人ならペンと紙とを
書けない私はワードを使って
きょうもいまもあたためながら
ほんとに求めるもの ....
フロントガラスの向こう
傘をさした女が滲んでいた
雨にうなだれる花のように
あれは昨日のことだろうか
瞬間の感覚の飽和を無限と呼ぶしかなかった
悲しい詩人の形見 憂鬱
古い壜のよう ....
その話なら聞いたことがあります。
#空間と海月
くやゆやゆん、の天気輪に
噛り付いたまま
明々になってゆく。
大きく口をあけた月光の巨人が、
わたしの感動を食べてゆくものだから
何本 ....
大理石の神殿の、柱
だけ
屋根がなくなってからというもの
祭壇の火
は
昇
っ
て
渇仰が昇
っ
て
重い、石
捧げて
お父さんが帰って来なくなった
お母さんは泣いたり笑ったり
そして怒ることが多くなった
いつもはお化粧するのに
今朝はしないでお出掛けした
いろんな場所に立ち寄っては
ため息をつくお ....
「こんなはずではなかった」
帰りたくない
居眠りをしてしまい
気づいて飛び出た場所は
聞いたこともない名前の
無人駅だった
紫陽花の咲く線路脇にいる
若い母子が傘を共用しながら
....
耳を切り取って置いておくと、世界が聞こえてくるという
耳だけが震えて、
ぶるぶる震えて、
それだけを聞くこと
先生はいつも家に屋根裏部屋があるふりをしていて
どうしよう雨漏りだと慌てふためいて
今日の空模様が今ひとつであることを
哀しみに満ち溢れた顔で大袈裟に伝えてくる
まったくどうしようもない
....
がらんどうの音楽室
壊れたオルガンを解体している
ばらばらと散らばる鍵盤
わらわらと湧いてでる歯車
錆びたネジを引き抜いたら
マネキンの首が転がり出てきた
どうしてだろう
いつも窓際 ....
#捕まえる為に
まず綺麗に梳いた。
きらきらと剥がれる、
わたしとわたしの証明を
食事のように、
口に運ぶように、
摂取するように、
喰らい尽くすように、
そこを梳いた。
それを ....
蓮の台にそっとこの身を横たえ
明日を開いてゆく夢をみた
模倣と言われてみれば
そうだけれど
みな積み重ねられた経験から
新しい切り口を探しているのだと知った
白日に晒された残像のうちに ....
さみしい さみしい 陽が暮れて行く
影を連れて歩いてゆく道 さみしくて こころぼそい
落日と人生の幕引きが重なる
もう昇ることない太陽 背後から近づいてくる死期の予感
儚き夢も ....
しまった、走り過ぎた。速度を出し過ぎたらしい。
危険すぎる。信号は黄色信号で点滅し続ける。
『気をつけろ』
この速さが気持ちよくてアクセルばかり踏んでいたらブレーキが効かなくなってたんだ。点滅す ....
次々に侵入浸透してくる音像、
粘つき交わったり飛び跳ねたり
それぞれが何ともランダムに
形象意味を打ち鳴らし波打ち
意識の内界に絹糸の言葉響かせ
凹み穿っては逃れ去っていく
豪放な震動 ....
雷鳴の腕の輪
静かに降る蒼
光は燃える
ひとつのしるし
星を知らない人に
星を教える言葉
ひとりの背には
降らない言葉
荒涼とした灯の連なりを
鳥の影 ....
もしも背中に翼が生えていたら
こんな闇
飛び越えていくのに
屹立する光の柱
眉間から伸びる紫のオーラ
醜い豚のような身体
美しくなりたいと思った
光の側に ....
いびつなこの星
の大気を
この手で触って
不純物の
ざらざらする感覚を
確認する
今の僕には
樟脳
が
必要だ
あの香りさえあれば
現 ....
美しくなりたい
そう思った
ヒキガエルのように醜い身体
身動きすらままならない
吐き捨てたくなるような現実ばかり
夢を見ることに
何の意味ももてない
遥か彼方 ....
恋はね、鬱の一種なの。
そんなことばを教えてもらった。
恋ひとつで病気になれる、
そんなあなたが羨ましい。
狂おしいぐらいの恋を、
いつから休んでいるのか。
脳内麻薬はからっぽなのに、 ....
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