誰も知らない海でした、(けしてあなたのほかには)
舟は出てゆく
夏の入り江、あなたの瞳の奥を
白い鳥は羽根を休めることなく
空にすべる手紙
返事はいらない、ただひとこ ....
トランプとヒラリーの討論を見た。
私は、トランプにぶがあるように見た。
どちらが大統領になるかわからんが、・・
権力闘争とは、それにしても怖い。
みんな真剣だ。
....
気づいた部分があれば
気づかない大部分がある
気づいた部分にとらわれすぎると
判断を誤る
たるんでいる
それだけだろうか
絶対に遅刻してはいけない場面で
どうしてそんなことをするんだ
しかもそれが当の自分だ
この自分自身を許せないという
やるせない想い
この気持をどう ....
そうして八月がやって来た
濡れた髪は山脈のゆるい傾斜をなぞるように戦ぎ
大地の荒々しい脈動を伝える両脚は
透徹した眼をもって立つことを求められていた
ぬるい渓流を走るわたしの血管
....
ブランデーを喉にながす
こくりと飲み込んだうつつは儚い
床にぶちまけたこころの黒さは
いつのまにか天井になり
わたしを覆い隠した、ほし、星のようだ
眠れずにひとの温もりだけを ....
居場所を失った高齢者の最後の受け皿が
刑務所になっているそうだ
刑務所なら安心だ
衣食住から病気の治療までしてくれる
少なくとも餓死や孤独死はあるまい
死んだ後も引き取り手がないなら
火葬 ....
気まぐれでかたまりで買ったでかい肉を適当に切り開いて、塩胡椒ぶっかけて柄のガタついたフライパンでおよそこんぐらいだろうという程度に焼いたら皿に投げ落とし、適当に作ったソースでパクつくとまんざら ....
風の音が聴こえる
こんな夜は
抑えつけた想いが
はじけそうになるのを
必死でこらえて
八つ当たりするなにかを
探し求めて
家から出ないように
夜がさらに更けていくのを
じ ....
感情は時と共に丸くなる
丸くなり未来への坂を転がり続ける
そして、忘却の泉の中に落ちて消化する
5歳の時に怖かった光景は
15歳の時には無機的な日常となり
18歳の時の尖った態度は
....
あなたの中を泳ぎたい
余計なものは脱ぎ捨てて
ただ あなたの中にいたいよ
春 夏 秋 冬
いつまでも ここにいたい
あなたを確かめるように
掴む ....
雷鳴が珈琲に足りない
足を浸していた黒い闇の中に輝く鳥たちの羽、羽
微睡みの中にそれは来るのだ
無数の空に落ちている砂糖を拾うために
私は行こう
もうなんども終わりにしようとしたことをはじめてしまうことは
波ににている 世界は波ににている
井戸の滑車がいつまでも回っているのに桶はとどかない夜の野原に咲く野薔薇に憩う虫の触覚がかんじる銀の ....
私はあしが遅いから
全力では走らない
前にだれもいない風景なんて知らない
だれもいなくなった風景なら知ってる
応援してくれる人はいないけど
なんにも言わない木や草花や
撫ぜていって ....
Ⅰ
ずっと昔にほしかったもの
ようやく、指先が届きそうだ
かすめる指の隙間から、失くしたものはなんだろう
なにをすててきただろう
なにをあきらめてきただろう
....
チンレンホウが
嘘ばかりつくので
精神鑑定を行った結果
多重国籍はもちろんのこと
多重人格でもあることが分かった
国籍と人格は対になっていて
台湾人のチンレンホウが主人格で
アメリカ ....
そうしてお腹を空かせては
仏の唇を食み、人の指を食らう
曼珠沙華咲く薄暮の川岸
醜い心をさらしては
とりとめもなく涙し
あてどもなく歩く
雲は燃えつきて微かな煙へ
吹かれゆく先の名残 ....
僕のなかに沈んできた娯楽の集まりが、僕で、あなたたちを楽しませてくれたらいい。
沈んでいる人を楽しませてくれたらいい。あなたを楽しませる沢山の娯楽のひとつになったらいい。
誰かが沈めておいてく ....
峰と峰とのつなぎ目に鞍部があり、南北の分水嶺となっている
古い大葉菩提樹の木がさわさわと風を漂わせる
峠には旅人が茶化して作った神木と、一合入れの酒の殻が置いてある
岩窟があり、苔や羊歯が入り口 ....
僕の知ってる音楽は
3つの箱に入ってる
青春のすべてを使っても
3つの箱しかわからない
心を増やす箱の中
色んな痛みが増えてった
もらった痛みを杖にして
向かい風の中歩いてく
....
乳の出なくなった母豚が
子豚を育ててくれるという、
やさしいニンゲンに預けた
彼らは 何もできない痩せた子豚を
段ボールの中で育てた
しかし 相変わらず豚は、豚
ただ ....
スロヴェニア史を
学んでいる老婆のくちばしに
十分な金貨を与えた上で射精した
爪を立てて俺の尻を掴む手を
振り払う素振りが水銀燈を揺らしてる
ねじ曲がってそれは悪魔に ....
生きていることが嫌なんて
つまらない嘘つく人形が一匹
真夜中自転車こいで
部屋を訪ねる
真夜中はそんなこと言ってみたくなるものさ
諭して帰るすがたを見送って
一度吊るしてそのままの ....
うずく傷がいつまでも私を捉えて話さない。
幼い少女の前で、マスターベーションしちまった後悔
無垢な魂を汚してしまったこと
群集とは恐るべきものだ。もし、啓発され鼓舞されればな ....
ここまで来たら
いい夫婦しかあるまい
あの世までもう少しだ
一篇の詩をつづりながら
多くの迷い道を選びきれないでいる
夜 飼い猫の眼が光る
かれも ぼくをみつめている
散乱した独りずまいの部屋に
椅子がない
神棚のみずが ....
人生は
いっぱい
汗をかいて
いっぱい
涙を流して
生きていくものなり
靴は最初から選びようもなかった
いつかしら迷い込んでいた鏡のなか の既視辺
描いたのは自分じゃない
上書きも削除もかなわない 、かつてだけじゃない
わかっていた災厄へも
たとえ ではなく ....
にゃんこホアキン
きみの硬直した屍体はぼくを悲しませた
にゃんこホアキン
ふさふさした薄茶のふさ毛とふとい尻尾
ふた色に変わる不可思議な鳴き声
覚えているよ にゃんこホアキ ....
もしも真夜中がこれ以上長かったら
私は姿を変えて
あの街の塀の陰へ急ぐだろう
深海の鯨の死骸のような、
黒塗りの木のそばで、
優しい月を見つめ、
静かな排気のバイクで、
蛍光する速度制限 ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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