二日前
胃の違和感がして
嫁に病院まで送ってもらい
検査をして
盲腸といわれ
緊急入院をした
あまりの急な展開は
まるで父さんのようだなと
思い返して携帯を眺めた
ただの風邪 ....
幼き子を抱き上げる家族
砂浜に残された砂の山
流されて
海岸に忘れた玩具の車が
寄せては返す
クラクションが鳴り
波の音だけになる頃
ふと
あなたを思い出す
愛することが ....
夜は気が狂っていて
何もかもが支離滅裂になる
だけど
昼はもっと狂っていて
私は平静を装う
あなたが
幸せなら
私も
幸せよ
思い出すまなざしがいくつかある
登山家が山頂をめざすように
俺もどこかへ向かわないといけない
それは恋文でしたか
長く綴られた美しい文字でも
過去形になると
住所も名前も内容も
要らなくなってしまうのですね
中古屋で買ったシュレッダーに
「アパート」という文字を半分消されて
....
焼きそばが食べたい
マルちゃんの焼きそばがいい
キャベツをザクザクきざむ
ピーマン モヤシ ニンジン 豚肉を投入する
慣れない手つきで炒める
ジュージュー炒める
お ....
年老いた母が
彼女の城だった台所で
記憶を失くしかけている
朝方
何気なく寝返りした布団の中で
夫婦は手をつなぐ
どちらも何も言わないけれど
悲しい時間を耐えているのだ
あたりが金色になって
まだ日が沈む前
ベランダから街を見下ろすと
視界が黄色くはじけて
色褪せた古い写真みたいに見える
どんなに時代が移り変わっても
この色だけは変わらないから
....
街なかで魚を見かけた
夕暮れの人混みをスイスイとすり抜けて
駅の方角に泳いでいった
海中でもないのに魚が生息しているなんて
奇妙なことだと思ったけれど
通行人は気に留める様子もない
私がこ ....
雨が降ったあとの空は真っ白で、何事も起きていないかのようだった
しなくちゃいけないことを
「ぼんやりと思う」の引き出しにしまってく
そして冷蔵庫から夢を取り出して有難くいただく 美味い。
これだから夢はやめられない、と遠くをみながら
眠り羊のラムネをさ ....
どうしたい?
どうされたい?
こども言葉の
たいたいは
私の街では
さかなの意味で
愛したい?
逃げ出したい?
私は
小さな水槽で
いつでも
空を見上げてる
貴 ....
愛と死の狭間に狂い果て
星を訪ね月に導かれ
夜の街々を流浪する男
Moon Row Wallker
樹々を揺らす風に知らされる
はらりと落ちた葉に知らされる
足跡に撥ねる砂に知ら ....
街を白く染めるのは楽しいか
神に会ったら聞いて見たいが
口を開く前に殴り倒すから
答えは分からないままだろう
また故郷に雪が舞い狂い
この躯はもう崩れ動かない
救わ ....
降り積もった枯れ葉が
雨に打たれる
踏み付けられて
泥に塗れて
こんな汚れた姿を
見たかったんじゃない
頬を流れる涙は
雨に打たせて誤魔化す
寒さで凍えるように
震えて見せて
....
丸い部屋に緑色の女が立っている
四角い部屋には紫の女が座っている
どちらの口の中にもセメント状の闇が
うんざりするほどぎっしり詰まっている
まるで 言葉の代わりだと ....
対岸の河辺で
鈍色に翳った立体に{ルビ燈=あかり}が実る
ふるくからの草木が影をつかまえ
水面へうつくしい銀の光を{ルビ濯=そそ}いでいる
玉模様の白さら ....
料理をつくる
今日の分をつくって
昨日の分を捨てる
だれかと食べる
ひとりで食べる
料理をつくる
今日の分をつくるが
明日の分はつくらない
今日のためにつくる
わたしの今 ....
空腹を満たすようにあなたは水を飲む。
水はその身体に浸透し血と混じりあい血の赤い色素を超えていく。あなたのなかの色という色を溶かしこんで、水により透明になったその身体のなかの水は、あなたの毛穴や瞳や ....
さよなら ってみんなに言いたい
(みんなって 誰かな)
唯一の理由が
大統領になるためだったのに
もう絶対に
死んでもなれないことが
分かった以上
こんなフェラ好きの
変態野郎と一緒にいる必要はないし
変態野郎にしたって
そもそもフェラ嫌い ....
宝島を見つけに行くつもりで告白した女
泥船しか用意できなかった男
少しの波ですぐ浸水しはじめる小さな泥船は
ふたりでいることの限界を示していたが
女は泥船を鉄ではなく紙で修理している有様で
....
トランプタワーは 13階立て
どの階も 四家族が住んでいて
トランプと同じ数の家族が暮らしている。
甲13号室に 暮らしているのは カエルに似た人だよ。
ガラス天井の部屋のプール付 ....
すきな ひとと
のはらで したいな
野いばらで ちくちくしながら
ころげまわって いっぱいしたいな
もりのなかでも 素敵だな
それなら 夜がいいだろな
甘いにおいの はっぱのうえで
....
暗闇に沈む代々木上原の駅を通過したところで
冬を覚え出した空の下
初めて君に抱き締められた日を思い出した
遠く とおく
君は去ったとしても
思い出はまだ僕をがんじがらめにして
....
眼は
閉じるためにある
闇と親しくなるように
暗黒に潜む
閃光
耳は
塞ぐためにある
沈黙に浸されるように
静寂に沈む
音声
腕は
抱えな ....
運慶作とほぼ確定されている鎌倉期の大日如来像は、ころっとしていて小さくて、剛健でありながら赤子のような柔らかさが匂うようだった。
目に見えない宇宙の真理を、エネルギーを、擬人化ならぬ擬仏化したら、こ ....
欲と不安と
孤独と人声
ああ、そう言えば
そう言えば
他のために生きていくよりも、じぶんのために生きていくほうが大切だ
そんな真実を高らかに唱えるひともいるけれど、ほ ....
ATMに寄って
壮絶な家計状況に直面して
コンビニで東電に電気代を支払い
クリスマスプレゼントもあるしなあと
曇り空なんて見ないふりしてバス停へ
あたしの仕事って、いつ人口知能に取って代 ....
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