夜を歩いていると
町が優しく見えるようなことがある
いま抱えていることも忘れて
風や足音や
ひかりや匂いにこころを放つ
さらさら揺られながら
すべてを失いながら
....
口からでまかせで
他人を貶めることを
生業にしている奴等が
平和を希求する
こころやさしい人間を
気取っていたりする
こういう奴等を
野放しにしていると
知らないうちに
無実の罪 ....
{ルビ理由=わけ}もなくかなしい時がある
理由はあっても 不明なのだ
本当は
居場所の見当はついている
古い古い付き合いの 理由を
引っ張って来て 座らせて
またも千日手を繰 ....
僕の目の前で
若いアベックが
手をつないで
楽しそうに
家族湯に入っていった
僕好みの女だった
男は
立ちションでも
競争している
まわりの人たちと違うことや
まわりの人たちが教えてくれないことを
たくさん知ることができた
読書は
環境を乗り越える力になった
平安な道を歩む
分かれ道
選択の基準は
平安があるか ないかである
平安な道には喜びがあり
自由がある
肉欲に負けないで
神の御前に意思を屈服させる
い ....
ある日の国道
ある日の渋滞
ある日の夕焼
ある日の言訳
ある日の地震
ある日の津波
ある日の静寂
ある日の絶望
ある日の浜辺
ある日の天使
ある日の宝石
ある日の孔雀
....
陽だまりで咲いている冬の花
優しく微笑み咲いていた
北風に吹かれ揺れていた
冬枯れの世界に 一筋の光を投じ
心温めてくれる 一輪の花
神の恵みを受け止めて
賛美する ....
飛び出しそうな 苛立ちを
必死で 喰い留めるのは
御玉の役目
大きな柄杓が 有ったなら
全ての苦しみを 救い上げることが
出来るのに
そう願って 空を見上げたら
当たり ....
濃いエスプレッソを 砂糖なしで飲んだあと
今日は少し寒いので
レミーマルタンも飲みたくなった
飲んでみて びっくりした
レミーマルタンの甘さが倍増し
口のなかに残っているエスプレッ ....
見渡せば
何処までも続く
白い砂浜と青い海
嫌な出来事があり海辺に来た
広い海がちっぽけなものに変える
海風が心地良い
身体に溶け込む
母なる愛のエナジー
身体は時間を忘れ ....
*
『微笑む肖像』
荒涼とした
砂漠をゆく 幻の駱駝が、
ふいに
輪廻するように、
ときに肖像画は、
物語を話すことがある。
ルーヴルからある日、
怪盗の手によ ....
その思い出に─
乱暴に溢れていた
素晴らしい世界に
果てからのざわめきに、ささめく木々に
女たちは
体質をかえた乳房の
エンクレーブに
奥まりからの流れを導き入れて
そこに生ま ....
ガチョウと 生きてくなんて
出来ないと 首を絞めます
ああ、ガチョウとの夜
嘘とでまかせ 織り混ぜて
貶めるのが 大好きな
ガチョウ ガチョウ ガチョウの羽を
むしれば こんな私で ....
なにもうしろめたくおもう必要はないと
あなたは言う
わたしのことを許している
あなたが言う
やさしい映像が流れる
そうしてだんだんといろんなことが大丈夫になり
この日のゆめをくりか ....
お前は白い犬ではないと 呪文の如く 唱え始めた
連なる氷柱
垂れ下がっている屋根の角度まで
あと どれくらい
走り始めたタイヤを 歯止めするかのように
馬の轡型に並ぶ 葉 ....
きっと夜空に映る
君に宛てられた
ひとつの恋とは
すべての愛のことだろう
きっと青空を想う
君に宛てられた
ひとつの運命とは
すべての宿命のことだろう
そっと静かに
君に奇跡 ....
企業戦士
業績不振
過剰労働
問題蓄積
疲労困憊
飽和状態
戦意喪失
意欲減退
睡眠不足
キャパ超えて
....
夜、蛇口からボトボトと鉄板をたたく音がして 怖くて締める
私の内で溢れ出る苛立ちや不安、
皿を洗った後の 油や洗剤を含んだ水は
どこまで汚され どこに流れて行ったのだろう
じゃがいもの皮は ....
貧しい家の並ぶなかのぴかぴか
繁盛繁盛どうせブラックあるいはグレー
まれに清く正しく住人の味方のお値段の台所
お味も良くって だけど
いろんな意味で いろんなお財布
さあ
神さま
私と云 ....
私は今から立ち去りますって
宣言する必要あるか?
押し付けがましいったら
ありゃしない
人知れず
静かに消えりゃあいい
「どうか私を探さないで下さい」
そんな書き置き残して行った ....
糸切り歯がとても尖っていて噛みつかれたら痛そうだった
あんまり見ていると怒るしすぐに横を向いた
彼女は器用に三角をくるっと畳んで口に放り込む
かみさまはきっとそこまで暇じゃないか ....
自由席で
立っている
自由席が
ぜんぜん
自由じゃない
件
ずらっと並ぶ
フックにかけられた
スーツの上着は
剥製
ほぼ 死んでいる
が
生あたたかい
時速2 ....
ふっ
って
知らないうちに
ほら
君のにおいがする
そんなの気のせい
って
ほら
君の声がする
忘れましょ
って
通りすぎてく
....
こちら都会の外れから
見ると 帰っていく今日が置いてく 星一つ
{ルビ夕星=ゆうずつ}だ 星は
星は 星は 星は「無い」
とよそ者、に軽く云われる 云われながら
星は
星よ泣くな 私がわか ....
ああ うんち。
また うんち。
たぶん いつもの奴。
たぶん 近所の野良。
ああ うんち。
また うんち。
また 新聞紙で
また 包むのさ。
ま ....
一人の生徒がピアノの前で押し黙っている。さきほどから同じ姿勢のままで、身動きをしない。時折顔をぼりぼり掻いたり、腕時計にちらりと目をやったりはするばかりで、鍵盤に触れる様子は全くない。
音楽教師は ....
色とりどりに囲まれて
瞼を閉じている
ここは砂の城で
うみねこが足跡をついばむから
来た道も忘れてしまった
言葉は
その時だけのもので
振り返っても、目を凝らしても
形にはなら ....
透明な砂地の樹が倒れ
枝が根に
根が枝になり埋もれている
影が打ち寄せ 去ってゆく
空の名札が剥がれ
旋りながら落ちてきて
やっと捕らえることができても
暗 ....
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