人のいない事務所では
書類から何から死骸のようだ
我々もみな死骸として
書類という死骸と
戯れているに過ぎない
事務所ではすべてが死んでいる
やがて勤め人が出勤し
事務所は賑わいを取 ....
天空は 残暑の顔して
低くたれこめ
そのためか
むし歯の町並みは ため息を閉ざす
だが
隣家の ....
見ていたい
いつでも どこでも
地球の裏でも
カーブミラーを果てしなく繋ぎあわせて
見たい 監視したい
表情 行動 行き先を
発する言葉 一言一言 ....
中秋の名月を見たかい?
中傷の政局なら見た
傷心の民衆も見た
哄笑の首脳部も見た
妄執の亡霊も見た
見たは十五のお月様
昨日の月は……丸かったなぁ
紅葉まえの木々からも虫の音が
鈴の音が
降ってくる
星の音が
大マゼラン星雲から降ってくる
もうひとりの自分よ
観測しておいてくれよ
俺に期待してくれよ
....
セルロイドの羽が
セピア色の大地に映える
セルロイドは叫ぶ
羽を開きながら
硝子は割れ
大地は傷付いた裂け目を哀しく涙しながら
一対の稲妻が突き刺さるように大地に刺さり
片方で電 ....
夜のとばりに彼女は歌う
恋人と喧嘩をした日は
シャンソンを
雨の降る日は
バラードを
街明かりも遠い川岸で
風に吹かれて歌を歌う
彼女は時々サックスを吹く
声のトーンに似た音色
....
目の前のものを見ていようと思う
目の前のものを見ていたいと思う
見ていたいと思いながら見れていないと思う
そうして気付く
必要なものほど遠くにあると思いたかったことを
そうして気付く
遠く ....
開けっ広げの空からもったり雲は垂れ
街を行くコートの薄い色味が流れて溶けた
――秋だと言わせたいのか
枯葉のようなボートに突っ立った
底の見えない 危ういバランスの
冷たく仰向けだった大 ....
空は何色?
君にたずねる私は幼い頃をおもい出していた
今は青色だね。
暗くなると黒色だよ。
率直な感性がすこし眩しくて
私のこころがほぐれていく気がした
....
整えてはいけない
光の火があり
あらゆる場所に揺れながら
熱の無い波を寄せつづける
水のような鳥の声
鳥が去り 水が来て
鳥が居ないことに気づかずに
いつまで ....
話しかけてくるものを
拒む理由は特に無い
だが会話には風が無い
実ばかりあって花が無い
ババアに限らないが
上昇志向の強い奴は
決して他人の為には死なない
自分大好き人間だから
他人の為に死ぬってことは
他人の為に生きるのと同義だ
そんな気更々ない奴が
政治家なり何 ....
年を取り
人間観察をする
みながうらやましくなる
そんな大人子供
山を愛する人は
美しい山の景色を
心の中に持っている
海を愛する人は
広い海の景色を
心の中に持っている
空を愛する人は
青い空の景色を
心の中に持っている
故郷を愛する人は
懐か ....
詩のことを考えながら
エアコンのファンを掃除
ファンの羽根に手が届かない
割り箸でちまちま
カビがぽろぽろ
夏は皿洗いが楽しいとされる
水遊びみたいという理由
明日は分かりにくい詩を ....
わたしの波長は沈む陽に重なり合って
ポチの波長は雑踏の音を消す
あなたの波長は銀河の渦から生まれ
冬の波長は生まれいづる幹の芽
わたしの波長はノイズのようで
あなたは綺麗 ....
何も知らない芽吹いたばかりの新芽のように
何も考えずに生きていたい
何も考えずに死んで
何も考えずに天国へ行く
不安で圧し潰されそうな日には
無機物に生まれなかったことを後悔して
喜びに満 ....
ちいさく頷きながら君が去ってゆく夢を見た
現実はそう変わらなくてなにもたくらみは仕掛けられてはいない
年老いた少女はいつも夢の花をアレンジメントしているのだろう
丘の上の孤独な愚か者はさらに ....
人にはそれぞれやらねばならないことがあるのだと思う
それがどんなことであれそこに在りそこに居るのであれば
意味が出来てくるのだろう
なにもない
こうだこう進むのだと
前がしっかり見えているの ....
言葉には勝てない
良くも、悪くも
何になりたかったのか
何になれなかったのか
鏡に収めた卑屈顔
絵に描いた平凡な庶民
腹はずいぶん膨らんだ
白髪はだいたい3割越えか
隣で誰も眠ってやしないし
ゴミ屑ばかりが積まれてる ....
兄の夢を
たまに見る時がある
5才の時事故で亡くなった
まだ自動車も珍しく
交通法規も今ほど細かく定められてはいなかった
交差点の真ん中で箱のような台に立ち
口にホイッスルをくわえた警 ....
微かに発光するその小さないきものが
水辺から自力で上がって来るのを待って
ぼくはそのいきものを
そっと両手で包み込み
彼女の言葉に耳を傾けた
[命は壊れやすく
そうして
強靭なもの
....
空に落ちて行きながら君の夢を見ている。
「あなたもちゃんと笑って生きるのよ」
君はそう言ってかなしく笑った。
さようならが嫌いな少年は無言で下を見る。
どんな本でも ....
*
街にある異郷に独り
Gaudi は私と同じ夢をみる
見つめ続ける螺旋の渦に
マグマの足どりは溶けて
故郷に横たわる公園に独り
面影と一緒(とも)に眠る
荒海を越えて辿 ....
秋のすみきった青空の下で
開店中の
色とりどりのコスモスたちの
ハニーテラスには
さわやかな風がふきぬけて
花びらが
気持ちよさそうにゆれている
特上の蜜にさそわれて ....
でかけよう わたしの異郷へ
じぶんは たぶん たぶんに じぶん以外のひととおなじ ゆめをみる
名もない木こり 漁師 だれともつながる 百年千年先の森 空 海
街にもあるかもしれない 東急ハン ....
青空を海に見立てて
中央の粒を見やる
角度によって 黄色っぽくも 見えますし
周りの色合も それぞれなので
オリジナル感覚が 広がる
鯉を突く 鷺の姿を
直接 眺めた訳では ....
静かな佇まいのその本を眺め
どうしたものかと悩む毎夜
恐る恐る手を伸ばし
紙の感触を確かめるかのように
つかみ私の近い所に引き寄せる
一連の動作を繰り返し続ける
まるで誰かに指示されて ....
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