幼いおんなのおなかにシワが走ると
年老いたおとこのおしりにはシワがはいる
そんなことはまるでついでのことで
ただ大切にするという約束を果たすだけだ
人肌のきゅうりは爽やかで ....
氷の上の雨
滴の上の紋
霧散 飛散
穿つむらさき
誰も乗っていない列車が
真昼の原を分けてゆく
集まる音
緑と無言
地の午後は昇り
空の午後は去る ....
月明り
滲み生まれた夜
夜光虫
煌き漂う波間
沈み行く
独りきり
旅の途上
忘却の彼方へ
置いてきた記憶
星が流れる
琴線に触れ
白い花びら
散り行く
舟こぐ音 ....
流れ来る流れ去る
流れ去る流れ来る
巨大な光の樹幹、
廻り続け
外形が崩れてゆく
すみやかに なすすべなく
俺の呼び声が聴こえるか?
憂鬱な一日、東京は晴れ続けて
外形が創られ ....
友人を失った私は一人だった
知り合いになど ビルの影で 会ったこともない
歩いていた 道を 川べりの
静かな人気のないベッドタウンを
一角を行く 東京の 私は
大崎のある一角の ....
デパートの屋上で子供の頃の願望が簡単に拾えてしまう
少し汚れたパンダにまたがって、ためらいなくコインを入れた
童心に帰るほど、帰らなきゃいけない距離ができたこと
まだ寒い春の昼間に
花粉症 ....
水になってひそむ
死んだ者たちの{ルビ通=とお}ったこのほそい水系に
官能の色彩はすでにない
光りの粒子のように時は流れ
序章のように生誕の時は流れ
星が囲んだ戦場につめたい炎の舌がみえ ....
世界の半分は
届かない手紙でできている
バファリンの半分が
やさしさでできているように
わたしは青い魚になって
行方の知れない手紙を探す
ふるさとのような街
海底のような夜
言 ....
大勢の人の中にいればいるほど
不出来な部分に痛みが走るけれど
結局は弱音を吐けない
無作為に弱みを見せる意味も見えない
あなたと出会った頃のぼくは
お出か ....
コンコンコンコンノックする
あなたの心にノックする
泣き虫きぶん 泣き目のあなた
すこし嫌なきぶん 怒り目のあなた
わすれてわすれてあったかな
あなたの心にノックする
コンコンコンコンやさ ....
失ってもいいように接してきたよね
だから私も平気なの
それがあなたの優しさなのかな
唯一の
憐れみがなさすぎるかな
神様に救いを求めてもいいよ
情けないほど縋ってみたら
また違った未来も ....
気がつけば目に入るALC9
いつからこんなに増えたんだろう
人々がALC9を求めるようになったのか
あるいはALC9を求めてほしいと
誰かが何かやらかしたのか
嫌なことがあっても考えない ....
稀代のデマゴギストこと
賀地養義秀が
女流自称詩人ラリー・ルレイ
と空芯菜氏が同一人物だとの
発言を繰り返し
空芯菜氏はトンデモ人物であると
主張していたが
実はラリー・ルレイと賀地養義 ....
四角の箱に丸い穴を開ける
白い箱にしよう
白くて四角い箱
いや
四角い白い箱か
大きさは
数字で書くと300×300×300の大きさ
いや
前にならえであげた手の位置の大きさにしよう
....
これは文章です。あなたは読み手です。わたしは書き手です。
わたしがあなたの文章を読むときは、わたしが読み手で、あなたは書き手になりますが、文章は文章のままです。
どんな文章を書いているときも、 ....
ちりぢりになる私達の細胞たちは
約束を破ったことを後悔しながら
元の、自分たちの家族の待つ家に帰るのだ
家を守る犬神の
祀られた神棚の
榊に込められた思いは
安住の切なる希望
私 ....
ばかすか寝ていた
名古屋で起きた
新神戸でなくてよかった
感情を論理的に描いて
たまに象徴的なことばを詩的にはさむことで
世界的に評価されている作家の新作を読んでいた ....
ババア好きが高じて
自称詩人になりました
だってここは
自称詩人のババアで一杯だから
しかもちょっと頭の弱いババアなので
クソみたいな自称詩褒め称えてやれば
直ぐに引っ掛かって来るんだ
....
ぽわるとももる
てをつないで
じこくのもんを
くぐった
みじんこの背中の
羽根のすきまで
もんばんは
昼寝してて
きづかなかった
ぽわるとももるは
それにもきづかず
走った
....
牝鹿
軽石
蒸散
余裕のある人のための詩歌なんてまっぴらだ
そんなの奴隷と同じことだから
あなたのお城
まるでおとぎ話
とうちゃんはどぶ板通りのかんばんや
かあちゃんはモモエちゃんも結ったパーマやさん
赤と青と白のぐるぐる
さび付いて止まっている
懐かしさに沁みて泣き腫 ....
凍てついた死体と古ぼけたペーパーバッグだけが転がっていたコンクリートのままの床の上で音楽が流れている、奇妙なインストルメンタルで旋律らしい旋律もそこには見当たらない…インプロビゼーション的なそ ....
『奇妙な世界』
奇妙な世界を
祝日の朝に聴きながら
ここしばらくおざなりにしてきた生活を
梅干し入りのおにぎりにして食べた
陶芸教室でつくった奇妙な湯呑みでお茶をすすり
な ....
貧相な身体の中の
脆弱な心が
翼を拡げて飛び立とうとしている
行かせてしまって
いいのだろうか
なにもかもを解き放つためならば
趾でもて雁字搦めにして
身動き取れないようにす ....
風たちが姿を消した
――一瞬
井戸に落ちた片耳のリング
わたしの中のわたしのエコー
響かない{ルビ鈴=りん}の透き通った苦悶
冷気の侵食 いのちの抗い
――再び
風たちに抱きすくめら ....
すばらしかった
誰よりも
たぶん
これから
出逢うだろう
誰よりも
それだけ 揺るぎない 感覚
それだけ 揺るぎない 記憶
なんで出 ....
わたしのなかで
何者かが思考する、
あそこの森の樹木たちの
しんとした垂直性と
その垂直性が交互に重なり
形成されていく
整然とした奥行き
緑の息吹、静けさのうちに宇ノ声響かせ
....
○「りっぱだから先生と呼ばれているわけじゃない
先に生まれたから先生と呼ばれているんだろう」
○「『1』をやって生徒のやる気をなくしている教師がいる
教え方が上手なら『2』かも ....
人間を開けるための鍵は
どこにも売っていない
水道管から漏れ出た水とともに流れ出すように
都市の末端に転がっている
人間を鍵で開けると
中に隠されているものは
小さな地球
人間は ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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