多くの郵便物が飛び立ち、多くの郵便物が開封された。極秘文書や契約書、冊子に至るまで、この事務所は港のように吸い込んでは吐き出す。多くの人たちの人生の中枢がこの事務所に呑み込まれていて、人々は郵 ....
俺は妄想の中に希望を見出しているので少々の辛いことでも耐えられると思っていたが、妄想は所詮妄想で、辛いものは辛い。
叩かれると痛いし、しごかれると出してしまうよね。
何言ってんだと思うかもしれない ....
頭の内側から小さな手が生えて
目の玉を内側からひっくり返す。
黒目が僕の脳内を観察している。
まだ手遅れではない。
頭の一部分を小さな手が刺激する。
耳の奥からがさごそ音 ....
{引用=
つやのある蟻のような円らな瞳で、住みついている栗鼠のようにや
さしく微笑みかける。いま柔らかな月光によって冷ややかにコーテ
ィングされながら、か細く流れる川の音のようにやさしくせせらぐ ....
左の肩に少し寒さを感じる
凍えるほどではないけれど
風邪の前兆でなければいい
嗚呼、あの人が近いのか
笑顔がどうしても引きつる
左の後方が気になるのは
後ろ髪が引かれる想いを
い ....
悪左衛門の誕生を待つこと
それは誰も避けられぬ責務である
部屋の四方は障子で堅く閉ざされている
芋之助もそれを強いて開けようとはしない
薄ぼんやりした光が室内に差し込み
時折、障子に異形 ....
思い違いをしているのではないか
君は寝床に身を横たえているのではなく
もういつの時代に作られたのかも
さだかではない古い古い風呂桶の中に
身ぐるみ剥がされたままの素裸で
(しかも生温い蒟 ....
やあ、とふらり訪れ
古書店のカウンターに
腰を下ろし
ぶれんど珈琲を一杯
久方ぶりの店主の友は
外出中だけど
カップが空になる前に
間に合うかな?
じっくり苦みを味わうひと時に ....
先月までの重たい日々を
払うように
えい!
と
カレンダーを千切ったら
なんとまあ
「奥行き深い海の夕焼け」
ただの紙っぺらであるようで
されど紙っぺらであるようで
....
ディスクユニオンの池袋店で、
RCサクセションの「涙でいっぱい」のプロモ7インチシングルが、
98,000円の値が付いて、飾られていた。(桁違いではない。)
もちろん初めて見た。
買えはしない ....
未来ある若者の君には
去るものにすがりつく
色呆けた年増は
さぞ見苦しかろう
追えば逃げるは世の習い
わかっちゃいたのにしくじった
やっちまった
またやっちまったよ
追われた男は逃 ....
常に
最悪のシナリオだけは
避けなければならない
日本対北朝鮮との戦争
私の命に仕掛けられた花火
火をつけられて
打ち上げられた冬の夜空
大輪に咲いた花の欠片が
灰になってこぼれるように堕ちてくる
そんな筈はない
降ってきたのは雪
街はたちまち
雪 ....
事故物件掲載サイトを
覗くのが日課だ
さってと今日の新着は?
なになに?
2017年12月
横浜市港北区パンジーヶ丘5-21
ラヴィアンローズ港北4242号室
60代の自称詩人
首 ....
思い出が傷跡に勝ることはない
喜びが悲しみに勝ることもない
その逆を高らかに歌いたいのか
荒れ狂う波を逃れて舞い上がる
喜びの 幸いの 愛の翼を
だが日々萎れて往く切り花のように
全ては古 ....
相変わらずの無愛想。
誰が口でするだって。
仲間に報告。
寒い喫煙所。
俺は禁煙中。
忙しいから先に帰ることが多くなりました。
残した仕事はハイエナどもが処理するんだって。
もの好きです ....
樹林帯の中の一本のブナの木に粘液の足跡を残しながらその大蛞蝓はたたずんでいた。
雨は樹冠から大木の幹をつたい流れている。
大蛞蝓にとって、雨は自分の分身のようでもあり、慈雨の恵みなのかもしれ ....
どう返事をしたらいいのか
分からなかった
だから聞こえなかったふりをした
残酷さを認識しながら
どうしようもなく
謝ることさえできなかった
すべてを過去形で
文章に書き出しても
拭うこ ....
空間の奥行を描く想像力
創造力には長けていないから
せめてもの思いで
脳味噌フル回転
せめてもの思い出作りに奔走中
ここは何処
コンビニが入るの
何だろう セブンかなあ ロー ....
近ごろ犬よりも猫が増えている
散歩していたら
猫嫌いな近所のばあちゃんが
よその猫が勝手にコタツの中などに入り込んで
迷惑していると話していた
猫好きな近所の人が
野良猫を二十匹ぐらい飼っ ....
川が近づいてそっと入っていく
金属くさい くさい 私と
その鎖のつながりあるところまで
この世が終わるなら私ひとりだけ終わっていいと
いつも思っていた いつも思っていた ....
終わりよければすべてよし
年末は
のんびりおだやかに暮らしたいな
一年の計は元旦にあり
お正月は
のんびりおだやかに暮らしたいな
退屈なぐらいがちょうどいい
苦しみのないのを幸せとい ....
甘酸っぱさを 切なさの渦に埋め込んで
形を当てるゲーム
流行りの流木に載せた ラブソング
エンディングだけ 見つからない
どんな打楽器よりも 心地良い音を見つけた
それは潮騒 打ち寄せて ....
16トンの重荷
黄金とメッキを嗅ぎ分ける鼻
人間はリベンジする動物だ
旅は魂を洗う
洋書の村上春樹
国家元首もメスチソも
弾左衛門もISISも
流れ星さえも生きて息をしている
....
もやのたちこめる裏通りを
うす汚れた天使が歩いている
ショック・ロックな服を着て
まるでアリスのダンサーさ
彼女のポケットにはリコリススティックと
ショート・ホープが二箱
滅多 ....
風呂敷の歴史を{ルビ遡=さかのぼ}ると
古の都栄える奈良時代
唐草模様はなかったが
目には見えない<宇宙ノ心>とやらを
きゅっと包み
人間は、運び始めた
平成二十九年の ....
旅人は今日も{ルビ漫=そぞ}ろ歩いてゆくだろう
「良い」と「悪い」を越えた
地平を目指して
脳裏を{ルビ過=よ}ぎるいつかの別れは
忘我の歩調と
風に紛れて
すでに
体の無いあの ....
都内に勤めるOLひとみさんは
自称詩人殲滅の夢を見る
「昔おばあちゃんに聞いた
焼夷弾が」
「空からぱらぱら落ちて来て」
「そのそれぞれが自称詩人のひとりひとりに
過不足なく当たって」 ....
♪生きてる生きている
ここ横浜に住む
青空じいちゃんは
HN青空かくれんぼという
周囲の人も認める自称詩人だ
「わしゃあね、ただの自称詩人とは
違うんよ、他人が認める自称詩人なんだから ....
まだ充分につよくない
まだ充分にやさしくない
わたしらの権利は
朝な夕なに
東と西に
一枚の大きな絵を眺めること
それくらい許してもらおう
あるいは風の音楽を聞いたり
幼い者の言葉 ....
1129 1130 1131 1132 1133 1134 1135 1136 1137 1138 1139 1140 1141 1142 1143 1144 1145 1146 1147 1148 1149 1150 1151 1152 1153 1154 1155 1156 1157 1158 1159 1160 1161 1162 1163 1164 1165 1166 1167 1168 1169
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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