ちいさな動物の腱は弱い
生き物じたい弱い
いのちは脆い
噂や暴力やつまずきに弱い
そんなことも知らずに
ずいぶんたくさんの過ちを犯してきたよ
だから
励ま ....
六月。
見えない空に
ひらひら、
と
ただ、
ひらひらと
飛ぶものが見えるのだ。
きみの呼吸は
もう
止まりそうだけれど。
――水脈を捉え ひとつの
薬湯のように甘く
饐えて 人臭い
廃物の精液
輸入された
どれだけ銭を洗っても
どれだけ子を流しても
....
話したい過去がある
見せたい未来がある
過去はいつもシンボリックになるけど
未来は鮮やかに生きている
現在に向かって
睡眠 夢 現実 睡眠 夢 現実
イマジネーション×イマジナリー
....
あの頃の私は何処かへ消えてしまったよ
心の何処を探しても見あたらない
あのギラギラとした得体のしれない魔物は
何処かに消滅してしまった
澄みわたる心に影はなく
怯えることも
....
誰かにとっていい人が
誰かにとって悪い人かも知れない
みんな抱えきれないおもいを抱いて
抱きしめて
生きてる
そんな事を思い出すと
やりきれなくなるよ
パニックになる
どこかで人にあた ....
雨がひとしきり降る朝
空を眺めるお偉いさんが一人
鈍色の空から落ちてくる水滴は
液体にしては痛い
液体にしては不随意だ
液体にしては不誠実だ
頭の悪いお偉いさんは頷いている
これが雨とい ....
使い古した デンデン太鼓
いま 取り出して
幼きころを 真似してみても
張りがないから 濁っている
濁っているから 死んでいる
ねこじゃらしが空を くすぐっているあいだに
蛇が玄関を激しく叩いたことがあった
蛇足めいた説明は一切いわない蛇だった
ただただ呪いの言葉でできた体躯ごと体当たりで 戸を叩く
あまえ ....
生きるということは
病気とつきあっていくということだ
年を取ると特にそうだ
年を取ると
病院行きが
仕事になる
仕事があるうちは
まだ幸せだ
重くなると
病院さえ行けなくなる
今年83歳になる叔父さんが
脱腸で入院した
見舞いに行くと
「10回目の手術をすることになった」
と叔母さんが
手帳を見ながら話してくれた
65歳の時の痔の手術に始まって
2回目が脳梗塞 ....
マダ ツカナイノカ ネー
かぼそい声の
母は 床ずれをした背中を
不自由によこにする
白いベッドのシーツから
石鹸のにおいがする
アア エキ ....
玄関わきの花壇に水をやる
薔薇よりも
下生えの葉ものに注意深く水をやる
ちいさな蟻が流される
ちいさなカマキリが身構える
ちいさな全体のために
命を犠牲にする生き物 ....
さながら
抹茶と炬燵が浮かぶ
冬のイメージくぐりぬけ
桜のトンネルすぐそこに
はらり きらりと美しく
ビーズ戯れ フリマ模様に
そろそろ マルシェシーズン
早速 連休の案 ....
紙で飛行機を、なんて
誰が考えたことだろう
一体どれだけ乗れるというのか
世界には70億もの
人間があふれているのに
私たちには牙や鱗がないかわり
言葉というものを持っていて
言葉にある ....
こころの海が凪いでいる
お魚たちはお昼寝中
釣り人の居ない海だから
夢のなかまで夢のなか
おなかの空かない海だから
互いに興味を持ちあわず
とわのお魚お昼寝中
とわのとわまでお昼寝中
....
それ
はさいじ
きをひらく
なん
とまあ
禍々しい
悪
の内
容証明
別
名『言
語黒書』
こ
とば
による
ホロコースト
こ
とば
という
....
齢
椎茸
まほろば
気持ちの悪さを拭うことができず
項垂れてただ時間を過ごす
誰かのせいにしたいけれど
八つ当たりすらできずに
誤魔化す方法を探してる
握り締めた拳を天に向けて
それから振り下ろして地に向け
....
あなたが怯えていた八つの音符で紡がれた
そこにしかない織物は
夜の冷たい川でなんども染められた幻想の世界
そして聴こえてくる九つめの誘惑の叫び
異端の絵画に連れ去られていく眩暈を覚えな ....
あの目を見てごらんなさい
衝動に駆られている
誰とは申しません
あなたたちかもしれない
特定不可能
表現者となった目
込められた何か
何とは申しません
遥か彼方に居る
眼 ....
良くないことが起こらないように祈るのではない
苦難が訪れようと乗り越えられるように祈るのだ
悪いことを良いことに変えていく
そのためには回避ではなく乗り越えるために祈るしか方法はない ....
自称詩人に
自称詩書くの止めろ
と言うのは
18歳バツイチ母とその内縁の夫
(どちらも無職)に
子どもを虐待するの止めろ
と言うのと同じくらい
いや、それ以上に
虚しいことだ
し ....
無数にドライバーを突き刺され
美しきあなたの肉体よ
鋼鉄の逞しき肉体よ
それが端から崩されていく
何百人もの工員があなたの上を這って
いやらしく群がっては蠢いて
そしてみずみずしい肉体を剥 ....
自己紹介して!!
雑すぎて
ひくよね
私の声
ひくよね
ひかない?
こんな声で
....
したためて君に
あの日の夕日の孤独について
しるした
水平線で区切られたような
関係性はまじわるのか
まじわらないのか
小石がいくども波にけずられて
きらきらした砂になるよう ....
腹が重くて熱い
宇宙人みたいに侵入してくる液体と肉体の中間
ぼうっと天井を仰ぐ、
感慨はとっくに向こうへ行ってしまった
ひとの匂いは苦手だと思う、
軀が脳から剥がれてしま ....
土砂降りの雨の日
ロッカールームでお前は
「もう青春はもう終わりだ」って言ったね
6月のこと
あの頃には戻れない
僕らは「今」を生きてるんだから
もう終わりにしよう
こんな惨めな恋は
....
骨の形まで覚える頃には
君と僕で深い関係になる
うなずいた顔で笑っているから
息を潜めた二人の体は
砂浜に打ち上げられたロケット
繋いだ掌に包んだ夢を
語り合ったのは生きてゆく為
....
体を動かす事が
闇から逃れる唯一の方法だった
しかし光を浴びたその後には
しっかりとまた闇が僕に追い付いた
それを繰り返しても仕方が無い事が分かっていても
やめられない弱さが人間には ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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