出張先の帰りに途中下車して
十数年ぶりに二人で行った
異人館に一人で入った
いつかの君のような女子が
グループではしゃいでいた
異人館は昔と変わらない
進歩していないが退化もしていない ....
まっすぐな道を曲げるのも
曲った道をまっすぐ往くも
はたから見れば
つむじ曲がりのへそ曲がり
味や香りが劣ってなくても
曲がり傷もの二束三文
好きに選べる人もいる
ふところ具合の人も ....
年をとると
思い出したくないことが
いくつもある
ずっと忘れていたいことがある
すっかり忘れていたことが
ある夜突然夢に現れて
ほんとは忘れていなかったんだな!
と気づかされることがある ....
淡い空の色は
何時の時も
同じ色合いに非ず
暮れゆく紅色も
始まりの藍色も
揺れる程に 美しい
喩えるように
流れる雲に
我の思いを乗せて
割れた空の隙間に
埋め込 ....
朝の光はいつも すべてを赦している
仮眠から醒めた命が
詩の水面をゆらし
躍り上がって咲こうと
高揚するとき
夜更けかすかに漂う
冬の残滓が
迸る日差しに絡め取られたとき
....
鳴かない鴉の群れのなかで
黒い氷が鳴いている
解けては凍り 重なる肌を
斑な闇にまたたかせている
沈みかけた三日月が
ほんの一瞬むらさきになる
帆船が入港し
乗り ....
猫と戯れ
猫と遊び
猫引きちぎり
猫死ぬ。
思えば
元から猫を嬲っていただけで
元から猫は死ぬ未来だったわけで。
猫死んだ。
かわいい猫死んだ。
さんがつのあきのかぜ
さんがつのあきのかぜ
さんがつのあきのかぜ
さんがつのあきのかぜ
さんがつのあおいそら
にくらしいえりくび
とり いきているとして
すとうぶ もやせ
くえ
いい ....
平日は忙しい
週末になれば
穏やかに過ごせる
平日に出来ないことをする
あっという間に経つ時間
掃除したり
本を読んだり
録りためたドラマを見たり
案外忙しい週末
楽しい ....
流離う人は音も無く、夕日を背負って旅に出る。
影も静かにその人に、別れを告げて消えてゆく。
空には連れ行く雁たちが、山の彼方に飛んでゆく。
母に涙は見せまいと、誓いを立てた若かりし時 ....
ためらいがちな貴方の横顔は絵画の中に生きている。
私は貴方の頬に色を乗せ、静かに閉じられた唇に紅を差す。
首元に光るネックレスは共に旅したあの土地の思い出。
貴方はこの絵を見て笑っ ....
寒空の中、人間の苦悩が立ち上る。
ただ今を生きていたいだけなのだ。
私は人の死を恐れる者。
遠い死も身近な死も同じ事。
死は死だよ、と友は言う。
早いか遅いかの違いだけ ....
……か?…………ん
ほこりのつまったラジオが喋る
天国門聴こえるか?こちらは地獄門。
周波数は50ヘルツだ。
西荻窪に雨が降った。
ローソンのイートインに来い。
見 ....
知らなかったなぁ
囓るまで皆同じだと思っていたよ
君が居れば
僕も居る だね
あそこの人は縦長だね
甘いも渋いも
知らなかったなぁ
あの人は金メダル
ま ....
どのくらい引けば客観的に的を得ることが出来るだろうか
中心を触れることも出来ずに運命を終えるかもしれない
悟りに焦がれて至る 人間だものと添えて
己の未熟さ愚かさ阿呆加減に
漸く 趣きが迎えに ....
泣けば、この声は届いただろうか
叫べば、この声は届いただろうか
泣き叫べば、この声は届いただろうか
否、
きっと誰かに踏み躙られていたに違いない
帰宅時間帯の駅で
もの凄いスピードで
走っているバカがいる
もしぶつかりでもしようものなら
有無を言わさず
殴り倒す用意をしているが
なかなかぶつかってくれない
しかし
そんなに必 ....
バカなおばはん自称詩人を
餌食にしようという
目論見が外れて
もう他に楽しいことはない
いっそ首でも括ろうかと思う
しかし
バカなおばはん自称詩人が
世の中から尽きることはない
次 ....
「はよ言わんかい!」
思わず彼女の口調が
故郷の関西弁に…
今日は久しぶりの
映画デート
その後寄ったミスドで
共に口数多く感想を語らう
そろそろ出ようか
という雰 ....
誕生日にグリーンの「扉」が送られて
嬉しかった私
イモケンピと無塩クルミを食べて
撮影旅行に出かけたが
近所を一周しただけだった
白梅が咲いて居る
住宅の建設現場がある
通り過ぎる自転車 ....
みゆちゃん
って呼ばれた
ほかのこはみんな
みーちゃんって呼ぶのに
にぃーって笑った顔
前歯が二本たりてないね
クリクリした目と
クリクリした髪と
ちょっとなまった話し方
ねえあ ....
そして一輪のガーベラが
窓から春を覗いている
巡り来る太陽が
ひとときの温もりをもたらし
今日の日の優しさが
時の水面に波紋を落とす
優れた季節が波間を漂い
あなたの踝を美し ....
犬は
わかりやすい
うれしいと
しっぽを振るから
猫は
わかりやすい
うれしいと
猫なで声で近づいてくるから
うちの女房も
わかりやすい
怒ると
口をきかなくなるから
カポタストの虜
そんなもんは
僕は捨てたよ
低いとこを捨てて
低いとこを捨てて
自由になったつもりになんか
なっちゃダメだ
カポタストの虜
君が見てる世界は
美しい奴らの
....
なんもないよ
ここにはない
目を凝らして見えるもの
耳を澄まして聞こえるもの
そんなものはない
なんもない
なんもないよ
どこにもない
僕はいない
誰もいない
無い無い無い。
曇りの日に海へ行った
空も海も灰色なのに
仲介者の努力も虚しく
いまだに和解は成立しない
その国境線は水平で
欠けた世界の端から端までを
頑なに切り分けようとしている
曖昧だが根深いライ ....
未知なる死の味
こみあげてくる
臓物の味
頭蓋の圧迫
粘液質の
重みのかたまり
はじける鼓動
激しく打って
体の芯がとび出そう
乱れる呼吸
息する ....
鮮紅色の空が液状に溶け出し、細かな雫となって降りそそぐとやがて男の立っている意味のない地名も時間のないそのマカ不思議な場所も遠く何処までも濃く赤みがかった不吉な色に染まった。白いガンダムは、オレンジの ....
まだ寒いと思っていたのに
庭先の梅の花が
咲き始めた
春はいつのまにか
そこまで来ていたんだ!
身近にあるものほど
気づきにくい
気づいた時には
もう遅い
修復できないところまで
....
勝てば
どんな言葉も
金言になる
「うん、そだね」
1101 1102 1103 1104 1105 1106 1107 1108 1109 1110 1111 1112 1113 1114 1115 1116 1117 1118 1119 1120 1121 1122 1123 1124 1125 1126 1127 1128 1129 1130 1131 1132 1133 1134 1135 1136 1137 1138 1139 1140 1141
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
3.24sec.