蛇神の棲まう湖から流れる唯一の滝
崑崙草の白は小さく立坪菫の紫は淡い
車行き交う路を僅かに逸れた遊歩道
日々の喧騒を遥か遠くに聞く草花の楽園
自由の匂いがする
日暮れの風
孤独の味がする
街の夜気
ひとり日と夜
時が流れる
日に光るジンロックの
背徳性
灰色の地に落ちる
北向きの窓
かつての日 ....
雨のなか
であったくまとねこは
べたべたに濡れて抱擁をした
たばこを吸いますか?
とねこは言った
ええ、いいえ、わたしは。
とくまは言った
雨樋を水が
のろのろはしっていく ....
○ぐっすり朝まで眠れる人は
幸せだ
○どんなに科学が進歩しても
心の問題は残る
シャカの苦悩は残る
○年を取ると
ポイントカードよりも
診察カードが増える
○シミシワは
....
足で起こされる
手でないことが嬉しい
すぐ悲しい
どこに住むかなんて
とても大事なこと
スイスから飛行機に乗って
アラブの王子がやって来る
ポテトサラダを ....
恥
鰺
鉢
ゴールポストにはじかれたような空。
寺の鐘の音
が
びくつきながら
鐘
から
離れていって、次の鐘の音
が
びくつきながら
前の鐘の音
を
追いかける。
追いつくことは稀だ ....
今朝サンドイッチを食べていたときまでは
確かに僕は僕のものでしかなかったろう
いまこの個体は他人の手で弄られ
僕の不確かさを探している
血小板よりも小さくなった未来は
ぼんやりとした瞼の ....
満たされる
埋める
覆いかぶさる生クリームとの
戦い
何度 上に登っても
叩きのめされる
可愛らしい苺には
勝てないのだ
毒々しさに気圧されて
嗚呼 だけど 知ってるよ
....
俺はゆっくりと落下していた、だがそれはもしかしたらあまりに高くから落ちているので、ゆっくりと落ちているように感じているだけかもしれなかった、全身を包むように猛烈な勢いで吹き抜けている風が、「もしか ....
信号待ちの交差点で隣に並んだ車を覗き込んだ
ドラマで見たような奇跡を望んでしまっている
ぼうっとした刹那にけたたましいクラクション
少しの間立ち止まることさえ許されないようだ
サイドミラー ....
五年ぶりに福島から来た
トモダチのライブを観た
本人と固い握手を交した後
人混みのロビーから外へ出て
都内でライブハウスの店主をする
トモダチのトモダチに三年ぶりに
電話して、懐かしい ....
夜の砂漠の果てに
無言の姿で立っている
ひとりの木
枝々の短冊は夜風に{ルビ煌=きら}めき
忘れていたあの歌を
旅人の胸に運ぶ
――君の夢は何?
思春期に使い古した言葉は
....
「殺そう、と思った瞬間になにかが死んでいる」
ぼうとした目でそう呟き、
手からこぼれたなにかを探り、
不思議そうな顔をしたあなたに、
もう失ったものはみつからないし、
失ったなにかになん ....
まるいものを見たらまるくなりたくなる
花を見たら花のようになりたくなる
赤ちゃんを見たら赤ちゃんになりたくなる
おじいさんを見たらおじいさんになりたくなる
ひとりではない
....
ライカのカメラと言われても
手にとったこともなければ
大きなカメラと三脚を手にしている人は
全員 カメラマンだと信じてもいないから
どうもよく 解らない
透明な箱の向こう側に
どん ....
今世間の一部を席捲しているらしい
僕のそれ すぐに溶ける僕のそれ
毎日出て行く僕自身
そりゃあまあ
便秘の時も下痢の時もあるけれど
僕は既に
それを出しちゃう病気なのかも
僕はど ....
ギロチンは役目を果たした。
隕石のようだと。アリが。
避けられるはずもなく。あぁ。
落っこちて来た。
それは空気に逃げられる風船。
酔ったように ....
曖昧な仕草が手の届く距離で揺れ
惑わすように黙って
音もなく
暗い
わからないことばかりだ
君の思惑も
私の心も
つまらないことだ
好かれたいから
嫌われないように振舞う
....
キャバクラ嬢エルモちゃんに
人工知能を埋め込んで
藤井四段相手に
接待将棋やらせたい
14歳だからキャバクラは
無理だって分かっているけど
それはそれ、無理強いして
キャバクラ嬢得意 ....
変わらないでいるのは難しい
漂うだけでも流されて
今 此処ではなくなる
floating in the air
鳥も飛行機も僕も
飛んでいるんではなく
ただ空中を漂う
I flo ....
豚になってしまったよ
養豚場で
来る日も 来る日も
餌をあたえられ
まるまると太った
豚になってしまったよ
幸せを味わいつくし
飢えも 悲しみも 痛みも
....
枯渇した 時空のしたで
血虚の 生ぬるい風と光が
けだるく 痩せた猫背を つつみ
ふやけた卒寿の かげをつくる とき
わが半生は 半古紙 と ....
塩味の効いたオツな味わい
マラソン選手が息を切らして駆け付けると
馨しさに舌も眩みそうになる 黄色いスープを
差し出されると言う
月桂樹はクスノキ科だと言う
箪笥にゴンゴン ナフタリ ....
巨大な火のなかの
ローラーコースター
冬に 冬に
突き刺さる倒木
午後は昇る
手のひらは消える
望まないものばかりが現われつづけ
径はさらに狭くなる
む ....
ミニカーをコマ撮り 空から滴る雨 家の屋根は紺、茶、赤
線路はとぐろを巻く ずるりと地球を這う
次々に人を丸呑みした
黒い煙が巻く ぐるりとわたしを囲う
心にもない言葉を吐く 生きると誰かを失 ....
百に絶望し 一に救われる
それが私の日常
つらいニュースは他人事だ
殺人はおおかた身内の犯行で
政治もただの自分本位で
植物の一途さを
私たちは忘れてしまう
物質とはなんだ
....
気付いたんです。 鮮魚コーナー で、魚
がいっぱい 服を着ていないこと に 気が
付 いた。 なぜ、 私 が 、こんなに、
質問します。 お前の国では、みんな服を着
ていますか 私の国で ....
立春の日
わたしは何も見ていなかった
空の青さも
道端のサムシングも
自分も
すべて が通過し
何も心に残らない
右足を前に出し
つぎに左足を前に出す
一瞬一瞬を生き延びていた日
....
屍
火星
大根おろし
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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