僕の部屋の片隅に
久しく再会した
幼稚園の頃の先生が呉れた
ご主人の形見の下駄が
置いてある
夜の部屋で、ひとり
黒い鼻緒の下駄を見ていると
あの大きな背中と共に
からん、ころん、 ....
植物になりたい、と、思っていたのですけれど
植物も案外、グロテスクなことを知ってしまいまして
もはや、ぜつぼう、しか、ありませんの。
ぜつぼう、をぜつぼうって、たった4文字であらわし ....
それは無条件にすり込まれた
教室の歪みに着席しても
開いた教科書の羅列が
惑うことなく正確だったように
正しいか錯誤か
二択だったセカイ
篩いにすらかけられず
それは無条件にすり ....
自分勝手ばかり目につきやがる
忘れられるものなら
今日一日を忘れてしまいたい
そのくらい疲れきってしまったのだ
あした朝立てるかどうかも自信がない
この苛立ちのなかでこそ ....
徹夜が辛い
風呂入らずに二日目になると顔が死人みたいになる
ベッドで寝ない
酒飲むと眠くなる
意味もなくふらふらしたくなる
傷や病気の治りが遅い
可愛い子にウィンクされない
お金を拾う頻 ....
桜の花が満開に咲いても
一緒にみる人は
だれもいない
一緒に酒をのむ人も
だれもいない
わびしい里の満開桜
ぼんやりと浮かぶ
緑 黄 赤
原色までは 近付けず
柔らかな 芝の上を 思い出したり
仄かな 頬の温もりを 感じたりもする
このあたりに
四手が あったよなあ
アカシデだったかい ....
○「健康病」
血圧に一喜一憂している
体重に一喜一憂している
便秘に一喜一憂している
顔のシミに一喜一憂している
これじゃ
病気になる前に病気になるぞ!
○「悪人」
善人は
自分 ....
ふうと吐く息は
溜息ではなく
それでも重く
涙まで溢れた
こんなことで
自らの疲れを知る
いたたまれない気持ちと
やるせなさが重なる
それは立とうとして
よろけてしまうほどに ....
あなたの歌声が雪音になって
鼓膜に降り積もるのだ
それは海に降る
空の欠片 星の花弁
わたしはその花が
梅か桃かも知らないけれど
ほころびかけたそれに
波は広がってゆく
あ ....
花が言葉を語る時
世界は感受性の湿度に安堵する
言葉が無い世界
音のリズムが奏でる雰囲気は
電灯の温かさに似ている
君は僕にキスをした
触れ合わないで
その距離感の流れの中で
肌に ....
才能や
理想や
思想や
理念なんかを
本棚にしまう今日
虚しさが部屋を包み込む
ネットワークという名の職場へ
放たれよ!
さすれば、世界の何億分の一さえ ....
旅に出よう
今は汽車が走らない線路を
何処までも 何処までも
歩いて行こう
リュック一つを背負い
身軽なままで
あれこれ考える必要はない
ただ まっすぐ歩けばいい
春は足元の草 ....
今の将棋ブームに便乗した
少年マンガを考えた
━ あらすじ ━
主人公の名は星飛竜馬
元真剣師の父、星重明に
大名人養成ギブスを装着され
一手指すだけでフラフラになるなど
徹底的 ....
「大臣閣下
手前どもの省では
どんなご注文にもお答えして
即座にうそのデータを
お作りできます
優秀な官僚を
採用しております
国民にも野党にも
絶対にばれる心配のない
うそのデータ ....
暗闇のなかでは眠れないから
明かりをつけるね ぼんやりでいいから
と彼女は言った
何度目かの逢い引きで二人は一夜を共にした
それが早いかそうでないかに迷いは生まれなかった
お互い成熟した ....
胃袋を焼く
少しずつ焼いて往く
脳を殺す
微細な匙の加減
からっぽの冷蔵庫みたいに
ロックンロールが居なくなると
窓と窓の間に挟まった
蛾の身悶えが
耳のすぐ傍から聞こえて来た
嘘だ ....
魔が差したどころではない
走りきった
憂鬱
ポケットに
暴動
個室の空きを探す
とりあえずどこでもいい
このタイミングを逃すな
おパンツが濡れている
曇った空を見上げてはなんと代わり映えがない毎日だと
タメ息吐いて愚痴吐いて
通勤のバスではまるで束の間の夢を見るように下向いて
会社に着き隣に座る同僚に掛ける言葉は挨拶のみ
その後も一言も ....
僕は眠ってる間、羊になって遊ぶ。
夢の中でも人で居続けるのは疲れるから。
世界は夜には闇になる。
光であり続けるのは、世界だって疲れるから。
羊の僕が眠るまで、
夜が崩れて光になるまで、
....
目を覚ました
しとしとと音がしている
しずかな朝の、
雨音の音階を調律するひとがいる
誰だ。
調律師は物憂げな顔で指先を動かす
ふと音がなめらかに
なったかと思うと
その指先は ....
真っ青な
無自覚な空のもと
歩くしろい砂の道
くちびるに綻びる秘密をよんだ唄
オレンジ畑の土の中で
地上を目指す小さな星の輝き
その眼にみえない鐘の鳴る丘の希望
....
すべてのものはうつろう
そのうつろいは後ろへとたなびく
そのたなびきはにじみつづけて
私はかなしい
すべてのものののうつろいとそのたなびきが
かなしい
すべてのものはうつろいつづけるから
....
スクランブルエッグみたいな頭を通過するのは
麗らかな日の小鳥の囀り
ケチャップをかけてお召し上がりください
私はもう私ではないのです
間もなく訪れるふわっふわの世界
楽しみだけどちょっと ....
流行りの芸人だらけのバラエティ
付け足された笑い声
チャンネルを変えたいのに
発した赤外線はそっぽに飛んでった
盲目の信仰を否定されて
只今の幸福が本物か疑わしい
どちらを信じるべ ....
だてにトンネル迷走してない
くだり坂のトンネルだから
出口どころか地上からも遠ざかる
朝10時、社員がスッと立って退社する
もうスッカラカンのキンタマんなかの精子
夜 ....
「夫婦であっても
意見が違っても
いいんじゃない」
といったら妻が
「えっ?」
といった
「わざと違えているわけじゃ
ないんだから
ちがいをお互い認めあわなければね」
霊的なこと以外は、妄想であったりふたしかなものだと痛感しています。
私が彼女と別れたのもそれに気づいたからでしょう。気づいたというか、確信したから。確信というより、思い出したから。
私は女の子が好 ....
朝が来て昼が来て夜が来て、次に来る朝は、昨日とは必ず少しだけ違う。今年の春が、去年と少し違うように。
僕らはぐるぐる同じところを廻っているようで、ちょっとずつ変わっていってるのだ。
日々は遺伝子の ....
東京の真夜中、ど真ん中
パソコンをつけて世の中を覗いてみた
空から、宇宙から、
下を見れば鉛筆くらいの一点で
一点から東京を見渡せば
ただただ拡がる明るいネオン
空っぽになった缶チ ....
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