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某年四月九日。宮沢賢治の『春と修羅』を読了。そのシナスタジア的光の描写に圧倒され、拙筆に忸怩たる思い、悶々とす。あいつは修羅かも知れないが、俺だっ ....
∇
山吹が咲いた
湿った黒土の片隅に
一輪の山吹が咲いた
星が墜ちてきて
そのまま化石になったように
静かに揺るがぬ形を取って
冷たく黄光っている
そのくせこの世のもののように ....
自称詩人は
薄暗いクソ自称詩なんか
書いてないで
朝5時に起きて
乾布摩擦でもやりなさい
明るくなって
労働意欲も湧いて来るでしょう
ほらっ、早く寝た、寝た!
明日から始めないと
....
思考停止になれないから
諦められないで
打つ手を幾つも考えてしまう
つまらない若者や
取り柄のないおっさん
わがままな一人っ子や
図々しい保護者たち
自閉やA ....
sと会い
僕は彼と話していた 六本木は
肌寒かった 今日も カフェのテラス席で
あまり面白くもないことを
風は真冬のような冷たさで
僕らはヒルズの中で行き場を失い
やはり ....
知ってたつもりだったけど、
ほんとうは、知らなかったんだ。
みんな、ほんとうに、蛇が嫌い、なんだ?
蛇が消えた。
戻って来てくれと願う。
もう、無理かもしれな ....
東京の歌は
唇のようにさけんで
凄くかなしかった
打ち棄てた愛が 不意に
わたしの頬を張る
日が沈み 胸が冷える
老いた男の
灰いろのまな ....
すぐお腹がすいてしまうな(・・・)
と(思ったら)、
もう そんな時間になってた
ちょっと時間ができると
寂しくなってしまうのに
時間を忘れつづけることはできない。
....
🌸
さくら
まだか
はるまだか
🌸
さくら
さくな
まだちちるな
🌸
さくら
ちったか
....
四月に降る湿った雪を眺める憂鬱は
終わらない梅雨を眺める憂鬱に似ているのかもしれない
月日は愚直に戻らないが
季節はマンボのステップで
なんて陽気な気分ならいいけれど
四月に降る湿った雪を眺 ....
∇茶摘み歌 服だぶだぶの 少女かな
入院した母の代わりに、少女が母の着ていた茶摘みの支度をして、茶摘みに精を出している。
スピーカーからは、村中に茶摘みの歌が流れている。
♪ 夏も近 ....
そんな時は 薬を一錠多くのみ
明日の仕事に備えたほうがいい
働くといっても 決して無理はせず
職場で働いているふりでもすることだ
あまりにも生真面目な僕たちは 休んでしまうと
小さな そして ....
💊
カプセル型の胃カメラ
飲みやすいように
納豆にしのばせたの
といつもの
間の悪い君だから
いとしい
胃壁なんかより
いろんな俺が映っちゃう
かもね
そんな ....
タクシーの窓から見える夜景に
魂を投げて光になった
都会のイルミネーションはきっと
居心地の良いテーブルみたいで
すれ違う過去に乾杯をする
輝きの真ん中にいる人は
白い歯を出して笑 ....
二児の母ながら
家事もやってます
二児の母ながら
仕事もしてます
二児の母ながら
夫もいます
二児の母ながら
親の介護もしてます
キラキラ光り出す存在
空に瞬く星
オリオンや北斗七星
カシオペアに ホッとする
一息ついた後で飲む
温かなココア
マシュマロみたいな甘い泡に
カラフルなチップが 散らしてあっ ....
うちの奥さんは
自分でしておきながら
「だあれ?戸を開けっぱなしにしているのは?」
だって
うちの奥さんは
自分でしておきながら
「だあれ?電気をつけぱなしにしているのは?」
だって ....
屍たちが満ちる春に
シは色鮮やかに咲き乱れ
空っぽの青空の上からは
目隠しをしたまま立ち去った
半透明な人々の名を呼ぶ
少女たちの清らかな声が
弧を描きながら降ってくる
(世界の秘密 ....
赤い三日月が東、
その尖った切っ先から
なにかを滴らせている。
舌足らずなきみの言葉では
心に届かないなにかを。
この街にある
この国でもっとも高い建物のせいで
ほんの少 ....
お願いだ
私を食べて
天然の山葵で
きれいさっぱり
吸収されて
覚えていることと一緒に
やがて銀河の遠く
遠く卒倒する
さあ、ためらわずに
どうか私を
綺麗に食べて
ネコレートを一粒口に含めば
ニャア
ニャア
ニャアと夢中になるよ
甘いなあと疲れ吹き飛ぶ
ネコ味のチョコレート
ちょっと待って待ってよね
チョコレート味のチョコでしょ?
ホ ....
逆回転のプレッシャーに耐え切れず、回転軸は歪み、それから、二度と、回ることは出来なくなった。軸中央に記されたシリアル・ナンバーは、モルグで割り振られるそれと同じ意味合いになり、つまるところ、埋葬さ ....
アザレアの咲き誇る
とある五月のことでした
金色の髪の兄妹と痩せ細った母親が
手を繋いで歩いています
母親がお兄ちゃんに言いました
『女の子には、いつも可愛いって言ってあげるのよ。好 ....
朝の光を浴びて
少しぬるみ
世の中のさかさまの文字を
投影している
硝子びんの中の液体の揺らぎに
ひと瓶飲んだら死ぬかなと
たずねても
答はみんなさかさまだから
解読できない
プリズ ....
縛られちゃったんだ
この雁字搦めの世界で
縛られちゃったんだ
常識とかいう概念にさ
忘れちゃったんだ
透明を刺したあの人も
忘れちゃったんだ
私を殺さないあの人も
消えてしまったん ....
狭い道は迷路のように入りくんで両側に犇めく家々は道路ぎりぎりまで押し寄せていた
空間が開ける 古いアパートの建物が左側に現れて二階建ての佇まいがまるで幽霊屋敷のようだった
鉄の階段は怖いくらい急で ....
ピアノの音に重なるように朝の気配を感じる時、
私は私の半身と共に旅情の只中を彷徨っている。
頭と心は信じられないくらい透明で、
静かな人の温もりは優しさを帯びている。
自然の ....
大人として
子供に教えなきゃいけないことが
「人は、いいひと、だけじゃない」
力弱い、無垢な子供は、あらゆる標的になりうる
守りたい、だから、覚えてほしい
....
3分の1は光
音も無く沈む破線
後ろに流れていく灯
美しい冬の夜
3分の1は曇り空
繰り返される
夕食の時間
鍵は失くしてしまった
あとの3分の1は
積み重なった時間が崩れ
落ちる ....
昨日ニッキの匂いの中
カントとウダイが神事をやって居た
児童館にルノーの墓があったのだ
私は激しい揺れを感じた
鶏糞の匂いも足されて来る
犯人は堀田で防犯カメラに
しっかり写っている
神 ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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