最近 笑うことをしない
たまに笑うと
笑っている自分を
不思議に思う
つい笑ってしまう
虫の鳴き声
秋を歌っている
耳を澄ませば
秋を伝える声
秋を実感させられる
身体にあたる風
木々の色づきが
声になって伝わってくる
心地良い空間
忘れられないひととき
....
――B.j.へ
君には朝一杯のコーヒーが必要だった。悪意や復讐を溶かし込んだ生命の源泉としてのコーヒーが。コーヒーは強靭な孤独を湛え、君に生きる意志を与えてくれた。コ ....
秋の夕暮れ、お寺の境内でようやく歩き始めた小さな君が笑っている。
空の彼方に雁の群れが飛んでゆく。
秋の夕空は私の感情に似ている。
どうしようもなく弱いくせに明日に希望を託している。
....
よく晴れた日、木の下に立って空を見上げる。
くたびれた木の葉が太陽の光を受けてオレンジ色に透けていた。
これほど美しい情景があろうか。
溢れた感情がフレームに収まり切れずシャッターは ....
満ちていた
哀しみ あるいは痛みのように
煌めいて
昨日を潤し明日を照らす
零れ 滴り 流れ落ち
さらに溢れ
駆り立てる
とどめる術もない力で
押し寄せる波
こみ上げる欲望 ....
今宵、酔いどれの
耳には
便所を出た
白い洗面台の横に置かれた
金のニワトリの
悲痛に明るいお叫びが
脳裏の遥か彼方から
ひびいてくる
それは陽気だったけれど浅はかだった
何もかもニューウェーブ
私は羽のハエや木の森
だからおっぱいは隠さないよ
勤勉を傷つけ町に出ることもなくただ歌う
君は歌えない
きっと脳がな ....
時の流れなど感じていないかのような
安古いこのモーテルは中も狭い
下着もつけないままで
君はテレビを黙って見ている
やる気のない企画物が垂れ流れている
俺はベッドに座り煙草をくゆらせる
君 ....
春に出会う
あたりまえのように
それが君だった
日々があった
見えるものは見えるもので
見えないものは見えないもので
見えるものを二組の目で見て
二人はたまたま近い気持ちを感じた ....
他人のために尽力したのに
「馬鹿じゃねえのかお前!」
と罵声を浴びせられた日に
国道114号線を実家に向かう
私は一人のブラックジャック
憎まれ役で結構
強靭な孤独に基づき生きてい ....
空には、星
地上には、花
されど この季節には
宝石箱をひっくり返したような
幻想的な落ち葉の森
木漏れ日と艶やかな色彩は
晩秋の静寂に包まれ
聖なる空間を織り成す
言 ....
頼まれたら嫌と言えない
自分がその器で無いことを知っていても
頼まれたら嫌と言えない
だから いつでもキャパオーバーで
自分で自分の首を絞めることになる
OK OK 任せておいて
そん ....
羊のいない街などに
住みたくはない
眠れない夜に
数えるものがなにもない
夜中まで起きていて
地球でたった一人になって
季節の星座に笑われる
地上に貼りついているものの
そ ....
全部嘘だと秋の風が言ったので
それでは終わりですねと冬の空が言いました
春の花は無関心そうに頷いて
かたわら、夏の虫が死にました
青空で、歪んだ月明かり
うさぎ達は人を解体して笑っていま ....
目に見えないできごと
ずっと心のなかで燃え続けている炎が
目に見えない事象を照らしだす
人はずっと神々しく輝いていて
まざまざと見せつけるように
その才能を映しだしている
気持ちが ....
天気よし
血圧よし
女房の機嫌よし
僕は
秋の光りの中を
のんびり田圃道を歩く
ああ!これを悠々自適というのだろうか
現実とは何か
これが僕は
今だによくわからない
わかるようでわからない
「現実、ほらそこにあるじゃありませんか」
って言われても
夢のようでよくわからない
どうやったら現実をしっかりとら ....
半月のかたち
窓辺の幽霊
言葉を残し
燃えてゆく紙
四月の彼方
こぼれる花房
けだものは聴く
曇の終わり
わたる風
まだらに碧く
岩ひとり
神ひとり
....
うす紙には夕陽がのっていて
握ると、あわい音がした
ただわらっていたかった部屋で
むりに言葉をはきだすと
それはすごく汚れみたいで
いそいで手を洗いにきたのだが
石鹸は嘘でできていて、 ....
うちは、あんさんのこと
あんさんのこと・・・・
好きでっせええ!
こ、こいさん!
ほんまに、ほんまか?
ほんまにわてのこと好きなんか?
好きや!大好きやああ!
こいさんッ!
....
感情を取り戻したくて
ドクターに訴えてみる
喜怒哀楽がない方が生きているのが楽でしょう?
イライラして過ごすより
感情が平坦なほうがいいでしょう?
それとも感情がある方が生き易いの?
....
エンドロールの途中に
まさかのどんでん返しが
意表を突いたハッピーエンドが
そんな気がして
なかなか席を立てないでいる
場末の映画館
あるいは
アディッショナルタイムの
カウ ....
白い線につながれた
黒いスマートフォンは
小さな画面を閉じた暗闇に
遠く ぽつねん と浮く
青い惑星の夢をみる
キーボードの隙間に溜まったホコリを
エアダスターで吹き飛ばすとき
交差点の向こうで
スマートフォンをいじっているひとが
知り合いと似ている
マグカップのふちからたれた
コーヒー ....
来春、息子が通うであろう
養護学校を見学する
教室の窓外から
先生に笑顔があるか、見る
こども達に笑顔があるか、見る
言葉を話さず無垢にも笑う
息子をあずける豊かな場かを
廊下の ....
ジャズ、ありがと、えりまき、水槽、私の胸
ピンクのくまとか、くまの、意味とか
スプーンをまるめた指輪してたね。
あと覚えてるのはドア
しまるときに音がしなかったから
君が来たんだと思った ....
彼の存在価値なんて
はかりきれなくゼロに近い
私は存在しない
好きなように生きた独り暮し
転がり込んだ彼は
私の人生を監視した
何度も追い出したのに
帰ってく ....
久しぶりに太陽の下
元気よく歩いてみる
前を向いて
うつむかないで
暖かい木曜日
向かった先は病院で
それでも ちょっとお洒落して
紅など引いて歩いていく
気持ちのいい日
元気な ....
月のひかりが
しずくとなって
やさしくふりそそぐ
森の奥の湖は
やぶれた恋を捨てると
次には永遠の恋が
得られるという
伝説の湖
一人また一人と
若者たちが
....
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