よく墜ちるプラスチックの星、
鍵も暖房もない部屋、
散らばった本とぬいぐるみ、
頭の先まですっぽりと被った布団、
髪の毛の一本すら残さず覆って眠るようになったのは、
天井いっぱいに作った星空 ....
絞り出すように
言葉を紡ぐ
賞味期限のない
ケチャップみたいに
延々と垂れ流し
血液と合流する
赤い眼差しが
落とした
樹形図が伸ばしていく
枝の数だけ
生まれる言 ....
若い時は若い時の楽しみがある
老いては老いての楽しみがある
金持ちには金持ちの楽しみがある
貧乏人には貧乏人の楽しみがある
自分にできる楽しみを楽しめばいい
ちいさなびんがへやのなかでおおきくなりつづけています
けさ、カップに作ったコーヒーはどんどん小さくなってしまいました
ちいさなびんはだいじそうにカップをもっています
はねのもよう ....
ひびわれている
においのことを
話し合ってる
みつからないね
まちがわないね
なんかちょっと
きもちいー
変な穴
なんかちょっと
ふかそーな
変な穴
びっくりした ....
灰色のまちが
悲しくも懐かしくも
なさそうに佇んでいる
言葉でそれをとらえたとて
電車からじぶんの職場を
見てゆき過ぎるようなものだ
世のため人のために君は生き ....
普通の黄色なら
まず間違いなく
翌日に殺処分になって
今頃金持ちのリビングの床に
ぐで~っとした姿で
敷かれていたはずだが
色の白いは七難隠すとばかりに
今回はまあ飼育員一人を
食っち ....
ガラスの泡が
喉で割れる痛みを
声帯に置いたまま
350mlの缶で
山登りするような
飲み方を知った
途中で引き返す
ことのないルート
底が見えるまで
角度を変えて
....
河童橋から眺める穂高連峰は
じつに雄大だ!
その雄大な穂高連峰をバックに
梓川の清流が十年一日のごとく河童橋へとそそぎ込む
僕にもう一度青春というものが許されるならば
貴女と二人手を繋いでこ ....
おはようございます
朝食はお済でしょうか?
今、何のレコードをお聴きでしょうか?
朝のお散歩には行かれたのですか?
これからお色直しですね
失礼致しました
お電話ありがとうございました ....
使えない男だ
どこへいっても何をしても
結果、使えない男だろう
極めて上から見下されたその言葉に
職業人としてのプライドはズタズタ
男としての立ち位置はグラグラにされた
「おい、も ....
ふうと
ため息がでる
皺が増えるだろう
夢が失われるだろう
シーツに潜り込んで
嗚咽を堪えて
涙を拭う
息を止めてみる
ほんの少し
救われない気持ちが広がる
この一 ....
誰にも染まりたくないと
思春期の残骸のような思考を張りつけたまま
自由と空虚の違いもわからないでいる
ただ過ぎる時間に沈んでいくだけの日々
ねぇ
そもそもわたしは誰で
....
泥のなかに
蓮根はもういない
君は立ち去ってしまった
はるか
はるか南に
もう
花は咲かない
ああ蓮根
いとしく
暖かな白
ゆたかなひかり
君が去ったあとを見てしまう
泥の ....
山へ登って登って登って
大空へ心が飛翔する
未来へ心が飛翔する
山を下って下って下って
故郷へ心が飛翔する
子どもの頃へ飛翔する
美しいものを美しい!
と感ずる心さえあれば
人生は豊かになる
善いものを善いと
感ずる心さえあれば
人生は豊かになる
僕に対する
非難や敵意には
徹底的に反撃する
反射的に反撃する
躊躇はしない
プッチッ
とか
ピチッ
とか
切れてる以前に
反撃している
蛇とか
鰐とか
鮫とか
そ ....
きみのきらきらしたまばたきが星を生んだ。
夜の街にも光はあって、そういう種類の希望をきみはぼくにくれた。
きみの寝言はいつも幸せのかたちをしていて、だからこの街がまっくらになることはない。
....
ロウソクを吹く
何回かに分けて
煙が目に入り
涙を連れて行く
空っぽになった
誰も訪ねてくる
予定のないスリッパは
値札を切るまでが前夜祭だ
暖めた部屋の壁が
白い生クリ ....
選ぶことができない
自分の体のメモリーなのに
耳からの音
目からの影像
肌からの感触
鼻で感じる匂い
高性能のマイク カメラ 触覚を持ちながら
....
熱々の鉄板の上
肉汁滴る薫りに乗せられ
気分は上々
気流を信じて籠を編む
空に飛ばす為
厚い雲をも突き抜けて
何処までも昇れば
天使の羽根が見えて来る
昔憧れし衣の奥に ....
遠い約束が僕たちを分ける
右側と左側に並んで
触れたら引っ込める指先の会話
ニットの毛玉を掬って投げた
白い扉で隔てながらも僕たちは
うまく距離を置いたね
思いが溢れてることを
....
年末が近ずき 第九のシーズンがくると
いつも 憤りを感じる話がある
それは
楽聖ベートーヴェンの第九に
呪いがあるという話だ
ベートーヴェン以後の
有名な作 ....
たえず耳なりがしている
キーンキーンと機械的なノイズ
何も気づかないうちに断頭台に乗せられているのかも解らない
彼の痩せた首
それは
大きくて鋭い刃物がいつなんどき落ちてくるかもしれない ....
あたし、わかってしまった
あたしの詩が、
どうしてこんなに軽っぽいのか?
いらっしゃるでしょ?
読んでいるだけで、こころ洗われて、
とても清い気持ちになれる
こころの深いところ ....
お袋が危篤
数年に及ぶ認知症の果てに
俺を産んだ女
俺を育てたかも知れない女
ほんとうはほとんどほったらかしだった
親父の母親に任せっきりで
自分は金を稼ぐのに一生懸命だった
....
セックスなんていう言葉を検索してしまうような
思春期のような哀しみをざわつかせて
夜の天井が落ちていく
触れると壊れる
砂糖菓子を積み重ねて
ウイスキーに火をつけたら
それこそ赤く腫れ ....
幽霊に触ったことがある、と話してその日は家に帰った。心の隅にざわざわと騒ぐものが現れて遅くまで眠れない。布団から起き出してコップに牛乳を注ぎ、壁の前で飲み干す。一人で暮らしている私の肩に触れる無数の干 ....
眉をひそめる
これはどんなときだろ
すれ違った人たちの
表情を集めて図鑑を作ろう
増えてく時間の暇つぶし
作ってよし眺めてよし
良かれと思って
夢の中で続けていく
クソみたいな ....
待つのは嫌いだ
心が塞がれてしまいそうになる
ただ待ちぼうけを喰らうだなんて
随分馬鹿にされたものだ
気持ちは一向に晴れることなく
待たされたという事実だけが残る
雨が降らなかっただけ
....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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