寂れた町の
寂れた市街地には
寂れた商店が軒を並べていた
その一角
寂れた食堂には
すっかり歳をとってしまった看板娘と
厨房に立ってるその亭主が
うまくもないまずくもない
料理を売 ....
あれがああだとしても風車はああだ
ああしているあれ。
あんなあれはああしだす。
そうか…
私は風車にはああしない。
『香水』『涙』『休み』『美』『ドア』
『ひどく』『誓 ....
女の中には無尽蔵の怒りがある
そして無尽蔵の慈しみがある
幾代にわたって夜を継承しながら
女は毎夜眠りと同じ形で眠る
女を彩る数限りない世界
その世界の振幅を
女は怒りと慈しみでもって ....
晴ればかりではない
雨も時々は降る
雨は歌のように聞こえる
そう思いたいだけかも
独りきりの静かな心
しっとり気分で過ごす夜
何も足りないものはない
雨は歌のように聞こえる
....
夜がくるとおびえて
シャツのすそにかくれてしまう
ぼくのきみ
100年も逃げまどって
かえってきたかとおもえば
もう出たそうにしている
鍵はかけてないんだよ
と言うと
錠を買っ ....
池から溢れた光は森の四方へ
金色の空気が流れ
森に満ちていく
ミントは腕をすり抜けて
跳び下りた
そして
森に流れ込んだ光を見つめた
天国だよ
ここが天国だよ、トワ ....
遣唐使の手に握られ
海を越えて来た牽牛花の種
朝露を呑んで目を覚まし
陽の傾きを枕にして眠る
夏の調べを聞き漏らさず
唄うように風に揺れ
恋するように弦は昇る
井戸水 ....
緑色の足音
朝の匂い
バジルを摘んで
魂が冷めないうちに
ソースにしましょうか
お気に入りの瓶
小さな外国船に
妖精の船長
詩を何遍書こうとも
ただ一度の
セックスにはかなわない
彼女の陰唇が
俺の陰茎に絡みつき
脳味噌に
稲妻が走 ....
社会性をぶっ壊したあとに残るのが野生性なんですか
野生性をぶっ壊したあとに残るのが社会性なんですか
理性をぶっ壊したあとに残るのが本能ですか
本能をぶっ壊したあとに残るのが理性ですか
こい ....
{引用=カチューシャ/かわい/や/わかれ/の/つら/さ}
A
カチューシャ/はエカテリーナの愛称。
かわい/い女の子と出会った。彼女の名はエカテリーナ。カチューシャと呼んでくださいといった。 ....
砂の時計をひっくり返し、3分待ったらふたたび汗にまみれてきっと目覚めるだろう。階下で眠る私の家族を起こさぬようにそうっとタオルをとってふたたび夢にそなえる。祈りを言葉にかえてとなえる。
....
黄昏は雪の精が溶ける
爪を立てて
死んでゆく
そして水になり川になり
海になり
そして
星になる
そして
朝になる
太陽の微笑みを
遮る雲の波は
小さな白い花ビラ ....
その夜見た夢の中では
終始一睡もできなかった。
真っ青な大空の下で
気が遠くなっていた
真っ青な大空の下で
空中ブランコのイスにすわっていた
ブランコが大きく揺れるから
私の ....
なんだかめんどうくさいので休みを取った
用もないのに休みの休み
それで・・・
映画を見た「天気の子」
こないだ予告編を見たら絵がきれいだったから
前作はつまらなかったのに
それで見 ....
天国を目指して歩くふたり
今夜は満月だな
森全体が巨大な影絵だよ
ほら見てごらん
ミントの影だって
虎のようじゃないか
そう言って
小さなミントをからかった
ねえお兄ち ....
色とりどりの帽子で
睡蓮の葉を跳ねていく
波紋がぶつかり合って
カエルの背中にも響く
空木の真っ赤な花びらが
風に拾われて踊ってる
紫の帽子が黄色い帽子を誘う
ピンクの帽子は ....
朝のような
首すじだから
遠くから見つめている
階段をのぼっているだけなのに
人生だ なんて言っていいのか
自由と自由の間に
履物をそろえる
わたしを取り去った世界とは
ど ....
宇宙の公園にいるみたい
あなたのまわりに
星だけが浮いている
すいこまれてしまいそう
あなたは優しくささやいた
ずいぶん待たせたね と
その言葉だけで
私はふるえがとまらない
....
眠れぬ夜はニベアの満月踊る
寂しさ忘れたら独り言で安らげなくなる
だって
ここは
打ち水
塗れの 蜘蛛の巣から近い墓場
だらだらTシャツを干したら
「千と千尋の神隠し」
が 神隠し ....
肌に髪に瞳に
映し纏ったあらゆる色を
脱ぎ捨てて
君は
真夜中の姿見に還る
それは潮の香り
それは海の遠鳴り
遥かわだつみに生まれた
嵐の激情に
抱かれる瞬間を待つ
無 ....
砂で顔を洗うような
痛みに慣れて来る頃
後悔が染みる
胸の奥でさえ
騒がしい夏の
夜空へ向かう
明日を忘れさせる
魔法の時に
終わりが来るから
背伸びをしたい
肌にくっ ....
夕方のにおい
泡と爪
捨て置かれた
水たまりの径
光を隠す蜘蛛の巣から
小さな蛾が何羽も生まれ
造りかけの橋が墓になるまでの時間を
ゆうるりとゆうるりと埋めて ....
喫煙者は自死を選ばない
喫煙者は自死を選ばない
喫煙者は自死を選ばない
シトラスの葉から
落ちないように
無重力の赤ちゃんが歩く
柑橘類の血を吸って成長する
妖精が蜜をたくわえた花を
森に咲かせて待っている
蝶は知っているだろうか
妖精は教えるの ....
やたら同情されて
善の象徴みたいに言われ始めたら
ちょっと引いて見た方が良い
というのが私の考えなのね
調子にのってると
どんでん返しがあったりするから
相対主義者のくせに
絶対 ....
ところで名前は何ていうの
僕はミントって言うんだ
ハッカ畑で生まれたんだって
ミントは
きっと前世は美しい
お姫様だったと思うよ
お姫様?
そうさ神話のメンテだったの ....
静けさが鼓膜に当たる
しとん。と打ちつけるひとりの音
風に耳をつけるたびに聴く
傍らに佇むような誰かの鼓動
暗やみを角膜が吸い込む
ひたん。と拡がるひとりの気配
窓辺に佇むと街灯が眩し ....
長いあいだ 恋もせずに
眠っていた
営みがいとなまれ
物語は癒着しきって
開かれず 湿った頁を
ほそい指が捲るとき
できるなら まだ
起きたくはなかった
長いあいだ 恋 ....
反省が将来の行動に関して
なんの有効性もない場合がある
なんとなれば将来同じ暴虐を繰り返すための
口実になっている場合がある
私なんてほんとに嫌な奴だったし
と言った時、 ....
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