ワイフは僕によく言う
「わかっているのに
なぜまちがえるの?」
それで僕は返す
「わかっていても
まちがえるのが僕なんだよ」
君の世界も僕の世界も
ある
それは
ここかもしれない
ここではないどこかかもしれない
ありをりはべりいまそかり
あしたのためのむかばなし
りくのさ ....
70、いや、80、頃だろうか
しわくちゃの手をそっと
かさねて 思い出そう
今どき?と思われてもいいから
一眼レフで写ろう
靡く髪から少しだけ 保乃香の匂い
ハイスピードで駆ける原付
....
福岡とか広島とか
田舎臭い球団が
幅を利かせるようになったから
野球は
もう止めにした方が良いと思います
私みたいな都会人には
到底耐えられません
高校野球からして
ダサイです
....
何も無い場所に触れると光が割れ
もうひとつの陽が現われた
うつしみ うつしみ
いつくしみのない ただよい
重さの無い象が荒れ野に降り立ち
風の内の水を見ている
光は ....
あかい火の粉をまき散らし
舞いあがり旋かいする
太陽の核とひとつとなり
金色に変革をとげた
不死を身に宿したフェニックス
すべての民族はあなたに希望を見いだし
その杯をいただきます
不死 ....
六月のアナウンサーの言う通り
私達は毎日カサを持って出かけている
高い降水確率を証拠として煽られては
保険を持ち歩かないといけない気になる
けれど外出先から帰宅した夜
カサは朝のまま乾 ....
酔っぱらって 家に帰る
トイレで 日々を吐く
繰り返される奇蹟の剪定。
無造作に投げられた肥料袋の中
目一杯に、名のかけらもない痩けた原住民。
命を表象した符号がうねる交差点。
ときおり霞むような速さで、伐採、
あるいは収穫をお ....
若いころは
矛盾に苦しんだ
勝ち負けにこだわった
まちがっているといわれると
ひどく傷ついた
弱さを認めたくなかった
とにかく大谷はすごい
生きてるうちに夢を叶えてくれる
動物たちがみな
肉食でも草食でもありたいように
ピッチャーでもバッターでもありたいのだ
あなたがそう言うので
じゃあ、ロボットの私はど ....
街路で踊るバレリーナの黒髪は長過ぎて、12tトレーラーの後輪に巻き込まれてしまう、悲鳴を上げる間もなく、踊りに陶酔したままの虚ろな表情で、のけぞるように飲み込まれたプリマドンナ、クルミの殻が割れる ....
青い鳥 幸せの
とはいえそれは
細い翼のその先の
先の先まで青いとは限らない
けど青い鳥
刈り上げられた田んぼの畦を
歩いてくるのがカツオさん
古びて背の高い人で 猫背で
....
――逆さまに曝された流線型の細ながい肢体。澄んだ水面の白い後ろ影は揺れる。世界でも有数の赤い夕陽は沈んだ。そののちに訪れる、この心地よい夜の冷ややかさ。その臀部の心地よいなめらかさ。そよぐ枝葉のように ....
子どもがかけてゆく
風船をおいかけ
風にとばされ
鬼にけとばされ
影をおいかけ
雲のかなたにとんでゆく
子どもが泣いている
夢をおいかけ
鬼においかけられ
かけてゆく
小石につま ....
無限に続く壁
無限に広がる床
あらゆる空間がつながっている場所で
すべてが(すべてが
そのままに飾られていたとして
ひとつひとつ手に取り(触れ(眺め(聴き(感覚を
総動員すれば
好きなも ....
いいか
技術は決して嘘をつかないんだ!
信じて全力を尽くせば
きっと夢は叶うんだ!
なあ、みんな
精一杯やろうじゃないか!
あの、社長・・・・
そんなに興奮なさっては
何を言う ....
知ってて言うし
そのまま言うし
許して教師許して先生
いばらにからまる貴方(あ・な・た)
戦場の有刺鉄線に絡まる兵士たち
夢が覚めたら現在のこの国の、
のこのこおきてきやがつた、ひ ....
雲のなかの金属たちは
艶やかな焔となって、
夕暮れに言葉は燃えた
頬を赤らめるしかなくて
赤々と燃えた
だが街は暮れていくばかりだ
街頭の影が背伸びをしても
たしなめる者もいなく ....
遠くの森はいつの日か
愛娘と歩いた森
今頃木々が色づいて
キラキラ綺麗に輝き出し
二人で辿ったあの道を
艶やかに照らしているだろう
娘よ、お前は元気かい?
今頃二十歳のその道を
....
うねる海岸線にカモメが群れる
風をうけて舞い上がり飛んでゆく
白いシャツに透ける輪郭は
子供から大人への通過点
白い砂は貝殻の破片を散りばめ
遠い島に流されてゆく
アゲハ蝶の羽 ....
鉄の嵐の翌日に
ガジュマルの若葉が
青黒い焦土から
そっと芽吹いた
たくさんの血が流れた
悲しい焦土から
おだやかに命を紡いだ
祈り
叫び
呼び
思い
気遣い
耐え
ある ....
原因のひとつは
画像診断技術が高度化し
医師の目が追い付いていけない状況があるとのこと
技術の急速な進歩と人間の能力との乖離
スマホも電子レンジも洗濯機もウォシュレットも
僕の理解を越えるも ....
陽の光で焦げついた表びょうし
ページをめくるたび
懐かしい香りがひろがる
時代のおもみを指で感じては
ため息ひとつふたつ
栞のよつ葉のクローバーは
貴女あての恋文にとみちびいてくれ ....
爽やかな風が吹いていた斎場には
一人の人生に済みの印を押してあげる為に
集まった親族身内たち
果たしてその人の旅の行く先が
天国でもその反対方向でも構わない
もしかしたら
宇宙の知らな ....
急な坂道が前触れもなくあらわれて
そこを登り詰めたら目前には予想だにしなかった崖っぷち
そんなのこの人生には普通に待ち構えているさ
他人にはつけない嘘を自分自身につきながら
不細工な顔と ....
さみしさが夜空にぽっかり浮かんでいた。
月は雲に隠れてしまった。
噛み締めたくない孤独は、目の前で立ち昇る煙草の煙と共に、
私の胸にその影を落とした。
夢の中で何人もの人を殺 ....
秋の夜に
煌々と浮かぶ半月は
闇に艶めく大地のあちこち
銀の涙を溢しながら
陶然として傾いていく
わたしは寝床でゆっくりと
その推移を辿りながら
迫り来る世界の無表情に
今夜もやっ ....
綺麗な言葉を並べることができない
穏やかさや 潤い 愛を語りたいのに
瞬間の歯車の中で繰り広がれる物語
悲しみや 苦しみ
ささやかな幸せさえも 零れ落ちてしまう
通過点の 点のよう ....
薄っすらと
はった氷を割る
秋が終わる音がする
霧がかった紅葉の
空がまだ青い
辿る記憶の先に
肩車をする夫と
肩上のわが子
手を振る
生きることとは
悩み過ぎ去ったあ ....
862 863 864 865 866 867 868 869 870 871 872 873 874 875 876 877 878 879 880 881 882 883 884 885 886 887 888 889 890 891 892 893 894 895 896 897 898 899 900 901 902
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
3.74sec.