血液混じりの夕立が
夕凪の前にやってくる
生臭い風が通り抜け
生暖かい体温と
生暖かい気温が
溶け合って少しずつ散逸し
透明なビニール傘越しに
赤き血潮は色褪 ....
『椅子』
もしここに椅子がなければ、
自分だけ
椅子がなければ、
どうするだろうか?
立ち尽くすのか、床に座るのか
だれかの椅子を奪うのだろうか
それとも黙ってその場をさるのか
....
男は自画像を描く
少しも似ない自画像を
鏡を見ながら描く
その面影は兄弟友恋人
鏡は男以外を映す
少しも似ない自画像を
鏡は自画像を映す
静かだ
この現、
静まり返り
沈黙の間に
無音の響き
行き交って
静かだ
音の精霊たち、
掬うコトバに
寄り添って
何も問わないよ 感謝の息吹はすぐに溶けるものだから
1週間分の新聞が出窓に積まれて ビニールの衣
止まない雨はないはずなのに 笑って雨は諭し続ける
山積みの脳疲労 生きるのみに上書きした目 ....
息子が米寿を終えた母親に
あと一年したら帰ってきていっしょに住もうか
といったら
一人暮らしが自由で一番いい!
といって断った
淋しくても不安があっても自由が一番いいようだ
僕はその頂きを極めて、その後で
それについて語っているわけじゃないよ
今はまだ、そこを目指してトボトボ、トボトボ、休憩したり景色を見たりしながらゆっくりゆっくり進んでいる段 ....
揺れて落ちて
踏まれた一粒が
私の涙だった
気がするよ
甘い味をした
透明なままの
レンズが割れて
元に戻せない
何も見えなくなった
夜の深さを
果実で埋めようと
手を掛 ....
コミュニケイションとカンバセイションと
コミュニティーとシチュエイションと
シチューに入れる具を間違えなければ
オタマが凶器に代わる事など
きっと ないんだと 思うの
★,。・::・ ....
Aは本当のことしか言わない。本当のことを言ってもBに馬鹿にされることはないと知っているからだ。
AはBに出会ったことがない。すれ違いすらしたことがない。
BはAをいじめなかった。包丁でAを刺 ....
土埃上空を舞うネオン落とす街
葉緑の端々に散る信号左から変わる
鳥のように翔ける冬がやってきた
雪は柔らかい鉄であり
氷は固まった太陽である
木々は葉を美しく忘却し
川は地球の罪業を循環させている
男は女を承認し女は冬を承認した
女は男を承認し男も冬を ....
サッカーボールと
野球の玉は
蹴ったり
打ったり
しなければ
プレイははじまらない
この地球もボールにかわらない
宇宙というグランドの
思いきり
蹴ったり
打たれたりしたら ....
百円のライターで火をつけて
燃やしたいものは何だったかな
役に立たない教科書の隙間に
少年は卑猥な落書きをした
悲しい眼をして大人を憎み
支えきれない自分の
捻れた感情
百円 ....
帝国と教主国の小競り合いで焼かれた村
地下貯蔵庫の水瓶の中で
姉妹は生き残った
死体漁りに拾われ
奴隷商人に買われ
船で運ばれ
海賊に襲われ
港町の娼館で売られた
銃士 ....
月の下
ヤン族の男が心配そうに
馬の頬を撫でる
女は夜空を見上げる
故郷だった村の
焼け跡
ああ 額縁の角にぶつけたよ
オルタナティブが泳いで見ている
眺めている そして 唸っている
黄金のキラキラ輝いたその縁に
額をぶつけたよ ああ 中心がずれてしまう
助詞は根っからの飾 ....
今年の自称詩人No.1を決める
J1グランプリが開催され
無職で自称詩人歴25年の
ハンドルネーム
「40才の積木くずし」さんが優勝し
賞金7500円を獲得した
しかし、それよりも
....
ナニカガ ウマレ ソウダ
言葉
宇を身籠もり
身籠もる言葉は
響く声また声の渦
底無し底無し底の底から
何かが何かが ウマレテイル
夏の炎天下の縁側で
西瓜を食べている
....
ど どもる
ど も っ て し ま う
うちゅうのまんなかで
まんまんなかで
底を測る そそそここををを
まんまんなかで
うちゅうのまんなかで
ど も っ て し ま う
ど どもる ....
ここが灰色の地点なら
向こうは向日葵が咲いているのだろう
ロウソクを落として、文字を書いて
猪のように走ってきたもんで
疲れちまった
大事な何かをそろり、
そろり、と運んでいるうちに
....
僕は小学生のころから
絵を描くのが苦手だ
校内スケッチの時に担任の先生から
「よく見てありのままに描きなさい」
と言われたが困ってしまった
どうやったらありのままに描けるんだろう?
と思っ ....
自分が真面目に正しくやってさえいれば
社会がどんなに悪くても
何時か良くなる
きっと良くなる
神さまが助けて下さる
きっと
必ず
そ ....
笑顔で迎えてください
サンタの来ない日も
家族の集わない年の明けも
友と会えない誕生日も
あなたの心には年輪があり
静かな沈黙があり
この星があるならば
雲の上は ....
なんにしたって
上には上がいる
下には下がいる
僕は僕を生きるしかない
水平線を拒絶するために、
ああ。水になるのね?
水になることで、
水滴の一つを攪拌する。
ええ、それはありきたりの答えだったわと、
申し訳程度に贖罪して見せる。
風が吹く ....
誰かの特別になりたいの
有象無象で終わる生に意味は無い
あなただけの私に
私だけの私に
ただそれだけの為だけに
私は私で在り続ける
世界に唯一人のあなたへ
世 ....
妹が甥っ子をあやすとき
そこには亡き父がいて
二人の顔を眺めては
歌って声をかけつつも
小さな頭をなでながら
いつでも笑って
あやしている。
冷たくなった父の手の上に
菊の花をそっとのせて
石で棺に釘を打ち付けた
冬の昼下がり。
微かに差した日差しの中で
手を振る父の姿が見えた。
それは
我が子を育む願いのように
手 ....
父の流した涙は
家族への愛情と感謝の心。
母の手をぎゅうっっと握りしめ
深く大きく呼吸をして
最後は静かに
こと切れた。
852 853 854 855 856 857 858 859 860 861 862 863 864 865 866 867 868 869 870 871 872 873 874 875 876 877 878 879 880 881 882 883 884 885 886 887 888 889 890 891 892
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
3.59sec.