時々 遠くへ行きたい気持ちになる
誰も知らない所へ 行きたい気持ちがする
電車に乗ろう
中央線に乗り込むのだ
寒い八王子を出て
霧の立川を抜け
雨の吉祥寺を過ぎ
暑い新宿を超える
....
子供は妻が産んでくれた
これってすごいよね
でも
そんな事を言ったら
何言ってるの
子供を産むのは女の役目でしょ
と
言われかねない
子供は妻が産んでくれた
これってすごいよね
....
やりたい事と
やろうとしてる事と
実際やっている事と
本当にやれる事
が
いつも
甚だしく違う
このギャップは
希望で埋めるのか
それとも追い続けるものか
....
心をはがしに来る人が嫌いで
必死で殻を守ってる
けど
殻の中身はなんだ
空じゃないのか
役に立てないなんて言わないで
随分と救われた
一つの物事しか見えない
不器用な性格だったかと
振り返る時には
もう その風は 通り過ぎていてね
振り返る髪の毛を 強風が攫っ ....
暗く苦く甘い感情動作のテトリス
積み上がる
泣いている
安い明かり
ただの偶然
物語のなかでいとしいひとが死ぬ
資本が資本を守り増やし
理不尽を産み落とす ....
透明な雨が降り
冬の夜を静かに濡らし
私は宇宙の孤独に座る
分裂していく
あの雲のように
幼い子供の
シャボンに映る
虹色の街を
越えて行ったら
追いかけるものが
なくなってしまう
路上に置いた
翼を広げて
輪の中で泳ぐ
そん ....
なんかちょっと
目が覚めるだけ
なんかちょっと
想い出すだけ
なんかちょっと
声がするだけ
なんかちょっと
ものういだけ
なんかちょっと
やさしいだけ
なんかち ....
あのころまだ
ふたりは人生一回目だったから
ぶこつだった
ぎこちなかった
ぼくはピンクいろの布団を
蹴とばしたし
あたしはあなたが寝るのに
電気を消さなかった ....
「待合室で烏合の衆」
ちょろちょろと
聞きます
あなたのお話
とんとんと 耳の穴かっぽじって
雪降の中 面倒な話 上司の白い息 俺のため息
降り ....
・
発泡酒のプルタブを引くと、パシュッ、っと小気味良い音がする。
慌てるように口に含むとそれは、命の流れのように食堂を通り、胃へと収納される。
濡れた髪をガス屋に貰った安く薄いタオルで拭く。
....
僕を見たひとは こう言う
「ゆうれいがいる」
アルファケンタウリから来たんです と
おどけてみても
遠巻きに小石を投げつけて
一人残らず去っていく
雪の中なら平気だと思った ....
不幸にははじまりがあるらしい
その先には大概どん底があって
どん底から這い上がれるか
そのまま沈んだままかで
人間の真価が問われるらしい
しあわせには入口があるらしい。
けれど
けし ....
僕を君の言葉に翻訳し
君を僕の言葉に翻訳する
お互いの翻訳者を務めて
この日を迎えました
今日を持ちまして
もう翻訳者はいりません
お互い同じ言語を話すので
僕の言葉は君の言葉
君 ....
少し射に傾いて
右肩の方だけを床について
身を縮こませて
寝転んで見る
右目の玉だけを動かして
空を流れる雲を見ようとしてみたり
このままの状態で右手の小指を
動かそうとしてみた ....
まぼろしである
しとどに濡れる街が
明滅する赤信号が
交差点にあふれた人びとが
舗装された道路の窪みが
まぼろしである
底のすりへった靴が
歩道橋の一段目が
つらなった改札の狭 ....
鈍よりとした黒雲は流れて
幾分晴れ間が見られたが
風はより冷たく強く
冬枯れの並木道の両脇は
前日の雪が灰色に汚している
僕は両手を不自由にされ
時々両足を中に浮かせては歩いた
暗イメー ....
黄色のパーカー羽織った
少女のきみが
駅の改札から出てきたとき
胸が高鳴ったの 覚えてる
ほんと
マジで、鳴ったの
土産売り場で
おれのことを探すきみに
後ろから声をかけたとき
....
群れを離れたコヨーテなら
後足の
仕留め損ねた獲物に嚙まれ
血を流し続ける傷など舐めるな
私はお前の獲物ではない
まして谷底の
河原の土に掘られた巣穴に
敷かれた生暖かい毛 ....
バスのなかも
入院棟の廊下でも
ベッドの加湿器の煙りにも
だれかのためなら何でもできる
胸を押さえる
青の洞窟で
浅い息を吐く
バスのなかも
入 ....
現の日常の表層が
呆気なく転覆される
その瞬間、
異界の地に
熱風吹き荒れ
在るものすべて
銀の粒子となり
交わり躍り離反する
(広がる広がる光の海!
降って来る降って来る死者の群れ ....
線路はどこまでつづくのか
トンネルの向こうに
白い世界が見えるが ちかづいてくると
どうやら画布だ トンネルの出口は大きな世界地図で塞がれている
列車は べつだんなんのアナウンスもなく 地図に ....
市の大手建築会社の、一大プロジェクトとして作られた街外れの巨大な新興住宅地は、建てられたもののろくに買い手がつかないまま数年が経過していた、そんな隙だらけの巨大な新築廃墟など、瞬く間にフラストレー ....
いまという過去の最前線が
いまという過去の最北端が
灰色の海原と見分けのつかない蒼空に
ぼくだけを取り残して姿をかえてゆく
時の墓標に手を合わせていよう
あの場にあの ....
押入れを開けて毎朝迷う
今日はどの冠をかぶろう
何もない日はわかんむり
冴えてる時はうかんむり
蒸暑い日はあさかんむり
大事な時はだいかんむり
疲れた時はおいかんむり
勝負の日にはかみが ....
普段から陽気で賑やかな人も
そうはなれない人も
皆それぞれの胸の内に抱えているよさびしさは
さびしさの質も量も測れない
その正体は濃い靄に飲み込まれている
けど
時には怪物になってどろ ....
進みたかった
やり直したり
足踏みしたり
違うルートを突き進むのではなく
ど真ん中を正しく進みたかった
正しいルートは分かっているのに
そのルートを進むことができない
違うん ....
黒い血…はひたひたと、音を立てて 大地に落ちる…
大地を弄ってる、陽炎のように
びろうどのように高鳴ったかと思うと、空へ向かう
あぁ、あの血は本当は別の色だったのに違いない…
なぜか ....
細い
溝のような水路から
船に乗せられ
どんぶらこっこ
どんぶらこ
狭くて
広い
黒い
ダンジョンの様な海
初めての
魚を求めて
どんぶらこっこ
どんぶらこ
青イソメ ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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