隣のテーブルのふたり。
1人はナイフでお札に切り口をつけてる男。
もう1人は「それはただの紙じゃないんだよ!!」と切り口をつける男に説教をする者。
なるほど..たしかにそうだな、それ ....
あなたが好きなのに
あなたの姿をみながら
交差点で右折するバスに乗ってるみたいに、
永遠に逢えない。
整えられた本棚のなか
しょくぶつ、と、てんたい、の
あいだにはさまれ ....
冬の立ち込める並木道は
身を縮めて、息をひそめて
葉ずれや雲を流す空の息吹きを
まとい、深い憂いに口を閉ざし
軽々に言葉を弄さない
冬よ、あなたは何を思うのか
その白き顔(かんばせ)に ....
降り始めた雪に黒い瓦の屋根が
しろくろしている、だれかが走って
いったのか、驚いたように白黒している
近所で赤ん坊のなき声だ
しろくろしてんなぁ
ぼくだって産まれて初めて雪をみて
しろ ....
苦しかったり
悲しかったり
さびしかったり
しんどかったり
そんなのはぜんぶ
はらゆたかとか
....
若い音楽
若い過ち
大人になるとモノサシの
その長さ以上しなくなる
それがほんとうに正しい生き方なら
こんなにいらいらしているのは何故
若い音楽
若い ....
美しいから絵になる
人々が悲しい気持ちになる
病いですら
その人の才能
彼処で
ブスが咳き込んでいる
唾が臭そう
例えば今、息を吐く。
そして、二度と吸うことが無くてもいい――
結論からいえば
その日は私の声音に含まれる死神の衣擦れが
転覆病の金魚の側線を掠めただけだった
パクパクする半透明な唇を読 ....
洗面器の中に
水を張って
浮かべた夜空は
もうひとつの庭
駆け回りながら
届かないと
諦めてしまった
心に集まる
大地の音感
聴き返す時間を
貰えるのなら
門限は破ら ....
刻一刻と
孤高のままに拗らせた
紺を纏った恋煩い
鼓動の行方を知らずして
声無き鼓舞を繰り返す
声無き鼓舞を繰り返し
金平糖を転がした
今宵の月は弧を描き
木枯こぞって吹き荒ぶ
....
誰もがそれとわかるように
名前をつけてみましょうか
花と名前をつけます
蜂と名前をつけます
光と名前をつけます
だけれど君がそれを指さすとき
花と戯れる蜂や蜂と戯れる花を
輝かせ ....
この花は永劫の畔にゆれている。
あまたのうつろいをながめ
蕾という名の一輪となって。
風よりもとうめいなあなたの声が、
水面をやわくなでている。
どことも知れずに吹いてきては。
....
たとえ
俺が歩けなくなったとしても
路は途切れないさ
たとえ
俺に朝が来なくなっても
街路の樹木は立っているさ
たとえ
俺が夜に溜め息をつけなくなっても
繁華街の立て看板に明かりはつく ....
打ち捨てられた死骸の硬直した筋肉は鮮やかな色身だけが失われていて、それはまるで土に擬態しようと望んでいるみたいだった、心配は要らない、それは必ず叶えられる、おまえがもっと失われ続けたあとに…耳 ....
隣では
シュークリームを食べている
車は光速度で
スペース・ウェイを
ランダムに
突っ走って
隣では
クリームシューを吐いている
もうすぐウェイから
ワープしなけ ....
がっかりとがっくりは
ほとんど意味が同じだ
しかし、もし
がっくりしましたと発言したら
こんなに問題になっただろうか?
「特に知り合いでもないのに
何でそんなに思い入れが強いんだ?」と
....
のつのつと雪が降る
一本のモミによって辛うじてこの世とわかる風景
冬至の果てしない沈黙といっしょに
空が少しずつ崩れてくる
血の滲みだす包帯の一瞬の純白を地上にとどめながら
やがて凍えるよう ....
ミツバチは
足し算を理解する
引き算も理解するそうだ
CNNのビデオツイートに思考が止まった
青は足し算
黄色は引き算
紙に数個の図形が描かれている・・・?
入り口の向こ ....
着るものにはこだわらない
同じ服装を何日もしてしまう
風呂は毎日入るけどほとんど体は洗わない
それより
お湯につかってぼんやりとしてしまう
とても不器用で
無器用で
生きるのが下 ....
小窓から月明かり
納屋のなかでは笑い声
明日は畑に植えられる
種イモたちがくすくす
錆びても鋭い鎌に鉈は
ときおりカタカタ笑い
鉋は葦の笛をふく
春一番が待ち遠しく
女羊飼いが待ち ....
酒は飲まない
煙草は吸わない
女は妻以外知らない
そして
サイコロは振らない
そんな人生つまらないか
友はいない
仲間もいない
他人を信じない
神も仏もいらない
そんな ....
うす汚れた
けだものの涎が熱い
この顔に
塗りたくられる
情熱の匂いがする
ねばつく息がくさい
それを
好ましいと思ってしまった
わたしの心臓が早い
いだきたい背中に ....
ほんとはね、考古学なんてどうでもよかったの
常識って、あるでしょ?
どこの世界に
日がな一日土掘って
見つかるかどうかもわからない土片を探すのが
大好きって女がいるのよ?
ほかに世界に ....
てんぺんすたくるして
ないてんぱんくする
てんと、てんのすぺーくは
ぱんきんぐして
こんすてんくすして
なんかもうたいへんだ
たいへんだ
ほいほいのしゅてんはめっけんして
けんきけ ....
お見通しだった
見透かされていた
てめえらレントゲン技師になっちまえ!
なんて
リードブロウ
振るうまでもなく
俺の拳は骨折していた
なんのジョーダンだ
ジャイアン
奴隷のように働い ....
お姫様を助けてハッピーエンド
エンディングロールが流れて
もう1周目
でも
いつまでも
タイトルに戻らない
真っ暗な画面のまま
今日も電車に乗る
電源の切り方を
俺は知っている
....
夏の花巻
駅を降りたち
しばらく歩くと
緑の草地の中に
北上川はあった
イギリス海岸に
たどり着いて
小高いところにある
一つのベンチに腰掛けたとき
思うこと考えることの相違が
....
ある日
私が道を歩いていると
少年の私が泣いていた
「どうしたんだい?」
私が少年に声をかけると
目の前に黒い鞭を持った男が現れた
「キミは誰?」
「私はその子の教師だ。その子の ....
虐待への対応が問われている
児童相談所は
一体何をやっていたんだと
こんなことなら
児童相談所なんて必要ないじゃないか
事件に心を痛めている
多くの人の思いだ
「だから言ったでしょう ....
淡い期待を踏みにじり
血の雨シトシト降っていた
傘を差させて
惨劇を一人見つめて笑ってた
幼い私が父を見て
知った政治のやり方は
専制、専制
それは専制~♪
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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