節度のある幸福
なんか
いらないんだわ
除菌スプレーくさい
おんなたちのなわばり
ドーナツの行列にも
校庭の整列にもつながれなくて
ゆく先の石をいちいち数えてた
それでも熊 ....
例えばスプーンに座って
誰かを待ってる
上がらないシーソーは退屈で
お尻が冷たくなるだけの時間
言葉というリズムに乗れたらなぁ
麦わら帽子を置いた向こう側
取り残された惑星のカケラ ....
これには
色んな解釈がある
ポコチン"を"埋めたて
であれば
挿入直後の状態なのは明らかで
産後よりも産前と言って良いが
結果次第では産後が気になるのは否めない
とこ ....
生老病死のなかで
いちばん
無自覚だったのは
こうなってみてはじめて
生だったのだと思う
扁桃腺の癌がリンパにとんでいた
ペット検査をしたのだが
それ以上いま ....
仮病を使ったら体調悪なって
嘘つかれへんって不便やなとか言うてひとり
生きるために俺は何ができるんや
などと意味のないことをつぶやく
女との将来が顔面で凍り付き
べたべたした汗と毛が全身を這 ....
ひとつだけ伝えるなら
あなたに何を
朝のまぶしさか
夜のしずけさか
日曜のあきらめと
やすらぎか
風のつめたさか
空のはるかさか
言葉のたよりなさと
たのもしさか
大切 ....
曇り空の街
みあげれば梅の花
川の水はぬるくクリアにゆるやかに流れ
白鳥は電線で獲物を狙い
桜の蕾は春をはらんでいる
曇り空の街
赤子を抱く若き母は
通りすがる人に優しく微笑む
土 ....
私は
意地の悪い傍観者だから
ヤバそうな案件からは
さっさと手を引く
自分でさえ
何一つまともになりゃしないのに
一つ一つの人生を
ひとりひとりの歴史を
どう変えられる
....
今 触れてはだめ
六番目の勘が囁くままに
突き止めようとする指を戻す
峠越えの山道を運転しながら
闇を縫って光を探した
開きかけた何かは
古い本のように堅く閉じて
忘れら ....
場所を変えても同じ
人を入れ替えても同じ
自分が
動かなければ
世界は変わらない
いつもなんとなく突っ立って
ああ狭いなって
言ってるだけだから
私は
郷田九段が勝ったのを見た
窓の外を見ている 僕がいた
ただ 僕の中では風の冷たい2月下旬は
ダウンジャケットが 外に出るには必要だ
僕は目黒には たぶん来年もいる
見当たらなかった ....
あの人は絵を描くことが好きだった
あの人はとても足が速かったし
あの人はとってもグズで
あの人は常に人気ものだった
あの人は歌が好きで
あの人はゲームをやらせたらだったし
あの人はむちゃく ....
自称詩人を
5人単位でコンクリ詰めにして
埋め立てに使うと
腐敗した自称詩人が
海に溶け出して
珊瑚礁がどす黒く変色する
「臭っせえの!」
スペイン女の腋臭より臭う
あーあ、沖縄か ....
ネオン街の夕べ
入ったカラオケ
国民的なグループが
テレビの中であなたに歌ってる
迫るご当地アイドル
知らない人は他県人
そんなローカルな歌を
テレビの前であなたが歌ってる
ま ....
雲に
貝殻の内側みたいな光の
虹が
なんど見ても映っている
なぜ
初心を忘れてしまいそうになるくらいの
たくさんの金が毎月入ってきている
服や靴、食事やタ ....
ふわりふわりと、スプリットステップを踏む感覚で、雑用を追いかける。
汗ばむ空の果て、クリアさに欠ける世の中は、ウインブルドン。
脱力とリラックスはヨガのようで、タコのように柔らかく、しなやかにスイ ....
黄金
ボタンエビの夢をみた(ワサビは付いていなかった)
おのさんは、新入りだった。システムに組み込まれるための面接。それは、三日前だった。履歴書に、たくさんの嘘を書いてしまった。写 ....
ミライ
彼女の部屋には小さいベランダがある
そこに大きな室外機がどんとある
猫の額に、犬が座っているようなものだ
そんな余白の無い欄外で
ぼくは、タバコをすいたい ....
窓枠にとまったノコギリクワガタが
居心地のいい私の部屋を守ろうと
ハサミを開いて威嚇する
私もプレイリストから
作業用ロマサガ戦闘曲集を流す
終わりの始まりは
10歳になった猟師の息子が
父親の古いライフルで
森の木の枝のフクロウを
撃ち抜いた時だった
息子は父親を振り返り
やったと笑い
獲物から最後まで目を離すん ....
母のお墓は沖縄にある
もうしばらく行っていない
妙に血が騒いで
沖縄の足元に近い青空を思い出す
久茂地交差点 よくニュースに出てくる景色
那覇で語ったことはなかった
自分にしか関心がな ....
寂しかったのです
取調室で
ひとこと落ちた声
ブロック塀の向こうではためく日ノ丸に
今日が祝日だということを知る
軽自動車のフロントガラスに
顔を押し付けているぬいぐるみと目が合う ....
月あかりの降り注ぐ庭
馴染まない舞踏の催しはいつまでも続くのだろうと
諦めていたのに
私は彼女の踊りに
心を撃ち抜かれてしまった
生まれて初めて私の瞳に私の光が映った
瞬間だっ ....
枯れてゆく冬に名前はなく
キャベツ畑の片隅で枯れてゆく草花を
墓標にしても誰もみるものはいない
ただ今日一日を生き抜くことが
大切なんだと、うつむきがちに言う人に
ぼくは沈黙でこたえる、 ....
静止した 夕ずつを
灰の妖雲が 覆う
静寂が 孤独な
姉妹のように ひろがる
暗い空の 水脈から
垂直に 降る雪は
地に落ち 鬼火になり
辺り一帯 埋め尽くした
人は こんなに ....
薄暗い影の縁に
取り込まれて
居た、
なんだったかな
何処だったかな
宇宙の窪みに
休らって
然るべき場所に確保され
ふんわりと明るみ目覚めた
午前二時半
薄暗い影の縁に
わ ....
雨音は
考える時を与え
立ち止まる街の
空気を洗う
映画館で投げた
ポップコーンや
最後まで
続かなかった言葉に
もう一度はない
そういう覚悟で
この瞬間を
生きているの ....
だれや!?
チコタン殺したのんだれや!?
ぼくのチコタン殺したのんだれや!?
ぼくのおよめさん殺したのんだれや!?
だれや だれや!?
だれや だれや だれや!?
だれや だれや だ ....
私の光だった
あなたは空をみつめて泣いていた
世界はひとつだけ私に意地悪をして
彼女の記憶のいくつかを
ブラックジーンズのシミといっしょに
手洗いで消し去ってしまった
私は痛い寒さ ....
日々の営みの裏側に潜む、恐れと、焦り、憤りと、欲望、妬み、優しさと、誠実、義務と、運命。それらの幻影また破片と記憶。
列車は無表情で人を乗せ、人は自分自身を背負い、それぞれの駅で降りてゆく。
日没 ....
820 821 822 823 824 825 826 827 828 829 830 831 832 833 834 835 836 837 838 839 840 841 842 843 844 845 846 847 848 849 850 851 852 853 854 855 856 857 858 859 860
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