思い出そうとしたことに
ハシゴをかけて
一緒になって寝てしまった
小さな虫は春を焦って
網戸に張り付き始めた

次の季節も
私は何ひとつ気づかないまま
きれいに折りたたんで
どこかに ....
せっしんするだんさに
ふろんとふぉーくなっぷして
なっぷして
せんじつ
なっぷしすぎてちゃーりんがばして
くうてんするまいしくる
あんよみぎひだりで
ときにどうじに蹴ってじめん
とりあ ....
野菊が 弾く
露の 散弾
衝動に 燃ゆ
火種は 雨

戻れぬ 時に
靴を 埋め
針が さした
五時へ ゆく

はや 暮れぬ
静止を 集め
野菊は いま
一言を 持つ

土 ....
低い電線が空を結ぶ春の通り道
見えない花粉たちのように
子供らは散ってしまって
もう影もない

僕は薄い布団に丸まって
よそよそしく朝を呼吸する

枕元のチョコレートを少しかじって
 ....
わたしは退化する。蔑まれないと正しさがわからないような、回路をはんだで繋ぎ直し続けている。どこへ、行かなくても靴がないからって愛想笑いを失敗した、かわいそうな女の子を演じるまでもなく窓辺にうずもれてい .... {引用=(*筆者より――筆者が本フォーラムでの以前のアカウントで投稿した作品はかなりの数になるが、アカウントの抹消に伴ひそれら作品も消去された。細かく言ふと二〇一五年十二月から二〇一七年二月までの間に .... A

光とパッションで
あい わず ぼおおん
おもわず ぼんぼぼん

三叉路のような枝先に
咲いているのは紙様の花
花の名は みつまたで

なぜだか知らぬが いにしえの人は紙を梳い ....
特別な技が
あるわけじゃない

卵を割って
殻が入ったら

それはもう
誰かの涙なんだ
言葉を下さい
歓喜の歌を下さい
勇気の言葉を下さい
民衆の歌声を下さい
生きているのがうれしいと
感極まって歌う声を下さい

言葉を下さい
哀しみに負けない歌を
必勝の歌を下さい
 ....
「残骸」
僕のこころは死んだから、いつまでもちゃんと笑えるよ。こころの残骸が涙を流すこともあるけれど、寿命まで生きるから許してほしい。星を見上げたことなんてないです。希望を持ったことなんてないです。 ....
必然を失っていた

逃げ水を
振り返ることも
なくなっていた

明日やってくる
昨日に
なにがあったのかも
思い出せないようになっていた
なにがあったのかも
気にならないようにな ....
駱駝の玩具の背に本物のナイフ、飾り柄にいつかの血の記憶、縁の欠けたマグカップの中にはつがいの蝿の死体、それはあまりにも語れない、形を残す時間が短過ぎて…手を取って、ここから離れてゆくすべてのも .... 恋をうたうには
およそ似つかわしくない
人を殺めるための道具を
組みたてるのがお仕事でした
筆をとり
隠れるように記した
ふたりの暗号
遺書ともつかぬ感情の発露
どんな罪にも清冽な
 ....
水溜りを打つ雨の雫は
白いスニーカーに
汚れの履歴

行ったことのある
場所で濡れたから
この地図はきっと
破れないはず

今までもずっと
これからも多分
そうやって歩いて
行 ....
静かに静かに暮れる時に
涼風秘やかに空気を揺らし
懐かし憧れの未知からの訪れ
還流しながら予感に巡る

余りに忙しい社会の営み
余りに貪欲な資本の増殖
逃れ逸脱、寡黙に落ちれば
戻って ....
そんな日常なんてと
彼女はいうけれど
じっさいのところ

甘いビニールの匂いがする
黄色いラバーダックが
キッチン洗い場で
逆さになって溺れている

小さな白いビー玉みたいに
勢い ....
夏をひとつぶ紙袋
開いた黒目も傷つけず
眠りの汀を照らすように
灰にならない書置きの
名前も知らない泥の中
前世と呼び馴らせば遠くて近い
五色の風の靡く音に
言葉転げて追っては失くし
 ....


いちばん繊細な季節が
君の心をうす青くゆらめかす
君は君自身の内部へ
幾重にも囁く ひそやかに震える叙情詩を
季節の弦と鍵盤とが
君の想いを奏でるままに
銀のきらめきを 彼方へと ....
青空。

あれは欠けてしまった心だ、
心の欠けらなのだ、
重力のようにわたしを惹き、
赤子の瞳のように影を呑むのだ、

どこにも行けないという幻肢痛。
慰めがたい痛みを慰めよう ....
いつも閑散としているガソリンスタンドの横からその路地に入る。道巾は車1台しか走れないスペースで一方向にしか走れない。両側に貧相な佇まいが軒を連ねているが、途中には産院と歯科医院があってその狭い駐車場が .... 失くした人を
偲んで見上げる
朧月

何かに抱かれるような
宵の人肌

湿った土が
ほんのり香る

始まりと
終わりの理

四条大橋から見渡す
川床の灯りは

春に滲ん ....
不意に思い出すのは

湯船の中で歌う父の
懐かしい歌声

長持唄は
名人の節回し

そう言えばもうすぐ命日だ

死んだ朝に
いっせいに桜を咲かせた
花咲か爺

何年たっても ....
雨の日に哀しげな表情を見ていると何故かそそられる。
その豊かな胸と腰。泣き顔とは裏腹にボリューム感のある容姿も愛おしい。
彼女を公司様から引き離してやろう。
そのまま奪い連れ去って監禁したな ....
久々に訪れた病院の園庭は、
十数本の桜の木が
無数の赤い蕾を膨らませていた。 

その生命力は、
春の大気に漲り震え
園庭という枠を獰猛に
突き破っていく不穏さを含んでいた。

膨ら ....
どこへ いこう
故郷も 青も
霧に 埋めた
迷える この身で

暗い 一節を
夜陰に こぼす
指を 捨てる
子どもの 様に

母の 声で
夢魔が 読んだ
デカダンスの 絵本に
 ....
みんな死ぬのになぜ泣くの?

この大宇宙からみたら

うどんもスパゲッティも同じ

80歳も46歳も同じ

二択を迫りたいなら迫りなよ

意識混濁コンダクター

抗がん剤よりか ....
降り注ぐ雨が
掴み切れず指をすり抜ける
落として来たもの
空がやけに広い朝焼け
終わりなのか
あるいは始まりなのか

レールを走る列車のようには
うまく進まない生き方を
けれど今を精 ....
月の横に大きな鯨が浮かんでいる
ちいさな星や人工衛星を食べて生きるまぼろし
ごちそうさまの煙を吐くと
オーロラに乗ってどこかに帰っていく

きっとあれは
我々のことなんて何も思わなくて ....
人生、いつまでも
学生のノリで
過ごせると思ったら
大間違いだぞ、てめえ!

えっ、そのキャンパスではなく
絵を描く方のキャンパスですだあ?

何言ってんだ、頭大丈夫か?
キャンパス ....
誰かの幸せに
揺さぶられても
自分の思い出
輝く時は

大きすぎる手に
五本指足りず
泳いで潜って
爪の先で会う

無印になった
爪の色は負け

さよならといつも
隣り合わ ....
自由詩
タイトル 投稿者 Point 日付
私の大好きな手カマキリ319/3/18 22:48
まいしくる次代作吾019/3/18 22:11
野菊ルラ4*19/3/18 21:46
チョコレートの春オイタル8*19/3/18 21:40
断絶来世の519/3/18 19:32
旧作アーカイブ2(二〇一六年一月)石村13*19/3/18 18:01
みつまたカノンるるりら519/3/18 17:28
失敗ミナト 螢219/3/18 14:28
万葉渡辺亘119/3/18 9:58
延長戦水宮うみ1*19/3/18 6:50
忙殺北村 守通119/3/18 0:34
生き続けろ、ひとつの言葉がひとつのことだけを語っているわけじ ...ホロウ・シカ...3*19/3/17 23:10
恋文来世の219/3/17 22:22
雨上がりミナト 螢3*19/3/17 19:22
新生(改訂)ひだかたけし4*19/3/17 17:46
青色吐息の彼女の日常秋葉竹719/3/17 14:53
壁画ただのみきや5*19/3/17 14:51
君の在る情景塔野夏子3*19/3/17 12:21
青空新染因循919/3/17 11:59
散文と詩文の間こたきひろし219/3/17 9:28
ガト4*19/3/17 4:15
長持唄1*19/3/17 3:45
レッスン1ツノル3*19/3/17 0:49
園庭にてひだかたけし10*19/3/16 23:17
ルラ4*19/3/16 22:51
コンダクターペペロ319/3/16 22:31
虹がきれいだから少し泣いてみたいかんな3*19/3/16 21:11
宇宙船と稲光カマキリ619/3/16 20:27
人生という名のキャンパス花形新次119/3/16 20:09
日々ミナト 螢119/3/16 13:08

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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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