とがった心象風景を彩り豊かな地図に描きかえる仕事だった
あるいは
蓄積された夜を薄紅色の朝焼けに浄化していく仕事だった
あるいは
つぶれた恋の上層に永遠につぶれない恋を成就させる仕事だった ....
ときに
生い茂る水の葉が
トランポリンのように揺れる
五月
枝をなで
児童公園をあとにする
柔肌の草を踏み
川へ ──
二年後に
堤は整地されるという
今は点在する
黄色 ....
冷えた春 今日は冷えた春
乾燥が目に見える景色
駐車場の桜の木は視界からずれて
僕は肉食動物 ヘッドライトの光線
その空間しか得られない
心臓を握りながら生きている
意識したくない呼吸 ....
もう一歩も進めないと悟った時
世界は私から視線を逸らした
すべての約束は灰になって
希望の抜け殻と共に風に散った
誰かがそれを自由と名付けたので
幸福の定義も裏返ってしまった
私は確かに誰 ....
移動している
動物の頭
むくんだ
羊の頭
闇から闇
食物を求め
牛の肉の
腸詰め形の
曲がりくねった道を歩き
移動する
移動する
頭の群れ
舌の肉でできた頭で
食物を求め
....
遠く離れても
砂漠の熱を辿って
くっ付く磁石のような
心でありたい
いつも一緒に
いられる喜びを
僕たちはきっと
手放したから
パンの耳で作った
檻の中に
君を置いた朝
....
夜明け
窓を開けると
薄暗い空に、明星が瞬いている
テーブルに零した、煙草の灰を
手で、掬いとっている
うちに
夜が、終わっていく
春先の
暖かい雨は、降り止み
朝日が、微か ....
春の雨いつまで続く
猫になりたいかって
なれるものなら、と。
いっぴきの猫なんて
なにもできないし
力も無い
いっぴきの猫なんて
桜の枝から
飛び降りるだけ
花びらといっ ....
君と僕が出会った時は
深い冬の中だった。
そしてそれは、若き君の晩年。
「 あの子を、最後までお願いします 」
....
臭うまでほったらかしてく
冷たい死体背負って
戦乱のどっかをニュースで見たり
だれかの終わりをしゃべったり
いいやつなんだ
あいつらも
どっかにいって そうとでもしよー
いままで ....
最寄りの駅から電車に乗る。自宅から車で七八分の距離に最寄りの駅はあった。JR線沿いの市街。
地方にはどこにでもありそうな駅周辺の風景。
車は近辺の有料駐車場に停めた。
どうせなら自家用車で東京へ ....
牛になって
風にふかれながら
草原を食べていたい
できれば
あなたとふたりきりがいい
一ヶ月 準備電位の刻をへる
前夜の今日
ポエムは終わる
「わたしたちの研究は、初期に現れる準備電位は、のちに自動的な決定に繋がってしまい意識的なコントロールは不可能なのか、それともわれわれは ....
雨は解かれる時間
こどもたちの声の重なり
散る 花のモザイク
煙は祈り 空は響かず
水は光を乗せて黒く笑う
蛇のように去る なめらかに
井戸に落ちた人
井戸が歩いている枯渇した
....
家が裕福ではないのに子供はたくさんいて、末っ子は九馬君だった。
人間の産んだ子供に九馬って何だろう。名前の付け方酷くないかって、俺でなくても誰でも疑問に思うだろうが、所詮他所の家の事だから耳慣れてし ....
半分空(す)いた駐車場が
静かです
風がむやみに
花粉を飛ばしてる
陽射しが細かく崩れて
足元で少し波立ってる
僕たちはようやくの役割を終えて
出口のところで小さく背伸びする
明日 ....
崩れかけの看板も
煤け切った駅も 皆罪深きもの
何とも形容し難いそれぞれが しかしながら
一つの輪郭を描き 走馬灯の如く流れ消える 車中
僕は消えてゆく
温かな望みを咥え 1本のタバコ
....
散らかった資料や曖昧な指示が
電池を抜くまで止まらない玩具を連想させる
加速度的に進むと思っていたわ、未来
こんなところで眠っていたのね
何百ものカメが右往左往している
あの子の痛みが原 ....
「投擲、これ能うべし。」
宇宙の暗さから逃げまどう風 蚊帳の内外なる夏期休暇
もがれた鳥の足 恋人の老いた指先
明日から剥離した今を
夜半
突きつけられ ごっそりと、にやつく。
....
こう寒くては
昨日も今日もあったものじゃない
ヒーターのスイッチも加減の憂き目に遭う!
私事を語れば少しく
時間に及ぶ慣わしが 峠の冥さを補っている
「時間愛?」
音を立ててパジャマに着替 ....
桜がことしも咲いてしまう
つまらない年中行事だと思おう
そう思わないと惨めだから
あなたは全然あってくれない
海ふかくもぐりこんでは
たまに息継ぎしにくるだけだ
....
丸い小窓を抜けたなら
まぁるい形になるだろか
四角い小窓を抜けたなら
しかくい形になるだろか
まぁるくしかくくなりながら
眠る赤児のくちをぬければ
どんな形になるだろか
そこにい ....
折りたたみヌード・マンよろしく
動物みたいに儚くて痛々しいオレ
改札口で踊り出す
テクノでドイツで
暗がりの公会堂で
たーちゃんと踊る
折りたたみヌード・マンよろし ....
わたしたちは 東京で べつに
憂いもなく であって
金を稼いだり 体をすりへらして
もちよったり
平成を 聞き飽きたり しなかったし
あらゆるぜんぶ それがあたりまえって思ってたし
べ ....
雨が降る
花粉が減る
加齢臭が消えなかった
国会議事堂はどれだけ臭いのだろう
政策判断に影響がなければよいが
春の白い花があざやかだ
もうすぐ死ぬから
ご ....
999の純度の人が
666の悪魔になる
666に突然反転するのではない
333の希望を失ってた果てのことだ
999のピュアさを保つのは困難だから
666になる前に希望を取り戻そうと
....
ずっと
自称詩人なんて
いないと思っていた
いて欲しくなかった
そんな私は
痛々しく生々しい現実から
目を背けていただけの臆病者だ
4月の
まだ冷たさの抜けきらない
岬の風に吹か ....
枕は白い
消しゴムのように
青い瞼を
ぼかしてしまうよ
体温だけが
夢から続いて
寝返りを打つ度に
感じている
着替える前の
パジャマが心地よい
差し込む
光の中で笑 ....
いつだったかな
ベッドの中で
嫉妬について話したことがあったよね
ぼくは嫉妬なんてしないよ
って、あなたは言うくせに
ほかの人と飲みに行く話をしたらさ
いつも黙っちゃう
....
なにかが少し違えば、一緒にいることはなかった。
きみと出会わなければ、ぼくは他の誰かを好きになっていたかもしれない。きみも、他の人を好きになっていただろうと思う。
きっとふたりとも、それぞれ別の場 ....
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