KEIKOさんは恵子さんと書くのに
幼少の頃から
けして恵まれては来なかった
らしい
とは言っても
個人の情報の漏洩はゆるされない時代
具体的な記述は避けられているから
確かめられな ....
ゆっくりと歩く蝸牛
それで
どんどんと黄昏の国が過ぎて
宵闇せまる暮らしの中で
わたしも
立ち止まったままの
蝸牛
さまよえる
迷子
冷たい風が
「シッ!」
っと ....
二足歩行の人間だけが
垂直に天を仰ぎ見る
天の先を凝視して
天の先を認識して
天の先を創造して
歩いては立ち止まり
立ち止まっては歩き
一夜、すぎ
油の匂いのする聖水の
油膜を
洗い、すすげない、
その匂いにキャンキャン鳴いている
かしこい顔の犬を追いはらい、
泣きそうな君を
バス停までだけどね
見送ったのに、
君の ....
「わたし壊れてるから優しくしてね!」
って微笑みながらナイフで切りつけるスタイル
抵抗してはダメ、声を出してもダメ
水気の多い果実を切った匂いが部屋に満ちる
(ほうら、やっぱりそんなオチ) ....
記憶ってなんだろう
僕の記憶って
記録は嫌いなんだ
風にまかせて書き留めたほうが
たぶん素敵だから
ため息をして気づいたの
もうこんな季節
お話をしながら散歩
もうしてないもの
目の前のただの水蒸気
気づかないほどに白く染まるのはいつ?
芝生の上にすわって
ぼくは
ポケットのビスケットを半分にして
ひとつきみに渡した
「あげる」って言ってから
ぼくはもう半分を食べた
きみは
となりにいなかったから
きみのぶんもぼくが食 ....
ぽつぽつ
ぽつぽつ
雨が降る
ぽつぽつ
ぽつぽつ
ついた嘘
車が轢いて
過去も未来も
じゃーっと鳴った
消えて浮かんで
また消える
巡 ....
深いクレバスの底をめがけて
落下する白亜のプテラノドン
クレバスは狭く無風だから
翼を広げることができない
風に乗ることができなければ
翼竜は落ちるだけ
深い夜の底の
暗い氷 ....
ぶ厚い雲が空一面に
雨を降らして居座っている
霧深く
ゾンビが車道を横切りそうな
怪しさがある
せっかく怪しいのだから
土の中から死者がもりっと出てきてほしい
ゾンビが畑を彷徨って ....
中村くんとは小学二年のクラス替えのときに出会った
中村くんは絵の天才だった
井の頭公園で学年写生大会があった時に描いた彼の孔雀の絵
僕はそれを観せてもらって圧倒された
画用紙から今にも跳び出し ....
悲しくても
涙を流すこともできず
くやしくても
叫ぶこともできない
誰をうらめばよいのか
問うこともできず
寒々とした
野にさらされている
その積み上げられた姿が
....
元気を出せ!と恐喝しないでください。
金を出せ!なんかよりも恐ろしいのです。
{画像=191217132857.jpg}
{引用=
例によって言葉+イラストの組み合わせで詩をつくる試みです。題名も作品のうちになっております。
題名の役割は、昔は単なるラベル、中身の ....
吹雪はやんだ
静寂が深々と夜を沈めている
遠くで
プテラノドンの悲鳴が響く
ただ一度だけかすかに
電車の警笛のふりをして
吹雪の中をどれくらい歩いただろう
自分の足跡を見つけた時
....
まがおが交差する
まがおがすれ違う
こころが交差する
こころがすれ違う
まがおが一瞬合う
まがおがすぐそらす
こころが一瞬合う
こころがすぐそらす
えーんえーんが交差する
えーんえー ....
独りでいる
冷たい部屋の板の間で
ニャ、と小さく鳴く
猫も寒いのだろう
ぼくたちの
朝はいつまでも
明るくはならないままで
口の中は
鉄の味がするままで
ふと ....
回転台の壊れたヒーター
この部屋を暗室にしているカーテン
うまい嘘をつく季節風
渡すのか
渡すべきか
この使いきれない肉体を
その本質さえ死なぬ我が魂を
木のぬくもりとは
肌のぬくもりを
奪わないぬくもり
あたためようとしなくとも
しずかにうなずいて
あげればよい
虐待ビジネスというものがあるらしい
自己啓発セミナーにやって来た
頭のイカれた人に
それはあなたが子供の頃に
親から受けた性的虐待のせいだと吹き込んで
親を訴えさせて金をふんだくろうというこ ....
暗い空を
赤いランプを点滅させて
飛行機が飛んでいる
私はそれを地上の片隅で見ている
空をゆく機械鳥
乗客やパイロット
キャビンアテンダント
あんなところにも人がいて
呼吸をしたりして ....
朝が待ち遠しいですか
朝が待ち遠しいですか
コーヒーを飲みすぎましたか
それとも昼寝をしすぎましたか
枕を裏返しましたか
どんな枕がお好みですか
どんな悲鳴がお好みですか
夜には夜の鳥が ....
ドアスコープから外を覗くと、そこには未来。
だとすれば部屋を振り向くと、そこには過去。
なるようになればいいさ
ずっと思ってたことを言った
僕はひどく酔っ払っていて
それが聞き取れない
なんだか自分の言葉は
あんまりに嘘がないので
ちゃんとしてる時じゃないと
理解す ....
冬の光のように暖かいひと。
私の心のページをめくる。
本当の穏やかさに気づかせてくれたひと。
この思いだけで人生に道筋を立てられたら
どんなに素敵だろう。
聖らかで
透明で
希望 ....
ヨラさんは小児麻痺だった
ヨラさんはよく笑った
ヨラさんはそのたび涎を机に垂らした
ヨラさんは頭が良くてクラスでいつも1番だった
僕はヨラさんを笑わせるのが好きだった
僕はヨラさんの涎を ....
妻の嫁入り道具の箪笥の引き出しの奥には
昭和がひっそりと息をしていました
アルバムです
学生時代の集合写真
独身時代のスナップ写真
社員旅行の写真
私の知らない男性と二人で写っていた写 ....
歌手のYさんに似てるって
言われる度に思う
ボクは違法コピーなのかも
相手が有名なだけで終身刑
考え方が課長に似てるって
言われる度に思う
ボクは違法コピーなのかも
相手が有能なだけ ....
毎日数時間の眠りを睡眠と言います
死んでからの眠りを永眠と言います
寝入る瞬間は意識がないのは同じです
眠ている間も意識がないのは同じです
怖がることはありません
悔いることもありません
....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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