冷たい風が吹いています
四月の初めというものはそういうものなのです
暖かいばかりが春ではありません
人の意識がどう認識しようと
見知らぬものはふしぎなものです
見慣れたも ....
保育士とは
世を忍ぶ仮の姿で
実はゴルゴ13クラスの
殺し屋だったんじゃねえか?
それか、ジェイソン・ボーンみたいな
CIAの工作員とかさ
だって手口がさ
どう考えても
素人じゃねえだ ....
都会に出た日は格好付けながら
踵を踏まれず歩きたかったし
一発で止まるタクシーが好きだ
車の窓に映る夜景は多分
いつか燃えなかった
花火のように明るい顔で
さよならを言うよ
飛び ....
庭で
風は金色
溶ける時閒
菩提樹だけが見ている
良い四面體の枝だ
少年は「ごっこ」が樂しい
蓋し「縒れ」 獨り遊ぶ
紐で輪をつくり 裸になった氣分だ ....
朝5時30分
げっ歯類の歯磨きが始まる
シャカシャカ シャカシャカ
繰り返すリズムが小気味好い
ユーモアのセンスが
彼等にあるとは思えないけど
生きる為のシンプルな行動が
それだけで ....
曇天ですか
曇天ですよ
これは夢ですか
現実ですよ
現実って何ですか
曇天ですよ
・・・曇天の日。彼女はボクのことが好きだっていう。ボクは戸惑っている。だってボクが好きなのは彼女の友達 ....
潜在的勢力
世界は
射程距離内に
息を潜める
破壊される
隣人の平和
予期せぬ以上に
自らの居場所が
詰まりつつある
革命は
異国民兵士の手の中に
委ねられる
思想は
鋼 ....
自称詩人は
死ぬまで自称詩人でいて欲しい
クソの役にも立たない内向きの感情が
自称詩人を止めることで
外向きに変わった場合
下手をすると
屋上からベランダに降りて
ガラス窓を焼き切って
....
元号が変わろうが
何が変わろうが
自称詩人は
自称詩人のままで
いつまでも
クソつまらない自称詩を
書き連ねていく
屍は屍以外には変われない
万が一生まれ変わったとしても
やはり ....
諸仏のおわします、ダイアモンドの如く不壊なる女陰に敬礼!
赤い、嗚呼、なんて赤いんだ。
あの夕日は、涅槃に達する直前の空即是色の色だ。
赦しの夕日。
全ての女に落ちているあの暗 ....
安寧だとおもっていたら
令和だった
冷ややかな祭祀色のつよい名だ
平成が決まったころを思い出す
平成、なんだ
そんな感じだった
今回はなんだか
古代にタイムス ....
むかしむかしあるところに大正という村で育った少女がいた
彼女は いつしか百歳を超えて
「敬老会に行っても 最近は若いモノばかりで つまらん」と言い
八十を超えている若い衆が ぐっと笑いをこらえた ....
流した涙や
赤く染まる血が
透明になるまで
過ごした時間
ありがとうは
一億人の心を
結ぶ羽根だって
みんな知っている
ギュッと守られた
お弁当箱よりも
偏ることのない
....
現と擦れて詩が浮かび
境と接して死が浮かぶ
現も境ももう近しく
それなら詩と死と
しとしと濡れて
行ける処まで生きませう
現と境の溶けるまで
背負った重荷の露となるまで
背を正すこと、 ....
不意にあなたが
私の前にいたのです
たぶん、あなたにとっても
私が突然現れたように
感じたのでしょう
何もないところに
ふたりで立っていました
この先なんて見えませんでした
ただ、 ....
あの世にも
さくらはあるのかしら
彼岸の始まりの日に夢を見た
目の前には川が流れ
遠く向こう岸を眺めると
見渡す限りの桜が咲いていた
私は、はっとした
ここはさよならの岸辺
た ....
めい
めいとめい
樹木の役割
うんぬんかんぬん
花
ぽんぽん
ぽぽんぽん
ちんぴらに絡まれる小学生だった
ハガキを書いたり電話をしたり
自由過ぎるくらい好きなひとがいた
薄暗い緑がたちこめていた
そこでゴマダラカミキリをつかまえる
あれが純 ....
自称詩人がウジ虫のように
大量発生した
人類史上最悪の時代だ
自称詩人的な人間は
昔から存在したが
(路上フォークとか)
何の制約も受けずに
ウンコを垂れ流しに
垂れ流すことが出来 ....
とがった心象風景を彩り豊かな地図に描きかえる仕事だった
あるいは
蓄積された夜を薄紅色の朝焼けに浄化していく仕事だった
あるいは
つぶれた恋の上層に永遠につぶれない恋を成就させる仕事だった ....
ときに
生い茂る水の葉が
トランポリンのように揺れる
五月
枝をなで
児童公園をあとにする
柔肌の草を踏み
川へ ──
二年後に
堤は整地されるという
今は点在する
黄色 ....
冷えた春 今日は冷えた春
乾燥が目に見える景色
駐車場の桜の木は視界からずれて
僕は肉食動物 ヘッドライトの光線
その空間しか得られない
心臓を握りながら生きている
意識したくない呼吸 ....
もう一歩も進めないと悟った時
世界は私から視線を逸らした
すべての約束は灰になって
希望の抜け殻と共に風に散った
誰かがそれを自由と名付けたので
幸福の定義も裏返ってしまった
私は確かに誰 ....
移動している
動物の頭
むくんだ
羊の頭
闇から闇
食物を求め
牛の肉の
腸詰め形の
曲がりくねった道を歩き
移動する
移動する
頭の群れ
舌の肉でできた頭で
食物を求め
....
遠く離れても
砂漠の熱を辿って
くっ付く磁石のような
心でありたい
いつも一緒に
いられる喜びを
僕たちはきっと
手放したから
パンの耳で作った
檻の中に
君を置いた朝
....
夜明け
窓を開けると
薄暗い空に、明星が瞬いている
テーブルに零した、煙草の灰を
手で、掬いとっている
うちに
夜が、終わっていく
春先の
暖かい雨は、降り止み
朝日が、微か ....
春の雨いつまで続く
猫になりたいかって
なれるものなら、と。
いっぴきの猫なんて
なにもできないし
力も無い
いっぴきの猫なんて
桜の枝から
飛び降りるだけ
花びらといっ ....
君と僕が出会った時は
深い冬の中だった。
そしてそれは、若き君の晩年。
「 あの子を、最後までお願いします 」
....
臭うまでほったらかしてく
冷たい死体背負って
戦乱のどっかをニュースで見たり
だれかの終わりをしゃべったり
いいやつなんだ
あいつらも
どっかにいって そうとでもしよー
いままで ....
最寄りの駅から電車に乗る。自宅から車で七八分の距離に最寄りの駅はあった。JR線沿いの市街。
地方にはどこにでもありそうな駅周辺の風景。
車は近辺の有料駐車場に停めた。
どうせなら自家用車で東京へ ....
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