誰かいる様な気がして ふすまを開けた
隣の部屋は誰もいない
更に隣の部屋のふすまを開けた
そして また隣の部屋へ 隣の部屋へ
どの部屋も 同じ様な部屋だ
....
暑くなりましたね
駐輪場にて声がした
それは幻聴ではなくて
知り合いではない
とおもうがどうだろう
わたしの記憶に自信はない
いまのところ
覚えがないことにしておこう
暑く ....
夜鷹は昼鷹に
改名しろと
脅される
鷹でもないのに
鷹と名乗るのを
やめろという
いいえ
神が付けたもうた
名前だから
おいそれと換えること
などできないと
夜鷹は嘆く
....
晴れた日に雨靴を
履きたい気持ちを
雨の日に思いきり
傘ささずぬれたり
開いてしまったら
また閉めればいいじゃない
ひとつしかないのファスナー
そう思い込む
のだった
....
最後の花びらが
ついさっき
昨日にとけて
待っていたはずの人も
終に
花びらになって散ったか
なんて
立ち上がるともう
ちゅうりっぷも
花菖蒲も
夏へ向かって
伸びをしている ....
「踏み間違いとか
ながら運転とかを防ぐには
マニュアル車限定免許しかないだろう」
「そうだな」
「文明というのは
人間生活を良くしながら
人間生活を破壊していくものさ
飛行 ....
聞き覚えのあるメロディー
削除できなった電話番号
ワンタップで削除まで
なんの迷いもなく操作していたのに
できなかった
未練ではない
もしかしたら ....
私じゃないもう一人の私が
私が眠る頃を見計らって枕元に現れる
私じゃないもう一人の
私の顔色はいつもわるくて
薬の袋を手に持っている
私じゃないもう一人の私は
薬の袋から錠剤を取り ....
よく晴れた空
出かける時は晴れが多い
雨は殆ど降らない
君とのドライブは楽しい
話が尽きることはない
一緒に見る景色
一緒に感じる感動
すべてが宝物
同じ時間を感じながら
....
明け方の応接間で一人、壁に漂う船を見ている。
日常の埃にまみれた心に壁際のアロマが沁みこむ。
軽めの葉巻と淹れ立ての珈琲。
この部屋の壁一面にも時代の匂いが沁み込んでいる。
....
たくちゃんやアーくんはとても
綺麗なフォームでクロールするんだ
彼らのように泳ぎたいわけじゃない
水と愛撫し合う幸せを知りたいだけ
包帯が水を吸って絡みつく
誰もお前は認めない、とい ....
針に通すと
真っ直ぐに伸びる
一人分の道
玉結びしたら
輪っかを走る
二人分の道
横を見た時は
君にいて欲しい
虎がいます
胸の中に虎がいます
人喰い虎か、人良い虎か、人良い虎は寅さんかい
ほら、見なよ、あんな虎になりてぇんだ
けれどこいつは張り子の虎です
淋しがりやで強がりで
涙を飲み込み ....
床に投げ捨てて
乱雑なまま
続けることを諦めた楽しいこと
何も考えずただ言葉に変える
やりたいことだらけで
何もやりたくない
誰かの言葉
メディアで聞いた話
大好きで繰り返 ....
お爺ちゃんが
一人
日本酒を片手に
桜並木を行く
来年は
見れるだろうか
この桜を
星雲の強烈な光
片方の瞳孔に浴び
身もだえる俺
頭を押さえつけられ
逃げることができない
涙がとまらない
鼻腔に漂う
甘い乳の匂い
この人間拘束帯
実はオンナだ
お前は ....
ええ 夢です
わたしなど夢です
あなたの目にも耳にも鼻にも残らない
夢です
いちばん隅の机の上で
ちぎり絵をふたりでしました
桃のようなほっぺを寄せあっていました
ぼ ....
最良の答えを出したはずだった
それが最悪の結果に終わった
僕は望んでたわけじゃない
天使にこびを売ってたのは
認めるが
悪魔に囁いたりはしていない
そんなこんなで振られるは
....
普段から優柔不断の私は一見優しく思われるかもしれない
だけど私と言う人間を支えているこころの仕組みは
いたって冷淡である
たとえ熱を加えられてもその構造は伝わりにくいので
温度が上がらない ....
灯台の灯りで煙草に火をつける
まるで灯台がチリチリと燃えるよう
灯台を吸い尽くしたら
波濤を彷徨う船たちも
みな底に攫われた悲しみも
どうやって帰ってくるのか
煙草の火をグルグルとまわ ....
海岸の町をぬけていく
錆びた看板に風があたって
クジラの声がする
思いを刻んだカーテンを
めくっては繋ぎ直して
あとに残したギザギザする感情に
また風があたってようやく
琥珀ができて ....
流れる星を見つつ
カニの足の節目に
時代の節目を重ね
フィットしたのに
なにしとんねんと
何もしとらん奴に
むき出しの知性で
言われとんねんと
カニが言うのです
横歩きとの呼 ....
神さまは
叶わない愛なんて知らないって言ってた
幻の夜、
カフスボタンの別れて落ちた砂浜に
砂の城がまだ崩れ切ってはいなかった
知ってる
紫の夜空に浮かぶ
白い雲が
地上に ....
一輪挿しの花を
わたし達はただ愛で
やがて枯れたならば
裏の畑に埋めて
忘れてしまうでしょう
なぜ、忘れてしまうのでしょう
そうして人々はまたこともなく
明日の朝を、明後日の夕 ....
変な曲ばっかり勧めてごめんね
普通に仕事しているか
学校に通っている人間には
到底考えられない時間帯に
自称詩を投稿している奴がいる
恐らく死にかけた老人か病人
あるいはニートか
バカ校に通っている学生なのだろう
....
抗えぬ露の一粒
誰にも
触れられることのない花々
寄り添い
静けさのなかに
呼吸していた
夜明けに
来客があるのだという
貴方は
刃を握らせ
傍らに眠る友の
肉を裁ち
....
うまれてから
なんにちたったのだろう きょう
うまれた日は だれにもいちどしかないのに
たんじょうびは なぜ
なんどもおとずれるのだろう
あつめるほどに 足りなくなってゆく
ことばのた ....
上手にコミュニケーションがとれないこと。
常に公平な立場ではいられないこと。
自分も他者も完璧にはなれないこと。
ぜんぶひっくるめて、笑えたらいいね。
リズムをとる歯
おどる舌
口びる震えて
言葉は無くて
リズムのうちに
はさむ休止符
打って休んで
消えゆくうた
眠らぬ夜は
すでに過ぎ
覚醒のまま
深みに落ちてく ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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