静かに空から落ちてきた
透明で純粋なものは、
いつのまにか消えて
世界へ還っていく。
僕たちはこの純粋なものを
飲みそして体に保つ。
消えてしまうと、
僕たちも粉々になり
世界へ還 ....
錐ひとつ
モダン
モノノアハレノナガレ
錐、しずむ 漕ぐ
水銀的ウッドベース
水銀的ウッドベース
水銀的ウッドベース
刻は 刻を えがいていく
....
まるい
光のとかげ
うしろから頸を締めた
深い 叫びのつぶて
むかしのきみの幻に
許してほしいと上目を遣った
とっくに許されているくせに
....
朝の小石のなかで
眩しい河をみている
春初めの木々 幾つかの色が
わたしの心にさらされる
わたしの心は さらされる
凄いものを ずっと みている
ずっと嘘をついていたから
あなたの眉毛だけを
よく覚えている
あなたの目を
ちゃんと見れなくて
眉毛ばかりを見ていた
わたしは眉毛虫
いつか蝶々になると
ずっと嘘をついていた
たおやかな
緑の群れ、
揺れに揺れ
踊る影は
光の万華鏡
私は静かに傾いて
遠くの森のザワメキを聴く
世界ハ
巨大な鏡像スクリーン
透明な皮膜のなか
ふわふわ微睡み感じ取る
人、岩、森、猫、大海原
唐突、道路に開いた穴
その深淵ハ
弾け飛んだ信頼の重み
傾く生を朦朧と
肉の苦痛に ....
白濁した光の網から翅の大きな蝶が逃れるように
わたしたちは木陰
まだ しっとりした眼で
深みを増した色彩を揺らめかす粒子の渦を見ている
あなたはそよ風にくすぐられる若木のように囁いた
虻より ....
ただの振る舞いを その仰ぎを
何だろうこの世と
無駄を無駄と処理して
ただ風を切って 空の色をぼんやり眺め
無意識に歩きだした魂に魂を意識せず
阿呆でいい のっぺらぼうでいい
奥行きのない ....
眼が冴えて眠れない夜は
羊の数なんて数えてられないから
初恋から現在に至るまでの
好きになった異性の名前を頭のなかのホワイトボードに
書き出している
異性に持てないくせに
一目惚れの癖 ....
夜道
突然何かがヘッドライトに浮かび上がった
猫だと直感した
避ける暇もなくブレーキを踏む間もなかった
瞬間、タイヤが踏んで ぐしゃり 鈍い感触があった
が
そのまま通り過ぎてしまった
....
そうして春が去ったところへ猫が這入ってきて、
ごろなんと寝転んだ。
僕は寒いねと言い、
君は四十五度斜めと言った。
赤い新聞紙?と僕が尋ね、
そうそう、くじらのボールペンと君が答えた。
....
獣に潜む
重ねた月から指が泳ぐ
次の言葉を
無かったことにしますか
銀紙で包んで
しまい忘れた声の在り処
耳を澄ましても
体のコードが伸びるだけです
見せたいものは何もないのに ....
今のあなたは、自分を否定したくなるくらい悲しいんだね。
涙も出ないくらい、つらいんだね。
でも、わたしはあなたが好きだよ。
わたしの心に、あなたが花を咲かせてくれたよ。
あなたがあなたを傷つけ ....
{引用=月の夜
時計がこわれている
わたしはおなかがすいたので
きれいなおとこの子を食べている
(妹はきたのくにで
いまではむらさきつめくさです
こおった風にゆれて ....
小人のすがたをした夜
もみの木に似たピアノ
香爐の用意は出來たか
誰かが 神經豚に轉形しようとしている
意圖は 錯誤の技法を導入する
蔦狀の陰半球で {ルビ領土=ゾー ....
キンの顔が全面に
フィーチャーされていれば
飛んでるところは
アンパンマンにしか見えないワケだし
子供たちに大人気の可能性だってある
(頭の形はどちらかと言えば食パンマンだが)
アメリカだ ....
・・・波飛沫陸離する
バランコの寂れた海浜で・・・
海のように、
僕はあなたを崇めよう、
日光を飲み込む海のように。
空のように、
あなたを崇めよう、
隠された宇宙に包まれた ....
光が通る
レースのカーテンで
作られた道を
あみだで下る
当たりはなく
はずれもない
同じ場所に
並んでいるブランコ
影絵のような
小さな乗り物で
この身体を
縛り付ける ....
飾らない言葉を使って
詩を書きたかっただけ
言葉の洪水に押し流されたくはなくて
言葉の香水をこの身に纏いたいだけ
とても重要なことは
とても簡単に言うことができるから
言葉遊びいが ....
てにはいのみてんしるに
らっけんそむいて
はらけらの
しみてんなかるせんのさきの
みけるとしりはるのせ
ばくれんととのかして
れみんぐする
ろろてんにはせすくらいめい
上級詩人の奏でる言葉に
聞き惚れる
そんな時代もありました
昔は僕のこころも美しく澄んでいましたから
今はすっかり皺がはいり
皺のなかに埃が溜まって
上級詩人の奏でる言葉に
耳が ....
新しい住宅が建ち並び
街も成長を続ける
古い町並みを残す
賑わっていた頃を
思い出させるかのように
新しい町並み
古い町並み
どちらも馴染む
過去のひんやりした風
心地良 ....
ある日
詩を書こうとして
携帯を開き
現フォにログインしてみたが
どうにも書けない
日々の事
時代の事
思い出の事
セックスの話や
政治的な扇動
なんでも書きゃいいと思うが
ハタ ....
行方不明者の残した手紙は
どんな気持ちで読めばいいのかわからない
閉じ込めた引き出しは空っとぼけている
ソプラノのリコーダー、その割れた吹き口の残骸、観賞用のナイフみたいな役立たずの ....
夜の道を歩く
闇の中の秘密
幼子の声が響く
誰か私を消して
持つだけで孤独が滲む
誰にも見せぬ過去
気遣って云わぬのに
隠せば嘘の匂い嗅がれ
....
カリメラ 刻一刻、思いさだめて遂げる 深い一筋の刻み目
カリメラ 酒臭い沈黙のなかで酔いかけては醒める カリメラ
旗の切れ端は、雑巾のように今は静かに濡れている
たまたま眠ったりすれば いろ ....
五月のゆうぐれ
堤防をゆく人を塗る
黄色のエンピツをカンヅメから
選びとって
カッターナイフで
削りました
削って
削って
削り終えたら
妙に嗤っている
自 ....
霜、踏む、朝
青空をバックにしても
こころが壊れて寒いとき
こんなまんまじゃ屍人じゃないかと
泣きたくなってもこらえた見栄でも。
その夜更け。
弓張月を仰ぎ見て
心に舞う蝶、静かに回る
....
ちいさな手がタンポポを摘む遠い日だまりに
開けられないガラス壜の蓋を捻じる
地平は終わらないラストシーン
エンドロールもなくただ風だけが映っていた
たわわに飾られた花籠に果実のように豊満な ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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