そうして春が去ったところへ猫が這入ってきて、
ごろなんと寝転んだ。
僕は寒いねと言い、
君は四十五度斜めと言った。
赤い新聞紙?と僕が尋ね、
そうそう、くじらのボールペンと君が答えた。
....
獣に潜む
重ねた月から指が泳ぐ
次の言葉を
無かったことにしますか
銀紙で包んで
しまい忘れた声の在り処
耳を澄ましても
体のコードが伸びるだけです
見せたいものは何もないのに ....
今のあなたは、自分を否定したくなるくらい悲しいんだね。
涙も出ないくらい、つらいんだね。
でも、わたしはあなたが好きだよ。
わたしの心に、あなたが花を咲かせてくれたよ。
あなたがあなたを傷つけ ....
{引用=月の夜
時計がこわれている
わたしはおなかがすいたので
きれいなおとこの子を食べている
(妹はきたのくにで
いまではむらさきつめくさです
こおった風にゆれて ....
小人のすがたをした夜
もみの木に似たピアノ
香爐の用意は出來たか
誰かが 神經豚に轉形しようとしている
意圖は 錯誤の技法を導入する
蔦狀の陰半球で {ルビ領土=ゾー ....
キンの顔が全面に
フィーチャーされていれば
飛んでるところは
アンパンマンにしか見えないワケだし
子供たちに大人気の可能性だってある
(頭の形はどちらかと言えば食パンマンだが)
アメリカだ ....
・・・波飛沫陸離する
バランコの寂れた海浜で・・・
海のように、
僕はあなたを崇めよう、
日光を飲み込む海のように。
空のように、
あなたを崇めよう、
隠された宇宙に包まれた ....
光が通る
レースのカーテンで
作られた道を
あみだで下る
当たりはなく
はずれもない
同じ場所に
並んでいるブランコ
影絵のような
小さな乗り物で
この身体を
縛り付ける ....
飾らない言葉を使って
詩を書きたかっただけ
言葉の洪水に押し流されたくはなくて
言葉の香水をこの身に纏いたいだけ
とても重要なことは
とても簡単に言うことができるから
言葉遊びいが ....
てにはいのみてんしるに
らっけんそむいて
はらけらの
しみてんなかるせんのさきの
みけるとしりはるのせ
ばくれんととのかして
れみんぐする
ろろてんにはせすくらいめい
上級詩人の奏でる言葉に
聞き惚れる
そんな時代もありました
昔は僕のこころも美しく澄んでいましたから
今はすっかり皺がはいり
皺のなかに埃が溜まって
上級詩人の奏でる言葉に
耳が ....
新しい住宅が建ち並び
街も成長を続ける
古い町並みを残す
賑わっていた頃を
思い出させるかのように
新しい町並み
古い町並み
どちらも馴染む
過去のひんやりした風
心地良 ....
ある日
詩を書こうとして
携帯を開き
現フォにログインしてみたが
どうにも書けない
日々の事
時代の事
思い出の事
セックスの話や
政治的な扇動
なんでも書きゃいいと思うが
ハタ ....
行方不明者の残した手紙は
どんな気持ちで読めばいいのかわからない
閉じ込めた引き出しは空っとぼけている
ソプラノのリコーダー、その割れた吹き口の残骸、観賞用のナイフみたいな役立たずの ....
夜の道を歩く
闇の中の秘密
幼子の声が響く
誰か私を消して
持つだけで孤独が滲む
誰にも見せぬ過去
気遣って云わぬのに
隠せば嘘の匂い嗅がれ
....
カリメラ 刻一刻、思いさだめて遂げる 深い一筋の刻み目
カリメラ 酒臭い沈黙のなかで酔いかけては醒める カリメラ
旗の切れ端は、雑巾のように今は静かに濡れている
たまたま眠ったりすれば いろ ....
五月のゆうぐれ
堤防をゆく人を塗る
黄色のエンピツをカンヅメから
選びとって
カッターナイフで
削りました
削って
削って
削り終えたら
妙に嗤っている
自 ....
霜、踏む、朝
青空をバックにしても
こころが壊れて寒いとき
こんなまんまじゃ屍人じゃないかと
泣きたくなってもこらえた見栄でも。
その夜更け。
弓張月を仰ぎ見て
心に舞う蝶、静かに回る
....
ちいさな手がタンポポを摘む遠い日だまりに
開けられないガラス壜の蓋を捻じる
地平は終わらないラストシーン
エンドロールもなくただ風だけが映っていた
たわわに飾られた花籠に果実のように豊満な ....
悟った人は怒るのか?って
疑問を持つ人いるでしょ。
じゃあ、悟った人を怒らせてみたら良い。
アナタが
....
<初恋の味>
イチゴは
甘くて酸っぱい
マーブルチョコレートは
ちょっぴり甘い
初恋は
夏ミカンの味
体じゅうが夏ミカンになって
ピアノをさぼった
今日のわたし
カルピスを ....
平成の風景を、今でも時々、夢にみる。
あの頃の僕らは、別に輝いてなんかなかった。格好よくなんてなかった。
それでもふいに、あの頃の僕に、会いたくなるときがある。あの頃の君と、話したくなるときがある ....
人並みに生きるって案外難しい
スプーンにいっぱい分の幸せを測るより難しい
パンひときれ分の幸せがあれば満足
それとも地球一個分なければ不満足
欲望が煮えたぎり
吹き零れそうだ
....
*
{ルビ黝=くろず}んだ緑色の風景が{ルビ錆=さ}びてゆく
流れる光の寂しい{ルビ故郷=ふるさと}の未来は
今だけ{ルビ微=かす}かにほんのりと盛り上がって
けれども
断えず推移し ....
夢のように横たわる貴方と交わす言葉。
刺激という感覚を忘れてしまった。
今はもう安らぎの彼方に浮かんでいるのか。
どうか私の空虚な言葉は連れて行かないで。
貴方の愛したピアノ ....
{引用=いまひろいひろいお花畑にいます
だれもいないので寝ころんじゃいます
ぺたんこのわたしの胸に
とんぼがとまります
わたしのいきもとまります
(むかしはまきばに花をつみにきた少女を牧 ....
{引用=どこにもいないひとのことをずっと
まっているからそのひとのすきなみ
つあみにしてむぎわら帽子かぶって
丘のうえでソラみあげながら年をと
っていこうとおもうのわたし}
遠くの森のザワメキが
木霊するよな青空に
白雲一つ漂って
微睡みの午後に呑まれていく
遠い遠い感覚が
辺りを静かに支配して
わたしはぼんやり日溜まりで
胡座を ....
寝っころがってばらまけて
害虫に食べられて
とびでたら小さな背中
道でふまれた
ふわふわ浮かんで
どこへゆくのわたげ
命をそまつにしないで
戦わなくていい
きれいな手のまま大好きな ....
日差しがあって雲があって風がある
空の形は選ぶことができる
793 794 795 796 797 798 799 800 801 802 803 804 805 806 807 808 809 810 811 812 813 814 815 816 817 818 819 820 821 822 823 824 825 826 827 828 829 830 831 832 833
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
7.62sec.