手の平を透かして、皮膚の内側から太陽が射す
精霊が戯れる木陰にいて
同じ歌を幾度口ずさんでも
けっして消えることのない痕跡
その痣を口移しであなたの皮膚に刻んでは
剥がれ落ちようとする人間の ....
誰も知らない工場で換気扇が風と遊んでいる
忘れられたワセリンガラスが朝日に炙られている
埃にまみれた大気が分厚く層をなして
なぜ此処にいるのかわからないまま
永劫に{ルビ中二階 ....
恋心がヒラヒラと舞い降りてきたのだろう
その頃わたしは夢をみない文学少女だった
なんて可愛げのない十三歳
だったんだろう
素直に夢はみればいいじゃない
語ればいいじゃない
それ ....
すべての川は流れている
すべての故郷の川は流れている
耳を傾けるならその川の流れを
聴くことができるだろう
乾ききった風と砂しか入らない
窓からせせらぎが流れてくる
台所の床をひたして ....
あの犬の鳴き声が哀しみをいや増して
どの街まで逃げても逃げられないような
死にたいって感情が邪魔で吠えられない夜なら
白々と明ける朝をそのまま凍って待つつもりさ
空白の静けさが ....
写真を撮られると
いっしょに魂を吸いとられると
誰かに教えられたか
何かの本で読んだ事がある
わたしは
嫁入り道具の箪笥の引き出しの中に
一冊の
集合写真のアルバムをしまい忘れていた ....
『魍魎の匣』と言うアニメを観ていたら、
《登戸》という地名が出てきた。
いつものことではあるけれども、
俺の潜在意識の欲求にはついてられやしない。
何の役にも立たない、検索欲? !
今日は私の誕生日
でも主役はみなさんです
私は暗闇の中
明かりを灯して
ふぅーっと消される
ただそれだけでいいのです
今日も誰かの誕生日
主役はみなさん
照れ屋ですから
なだらかな稜線、その向こう夕焼けの空
紺とオレンジの雲があまりにもきれいで
昔のことを三分ほど考えた
帰り道では黒い車、また黒い車、青いトラックに続いて
前倣えのブレーキランプでトンネ ....
街路樹が
滴って、
お日さま
透かせば
虹色の
傘、さしたる
透明の、傘。
この国はもう百年も前からイカれていて
クリスマスパーティに
笑いながら
ダイナマイトで
突っ込むような
....
{引用=*筆者より――ちやうどこの時期、十二年書けずにゐた詩作が復活して三ヵ月が経ち、十二年分のマグマの噴出が落ち着いたこともあり、いま読み返すと力が抜けてゐる感があつてそれが良い方にも悪い方にも出て ....
なんだか改行していくたびに前に書いたことの一切を忘れてしまっているような気がする
思い出すたびにもう一度読むと
もう違うことを言いたくなっていて書き直す
それっぽいようなことを書いたってダメ ....
青い青い大空が
広がっているから安心して
僕は今日という日を歩んでいく
体のあちこちが故障して
傷だらけの魂を抱えても
此の世の光に包まれて
生きる歓びに貫かれ
今日という日を生きて ....
春の神はいそがしい
あるときは冬の姿になり
次の日には
夏の暑さを装う
雪どけの水に
色あせた枯葉たちを
はこばせ
恋人たちに 別れた秋を思いださ ....
( みんな、あ みいんなどもっていたならしわ、しあわせになれるかもって あははは、かも、生まれたき、と ときから社会の か、 カモ )
「ごめんなさいして
「ごめんなさいって言いなさい
....
(電話線を抜いて)
明かりを灯します
(テレビを消して)
戸を閉めましょう
(夜を静かに分かつのです)
誰も喋ってはなりません
(静かな夜を分かつのです)
....
雲を仰いで
勇壮な魚群を描くのは
あなたの心にそれがあるから
月を見つけて
三日月に微笑まれるのは
あなたの心にそれがあるから
風に揺れる稲穂が
駆けてくるあの子の影に見える ....
命の抜け殻の羽ばたく音が
息と手のひらのかがやきを見ている
朝が
径の上の夜を流す
頭の穴に降りそそぐ
夜の指の先端の星
まばゆく痛み
頬へあふれ こ ....
君を思い浮かべると、君の口笛も一緒に浮かぶ
楽しいとき、嬉しいとき、君は決まって口ずさむ
どこかで聴いたことがあるような、その場限りの人懐っこい旋律を吹く
息とメロディーだけのとっても素朴なその ....
山の中にかえっていく今日を
力強い何かに掴まりながら見ていた
薄っすらとあらわれはじめる
星の一つ一つに名前をつけて
大好きだったものに似た影を覚えていく
それぞれのたましいを均 ....
どう考えても
自称詩人は路上刃物振り回し犯の予備軍だ
俺だけが思ってんじゃねえぞ
試しに近所のまともな生活者に
「私、働かずに
日がな一日ネットで自称詩人やってます」って
自己紹介してみ
....
列車にゆられて行くひとびと
まるでアニマルのような
いや異星人のような人の群れ
横に座っているOLが居眠りを始めた
首をカックンカックと私の肩にもたれる
赤いヒールの女の白い足がのびる
喪 ....
「このような事件
どうすれば防ぐことが出来るのでしょう」
相も変わらずクソマスコミが
クソの役にも立たないことを吐き散らしている
こいつらはいつも
ともすれば加害者も被害者だ的な目線で
社 ....
じきに夏ですね
わたしの表現は
誰にも奪えませんが
暑さにかまけて
じきに夏ですねなんて言ってみる
新陳代謝で生まれ変わるわたし
青空のもとで血肉を燃やす
風の隣で鼻を利かせ ....
かん高いガダルの啼く声が
白群の山々に木霊して
間近に海を見下ろすメドの家の庭には
彩り鮮やかな草花が咲いていた
山腹にあるメドの家の赤い屋根には
ダ、ド、マ、の翅のある猫が巣をつくり
....
人の命は平等だ
人殺しの塵屑も
産まれたばかりの赤ん坊も
適当抜かす司会者も
赤く染まったあの子も
0.7mgだか21gだか知らないが
魂には重さがあって
そ ....
あの時の理解は宇宙に染み渡ってゆくのだ。
ほかのまぜものを食べてみようか
黎明の貧困のうち商売が成り立たないから
廃墟に廃棄される、ロボットの哀しみの夜を知れば
凍てつく空気を ....
必死過ぎて痛々しい
何とかしてクソ自称詩で身を立てたいのだろう
或いはクソ自称詩人であることに酔っているのか?
まさか四畳半でどてら着て
咳き込んでたりすんじゃないだろうな
今の時代、ギャグ ....
目覚ましが鳴らなかった
テーブルで左肘を打った
あわてて食べて頰の内側を噛んだ
胃が驚いてお皿に吐いた
呼び鈴、呼び鈴
タンスの角に足の小指をぶつけた
茶封筒の開け口で人差し指を切った
....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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