羽の折れた兎は
黄色い風のなかを
うす青いシャボン玉にのって
泳いでいるのです
沈黙するマグネットと
剛健な雪玉をおびやかしながら
渓谷の底には
凍り付いたケチャップの
静かな ....
陽と薔薇をあなたに
持って行こう
小雨が降る初夏
いなくなった君に、、
墓石の上にそっと置く
涙は流さない
そう決めたのに
頬をつたう涙は
雨と同化した
太陽 ....
呼吸をするたびに
口から蛍を放つ
俺
今年もまた
忙しくなってきた
子供のころ
蛍狩りに行って
飛んでいる奴らを
割りばしで
捕まえては食べていた
その
バチなのだろう
....
揺れる揺れる
目玉が零れ落ちる
心臓までずり落ちる
開いたこころの目だ
胸元に光る血走ったふたつの眼球が
剥き出しのまま光線を撒き散らす
首から上
空洞になった眼窩を
確かめることも出 ....
君は言う
言葉を
超えたモノに
言葉で接近しようと
スルのは馬鹿げたことだと
君はやっぱり言うのか
そう言う君の声、
それこそ僕が近付きたい
遥かな響き宿す
モノなのに。
....
水面にキス、をした波紋の先に血液が流れる事実が愛しい、見上げる、あげる、ね。あの星々から落ちた涙と身体に雨が滴り落ちる、夏の夕ぐれ。何もない綺麗もない汚いもない、陽射しに目を細めて少しだけ君が小さくな ....
春のあるある
暑い日ばかり続いたから
心機一転キャミソール一枚で出たら
寒の戻りが吹きすさんで風邪を引いた
そんなとき
薄着のうえに長袖一枚羽織ったら
体温の調整ができること
知りすぎた ....
どれだけ走ってみても
虹の先へ届くわけなかった廃ビルの街。
どんなにやさしい夕日がみえても
ひとつの行先もみつけられない。
虹が空から消えるまえに
懐かしい海と空の物語を ....
目が覚めて一番に 口にした言葉は
くちなし
薫り ゆたかな色彩の白
しずくを 湛えた光沢の葉
無垢を 口にするときの ふるえる くちびる
くちなし
きょういちにち なにを はなすことだ ....
斑模様、太陽の光の中を泳いで、やがて反射に隠れて見えなくなる、アスファルトからの熱と昨日の雨が化ける湿度で、俺たちは蒸されてまともな感覚を失くしている、夏には夏の、冬には冬の狂気がある、人は誰もそ ....
あぁ
世界は
なんという粒子の細かさ
無数の感情が
一生をかけて
行く宛てを探している
今日も私に届いた粒子を
醜いと思う私が憎い
悲しみだけの自嘲
恐怖を携えた挨拶
....
ブラームスはお好き?
それなら
ピアノコンチェルトがおすすめよ
それもNO.1のね
新しいステレオ録音なんて
ろくなものがないの
いくら音がよくても
....
インターネットの世界には神様はいない
インターネットの世界には何様ばかりで
ネットが無くなると困るのに貶めている
ナイフは便利なものだが人を殺せるのだ
クルマは便利なものだが人を殺せるのだ ....
からっぽです
それはそうと
からっぽなのです
いいえ、からっぽなのです
からっぽなんだってば
それ以上言うこともないでしよ
からっぽなんだから
寂しいよう
近所の魚屋にギターが売られていて
魚屋のじい様、年季の入った海軍御用達の
看板を磨いてぴかぴかにして笑っている
こいつはまた活きのいいギターじゃないか
そういうとじい様は息子が若い頃に弾い ....
おれは水溶性だから
泣いている人とか、
こういう灰色の
天気が嫌いだ、
カゲロウみたいに
目の前がふらふら歪んで、
傘の無い人もろとも
いきなり消えてしまうのは
怖いな、
....
最後の恋かもしれない
恋に恋して恋かも分からないまま
私は何枚ワンピースを縫ったのか。
私は知らなかった、
あんなに小さなお花に劣等感を微塵も感じず
ブレザー着こなす紳士ぶった紳士、
くま ....
ずっと引きこもっていた
誰とも接して来なかった
ケータイなんかいらなかった
だから写真は
引きこもる前の
中学時代のものしかない
連日大々的に
テレビに映し出されるんだったら
年相 ....
風のない日も向い風
おでこもあらわペダルをこいで
きみは往くきょうも
仮の目的地へ
本当に往きたい場所には
まだ名前はない
愛せない地図ばかり
もう何枚も手元にあるが
こんなに長い一瞬 ....
今日こそは一軒めで帰りますよ
と
言ったはずが
最初はビールだけと言っておい
て
プリン体が気になるから
と
焼酎を頼んだ辺りで
赤い顔をして
乗ってきた
と
本部長が言うから
....
ぼくときみの邂逅が46億年の証明ならそれでよいのだろう
だけど君の背中に羽がついていないのはぼくのせいではない
そういった羽を供給する会社の社員ではないのだから
ぼくは優しい気持を維持できな ....
冷たい夜が辛かったので、夜のしじまに問いかけてみる。僕は、僕を僕と呼ぶようになって、いつのまにか時が過ぎ、存在の危うさすら曖昧に、ぼやけた薄闇に抱き、ぼうっと腰を落ち着けている。ネグリジェの下に隠した ....
づきづきと心が痛んでいました
正体はぺらぺらの心なのに
その時僕は十四歳
正男君も同い年でした
僕が正男君に近づいて仲良くなろうとした本当の理由は
三歳年上のお姉さんがいたからです
....
この星じゅうのいのちとつながれるよ。まぶたを均一にぬいあわせて、あわい吐息ももらさないで、四肢を暗がりにひたしてゆけば、赤色の人びとは黄色く黒くWARNINGをたれながしはじめるから、ソケットにねじこ ....
この詩を書き終わったら、やりたいことがある。夢はでっかく、富士山ダ!
富士山のあたまに、スカイツリーをブッ刺して、その上にさらに東京タワーをブッ刺して、そのてっぺんで、自撮り棒使って写真を撮る。そし ....
シャフトの部分が少し古びて
錆の匂いが鼻をつくとき
お気に入りだったと気付いてしまった
こんな気持ちになりたくないのに
水無月の空が私をしとしと待っている
日々がどよめいている
宇宙が波打っている
『遠い遠い』と手を振る君
)何かが湧き起こり
)何かが沸騰して
)すべてが終わり
)すべてが始まろうとしている
)名状しがたい何物かが流動し ....
今月末旅行へ出かける
誘われたわけでもないのに
遠くに行くなんて
久しぶりだ
一昔前にそんな話を聞いた
あんたはそんな言葉だけで
でかけてったきり帰らない
俺もでかけていくのは好 ....
種が芽生えるためには
尽くされなければならない
みずうみがある
種が根付くためには
終わらなければならない
幾何学がある
種が芽生えて根付いた先には
新しい双葉が包皮を脱ぎ捨てて
....
「ねえ、夜這いって、知ってる?」
と、{ルビ麻子=あさこ}ちゃんにきかれた。
わたしは、その言葉を知らなかった。
「ヨバイ?」
麻子ちゃんは、けさ読んだ小説に出て ....
784 785 786 787 788 789 790 791 792 793 794 795 796 797 798 799 800 801 802 803 804 805 806 807 808 809 810 811 812 813 814 815 816 817 818 819 820 821 822 823 824
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
3.22sec.