旅に予想外はつきもので
おどろかないってのは無理な話でも
おどろかないフリを
演じる役者でいたい
遠い旅先の雲の中を
突き進む
空の機内で思う
――友よ、願わくば
日々の旅 ....
煙がすべて空に消えたら
ぼくの骨を拾いに来てくれ
肉はすべて
烏どもにくれてやった
ぼろぼろの骨のなかから
丈夫なものをひとつだけ拾ってくれ
それからそれを
あの女の部屋に投 ....
愛するということは
海にもぐるということ
一分もしないうちに
ぼくは息が続かなくなる
水面に引き返すか
でなければ溺れてしまう
でも君は
生まれたままの姿に
鰓と鱗をまとっている君 ....
ねえ、さよならをしよう
後ろ向きに流れるメロディ
誰かが世界のしあわせを歌うよ
アスファルトを強く蹴る
自分ってなにか
求めすぎて自販機で炭酸飲料のボタンを押す
すべてが泡となって足元 ....
詩的連続ドラマ 第8話
雑貨屋さんの中にある
貝細工喫茶で紅茶セット
カモミールのハーブが緊張を溶かしていく
今度は一人でも寄ろうかなと
そう思いながら
智子はケーキを頬張 ....
上司にパワハラを受け被害者然としていた人が
自分の部下にパワハラをしている
加害者の時は自覚できない
悪いのは常に他者だから
人を傷つけたってわからない
原因は常に相手にあるから
....
何としてでも
物書きとして
名を成したい
そうでなければ
厄介者として
生まれ
死んでいくだけ
何の能力もない
能力の欠片もない
一生かかっても
高卒初任給すら稼げない
....
隕石が落ちてこなくったって人は死ぬので
時刻表をスマホで検索している
電車が人を流産するように
悲しみを嘔吐したので
血管は破裂してしまいそうです
あのビルの窓に映る世界が天国よ、
そ ....
赤い糸で仮縫いされた想いは
たぶんジグザグになって
ゆっくりと遠回りして
あなたに向かっていく
蛍が宇宙の渚で
ゆらゆら揺れながら
天をめざして昇っている
星に生まれ変わりたいと ....
すこし朽ちかけたクチナシの白い花 濃い緑の葉のなかに
銀色の籠を
蜘蛛が編んでいて
そのつましいようにみえて
ほそうい ほそうい レース糸でできた瀟洒な籠のなかに
澄んだ雨粒が ころんコロン ....
パチプロを自認するヤスくんはこのごろずっとパチスロに文字通りハマってるという
ちゃぶ台をひっくり返して戻ってきたキラキラの振り出しでヤスくんは煙草をふかして貧乏揺すりして早速フリーズしてる
....
泣いてない
青鬼のリタ
に憧れて
愛して馬鹿みて
なにが悪いか
リタって利他。
本当に存在するか知らない。
じぶんは、わるもので
他人を助ける
青鬼 ....
あなたと一緒なら
どんな場所も空間も
穏やかな雰囲気に染まる
電話も取らずに過ごしたい
窓から見える水平線が心に残る
好きなドラマ
感動しながら一緒に見たり
台詞を言い合って楽し ....
落ち着かないんだ
四六時中空気のある所にいないと
落ち着かないんだ
公衆トイレで用をたしていても
ついつい詩が思い浮かんで
落ち着かないんだ
彼女とメイクラブしてたのに
急に詩か ....
政治か?権力か?すべては権勢側からみた言葉の綾だよ、きみ。反社会的な行為にも理由があって、これが善かろうが悪かろうがただの脅しならば、そりゃただの暴力という訳だわな。あはは。笑。ということで、椅子 ....
ひさしぶりに友人たちにあった
みなくちぐちに大きくなったね
太ったねといやなことを言う
怪訝な顔されて
なんでそんなことを言われなければならないのだろう
友だちなんだとばかり思っていたけれど ....
「詩的連載ドラマ バス停」
今日は日曜日
雲一つない青空
伊藤君とわだかまりなく
話せることができて
とても嬉しくて
心は今日の空のようだった
窓をぜんぶ開けて
部屋の ....
草の海に船を隠す
草の先が垂れ下がっているのは
妖精がぶら下がったから
草が折れているのは
妖精が船を編もうとしたから
誰のために船を編むのだろう
私に羽根が無いからだろう ....
やっと
太陽をつかまえた
つかまえた腕のなかで
少しだけふるえていた
唇をかさねると
少しだけ悲しそうな顔をして
それから
眠るように目をつむった
抱きしめた腕のなかに
太陽のに ....
自ら極道を名乗るからして
反社会的行動も辞さないという
ノリなのだろうか
いやいや、どうせ
極道とは名ばかりで
せいぜい
夜中に近所の車のタイヤに
穴開けまくっている
姑息な神経症患者 ....
19も年下のあの人に
恋をしました
バカな女にはなりたくない
私だけはならないって
そう、思っていたのに
普通では、いられないのです
見ているだけで、緊張して
いつもの私ではなく ....
兵隊蟻の隊列
ポテトチップスの欠片
吹く風、生暖かく
蹴散らせ!踏み潰せ!
整然とした生の営み
獰猛な死への傾き
僕は天を仰ぐ
二本の巨人の足となり
....
雨はいつだって空から降ってくる
何ら
信仰も哲学も携えていない私が
その日
見上げた空には雨雲が立ち込めていた
雲の成分はほとんどが水
無数の水滴が地球の引力よって
落ちてくるか ....
毎日ぼくは
きづかずに
多くの幸せに
囲まれていた
幸せは
どこにでも
かくれている
君が淹れてくれた
コーヒーの香りのなかにある
幸せ
いつも横取りし ....
濡れたベニヤの板を、そいつはダン!ダン!ダン!ダン!叩いている
がっちし握力が込められた握り拳には
見るからに怒りが込められていて、
執拗に、同じ場所をダン!ダン!ダン!ダン!
おれは、怖くて ....
草原で踊りもせずに、海岸で泳ぎもせずに読書に耽る人を馬鹿にしていた、そんな夏に
好きになった少年が
寂れた展望台で静かにひらいたタイトルをひそかに探して
わたしはあまり踊らなくなって、あまり ....
「詩的連載ドラマ バス停」
大きなフロントガラスの向こう
月が照らす海が見える
絹の揺りかごのように
波が穏やかに白かった
久しぶりだね
この街にいるんだね
驚いた様子も ....
あなたをずっと見ていられるように
あなたと笑顔で話せるように
言の葉を、七夕の夜の屋台に流す
あらわれては薄くなり、消えていく
色とりどりの、下着たち
上になり、下になり
絡まってはほ ....
おはよう あなたも頑張るわね
ミツバチに声をかける
遠くの山に朝もやが残るなかで
カモミールを摘む
今年最初のハーブ摘み
庭いちめんに咲く白い花
金色のリンゴを陽に捧げ
....
相合の傘
二人は肩を並べて歩いていた
その時
勢い後ろから車が走り過ぎた
何の配慮もなく
水しぶきをあげて通り過ぎたから
外側を歩いていた人は水を被ってしまった
お互いが好きあい
....
769 770 771 772 773 774 775 776 777 778 779 780 781 782 783 784 785 786 787 788 789 790 791 792 793 794 795 796 797 798 799 800 801 802 803 804 805 806 807 808 809
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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