3月9日
朝日がいつもより眩しい。澄み切った青空だ。
空を見たら、寂しさと緊張が湧いてきた。
朝の支度も、いつもより丁寧に。
最後の通学路 見慣れているはずなのに、全てが新鮮で、
一歩一 ....
白い花びらの
中心にほんのり赤く
生れたばかりの
初恋のように
心臓が熱くなるような
不安が遠くに見えるような
雨の日は夢を見て
長い夜は星空に好きと誓い
夜明けに告白 ....
生と死の円環をめぐる
絶海の小舟を漕ぐ
過去の亡霊を振り切るために
あえて嵐の遠鳴りのほうへ
生は
死を乗り越えること
波は静かにそう語る
吹き硝子、
転けて
林檎、と
呼びます
たなびく夏の草影に
精神の潮流にのって
肉体の小舟で漕ぎ出してゆく
陸が見えなくなると
ぼくは裸になって
小舟から身を投げ出す
青い波の荒野の上に
ぼくの小舟と服と
樫の木のオールが残される
....
1 夏雨
梅雨の長雨にうたれていますのも
窓辺で黙って日々を記すものも
ガラス瓶の中で酒に浸かる青い果実も
皆んな夏でございます
あの雨のなか傘を忘れてかけてゆく
子ども、あ ....
明日に噛み付こうと
今日を生きてみる
幾何学な思いが
足を踏み外したように
離ればなれになる
交わることを忘れて
反比例の心は
雀とカラスのように
水たまりの人魚と
雲の ....
月夜の晩に種を蒔く
今日聞いた言葉を思い出して
悲しくて
淋しくて
逃げ出したくてと
妖精が種を蒔く
香りをつけて
色をつけて
役にたつように
あした摘むひとが
....
私は機械の音が苦手で
沈黙の底に響き渡るあの僅かな電子音が特にだめだが
今年はエアコンを取り付けられてしまった
不定期に鳴るブーンと言う音、室外機からの続くブルブル音についでに振動
あまり ....
どこからどこまでが世界なのか
どこからどこまでが僕の意識なのか
どこからどこまでが君と僕 お互いが存在する認識なのか
これを奇跡と言うかもしれない
君になにも届かなくとも
君 ....
あなたと仲良くなりたいな。
腕にぶら下がってみてもいい?
サンタにもらったゴリラになって。
バナナあげるから。
無言のまま
田舎へ
無言のまま
夜の新幹線
無言のまま
神は
地へと失神する
もう
言葉はないのです
日々の中にも
秋津島の昔語りにも
それなのに
....
言葉が空を切るばかりだ
のどやかな空の下
芝生がさらさらと
白銀の歌 うたう
静かな公園で
確かに僕は
あなたの名を
呼んだのだが
言葉はなかった
あれは ....
そよかぜが
うつくしい少女に
恋をした
その長い黒髪に
ふれたとき
あらいたての
シャンプーの残り香のような
フローラルな香りが
ただよい
....
私に麻酔が必要だとしたら
私は私を私と呼ばなくなるだろう。
そう思っていれば何が起ころうと私でいられる。
何かが起きると何かも起きる
魚が焼ければ良い薫りがしてくる。
そうす ....
都市伝説じゃなかった。
文字通り、地方か田舎の伝説。だから、信じるもよし信じてくれなくてもいい。
俺の父親はちゃぶ台のひっくり返しが好きだったみたいだ。頑固一徹で癇癪持ちで我が儘で無類の酒好き ....
燻んだ空が
呼びかけてくるようで
俯いたまま走り出した
このままどこへ行くんだろうか
自分に問いかけながら
スピードスケート選手のように
腕を左右に振りながら
走り続けていた
....
雨でひんやりした湿気の壁から声がした
私の錯覚が返事をした
夏を越えてぼんやり名月の香りがした
季節は空色に染まり風に運ばれてくる
差し支えのない刹那を1つ盗んで流れてゆく
ただ感覚1つ ....
過去はまやかしで現在は一瞬、未来は与太話で人生は蝶が見る夢、塵芥掻き回しながら汗みどろの俺はなにもかも知りながら徒労を繰り返す、滑稽だって?では教えろ、懸命さとはどのみち、そうしたことでしか先へ進 ....
極善人が死んだらしい。
きっと極悪人だと言っている奴は、
嗤っている・・・
執行人のように。
すべてが他人色の世界で
私が、あなた一人を思うとき、
そこは、世界で一つの小部屋になる。
あなたは、私のことなんて何一つ思い出さないかも。
だけど私の胸のポケットには、
あなた専用の小部屋が ....
君は照れ屋で僕は無口で
青空の下で鳥の歌をつかまえて
草の香りを聞いていた
二人言葉はなくても
一つの時間の中にいた
若く美しい葉の隙間に見える
空を丸く切取ったような月を
....
苦しいね
息ができないくらい
海の底にいるようだ
あの空を越えて
新鮮な空気が欲しい
鳥が魚のよう
朝日が底から昇り
天井に消えていく
眩しくて見えない
あんなに揺ら ....
小雨は
薄日を乗せて
銀の色
美しく
濡れて照り映えるのは
君のふくらはぎ
白く優しく季節に溶け
小雨は
薄日を乗せて
銀の色
夏の予感を
貪婪に膨らませ
....
雨が降ります
草木濡らし
風が吹きます
草木揺らし
)私はひねもすベッドのなか
)のっぺらぼうの死の幻覚に
)さ迷い目覚めてまたさ迷い
雨が降ります
草木濡らし
風が吹 ....
夕焼けの公園で
見えるものすべてが
影絵になって
私は千切れそうな人形
鳥が巣から見下ろし
虫達が葉の下で見上げる
風が髪をかき上げて
踊れと言うけれど
はぐれた妖精のように
....
茅葺家ぬ 無ぇんなてぃん
胆ん中今とぅ 在ゆるしまぬ
赤ん坊ぬ ぐとぅぬやる
胆ん中今とぅ 残てぃるむん
手捧ぁさや うーとーとーんでぃ
手捧ぁさや ぐすーよーんでい
忘 ....
まじょが
カレーの皿を割っている。
いつか出逢えるあなたを
この屋上で待ちながら
もう出ない声を絞り切り
歌う歌がある。
もし空を飛べたなら〜
あなたに会いに行きますよ〜
....
さようなら
静かに落下してゆく
少し前までのわたし
頑張りましたの
はんこを押されもせず
1日が終わってしまう
ねむたいと
感じることを忘れてから
そんな儀式を繰り返して ....
真夏になる前に
逃げてきた場所で
やらなきゃだめだ
首に手をかける
君と二人
汗ばかり
動いてる
匂いがする
君のやつと
僕のやつ
混じってしまったところと
別々のと ....
765 766 767 768 769 770 771 772 773 774 775 776 777 778 779 780 781 782 783 784 785 786 787 788 789 790 791 792 793 794 795 796 797 798 799 800 801 802 803 804 805
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