砂の時計をひっくり返し、3分待ったらふたたび汗にまみれてきっと目覚めるだろう。階下で眠る私の家族を起こさぬようにそうっとタオルをとってふたたび夢にそなえる。祈りを言葉にかえてとなえる。
....
黄昏は雪の精が溶ける
爪を立てて
死んでゆく
そして水になり川になり
海になり
そして
星になる
そして
朝になる
太陽の微笑みを
遮る雲の波は
小さな白い花ビラ ....
その夜見た夢の中では
終始一睡もできなかった。
真っ青な大空の下で
気が遠くなっていた
真っ青な大空の下で
空中ブランコのイスにすわっていた
ブランコが大きく揺れるから
私の ....
なんだかめんどうくさいので休みを取った
用もないのに休みの休み
それで・・・
映画を見た「天気の子」
こないだ予告編を見たら絵がきれいだったから
前作はつまらなかったのに
それで見 ....
天国を目指して歩くふたり
今夜は満月だな
森全体が巨大な影絵だよ
ほら見てごらん
ミントの影だって
虎のようじゃないか
そう言って
小さなミントをからかった
ねえお兄ち ....
色とりどりの帽子で
睡蓮の葉を跳ねていく
波紋がぶつかり合って
カエルの背中にも響く
空木の真っ赤な花びらが
風に拾われて踊ってる
紫の帽子が黄色い帽子を誘う
ピンクの帽子は ....
朝のような
首すじだから
遠くから見つめている
階段をのぼっているだけなのに
人生だ なんて言っていいのか
自由と自由の間に
履物をそろえる
わたしを取り去った世界とは
ど ....
宇宙の公園にいるみたい
あなたのまわりに
星だけが浮いている
すいこまれてしまいそう
あなたは優しくささやいた
ずいぶん待たせたね と
その言葉だけで
私はふるえがとまらない
....
眠れぬ夜はニベアの満月踊る
寂しさ忘れたら独り言で安らげなくなる
だって
ここは
打ち水
塗れの 蜘蛛の巣から近い墓場
だらだらTシャツを干したら
「千と千尋の神隠し」
が 神隠し ....
肌に髪に瞳に
映し纏ったあらゆる色を
脱ぎ捨てて
君は
真夜中の姿見に還る
それは潮の香り
それは海の遠鳴り
遥かわだつみに生まれた
嵐の激情に
抱かれる瞬間を待つ
無 ....
砂で顔を洗うような
痛みに慣れて来る頃
後悔が染みる
胸の奥でさえ
騒がしい夏の
夜空へ向かう
明日を忘れさせる
魔法の時に
終わりが来るから
背伸びをしたい
肌にくっ ....
夕方のにおい
泡と爪
捨て置かれた
水たまりの径
光を隠す蜘蛛の巣から
小さな蛾が何羽も生まれ
造りかけの橋が墓になるまでの時間を
ゆうるりとゆうるりと埋めて ....
喫煙者は自死を選ばない
喫煙者は自死を選ばない
喫煙者は自死を選ばない
シトラスの葉から
落ちないように
無重力の赤ちゃんが歩く
柑橘類の血を吸って成長する
妖精が蜜をたくわえた花を
森に咲かせて待っている
蝶は知っているだろうか
妖精は教えるの ....
やたら同情されて
善の象徴みたいに言われ始めたら
ちょっと引いて見た方が良い
というのが私の考えなのね
調子にのってると
どんでん返しがあったりするから
相対主義者のくせに
絶対 ....
ところで名前は何ていうの
僕はミントって言うんだ
ハッカ畑で生まれたんだって
ミントは
きっと前世は美しい
お姫様だったと思うよ
お姫様?
そうさ神話のメンテだったの ....
静けさが鼓膜に当たる
しとん。と打ちつけるひとりの音
風に耳をつけるたびに聴く
傍らに佇むような誰かの鼓動
暗やみを角膜が吸い込む
ひたん。と拡がるひとりの気配
窓辺に佇むと街灯が眩し ....
長いあいだ 恋もせずに
眠っていた
営みがいとなまれ
物語は癒着しきって
開かれず 湿った頁を
ほそい指が捲るとき
できるなら まだ
起きたくはなかった
長いあいだ 恋 ....
反省が将来の行動に関して
なんの有効性もない場合がある
なんとなれば将来同じ暴虐を繰り返すための
口実になっている場合がある
私なんてほんとに嫌な奴だったし
と言った時、 ....
肩で風きって社長より給料もらって
ヤクザの親分みたいに
気前いいことして気持ちよくなって
調子こいてやばいことしといて
偉そうにウソついてバレそうになって
ビビったからっ ....
結婚して
娘が二人生まれた
上の娘は幼稚園にはいり
幼稚園を卒業した
小学校に入り
小学校を卒業した
中学校に入り
一年の終わり頃から
学校へ行かなくなった
正確には
....
なにをそんなに
我慢してんだ
見りゃわかるよ
何がしたいのかすぐわかった
わかったから
そんなことぐらいしか言えないんだ
きみはいたそーだ
痛いし苦しいし
もう嫌になっちまって ....
心の罪は
どうしようもなくて
冷たい風が吹いている
そのとき失った人の名前は
この街の駅のプラットホームに
うずめておいたよ
なんといったか
どうしようもなく
....
狂い咲く
真冬の向日葵
君を白く穢した
情欲の迸り
伽なき夜の
けものけだもの
生きたまま月を食う
とお吠えひとつ
またひとつ
赤ちゃんは
ありったけの
激しさで泣いて
海から生まれる
きっとありったけの
感謝の言葉を忘れないうちに
はき出している
ずっと海の底で思っていたことを
暖かな海に抱かれて ....
棘の内に
秘めた一輪の薔薇
二人の指で
ひとつ、またひとつ
深紅の花弁を
真鍮の秤の上に
積もりゆく深紅の花弁
僅かな偏り
時間を忘れて
無心に花弁をのせあう指
永遠に ....
すべての元凶は
反社会的勢力にある的な
発言をしておいたら
取り敢えず格好つくみたいに
思っている奴等に
「反社会的勢力が本気出したら
お前ら怖くて夜道歩けねえぞ」と言いたい
反社会的勢 ....
今日のお昼何食べる?
星!霞!猫!小判!
マリーゴールド!
そっか
もうこの財布は形見なんだな
あっそうだちょっと待って
これを・・
このネックレスを・・
こうして・・つければ・・
ほらこれでいいだろ
財布にネックレスを付けて ....
財布を拾った
ボロボロの財布
いや綺麗だった財布なのだ
噛まれて引き摺られ
よだれでベタベタになり
砂やゴミがくっついて
くわえた猫と目が合った時
落として逃げて行った
....
761 762 763 764 765 766 767 768 769 770 771 772 773 774 775 776 777 778 779 780 781 782 783 784 785 786 787 788 789 790 791 792 793 794 795 796 797 798 799 800 801
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