その雨は
もう降らないとあきらめる
もう降り止んだかとあきらめる
魚屋の前ではきっと
夕焼けが足り
ないなんて俯くだろう
そして今
空から降りるチンダルの光のはしご
指を零 ....
苦しみの吐息に
吐息を返しては
沈黙を掌に掬い
いたわっている
理解は出来ず感じることしか出来ない
砂粒ほどの些細な重みが
僕に付着して堆積していく
払いのけることもなく
ある ....
山の斜面の墓地を巡り抜けて
今朝 風は女を装う
澄んだ襦袢が電線に棚引いて
蝶たちは編むように縫うように
ぎこちなく鉈を振るう
季節の塑像が息を吹き返す前に
キジバトの影が落ちた
泣 ....
「もう、なんでだろう
歴史は繰り返すって言うけど
生きているのが嫌になりますよね
死にたいくらいです」
「そんなこと言わないでください
その、歴史が繰り返すとい理由を
知りたいと ....
置き去りにされた筆は
黴びて、いいにおいを放ち
窓の隙間から吹き込んでくる青空は
甘く舌に転がりこんでくる
永遠を誓うように
誓われた永遠はキャンパスの上で
苦しみにのたうち回り
....
今日もまた
救急車は人を轢いて走っていく
(世界の平衡は保たれた)
人々はそうつぶやいて
その光景に安心する
サイレンは平和の象徴
彼らはそう信じて疑わない
私は現実にた ....
誰かにとっての遊びの為に
男はただひたすらに
車を西へ走らせた
誰かにとっての狩猟の為に
女はただひたすらに
カバンに荷物を詰め込んだ
路地裏の病院にて
聞き覚えのあるクラシック ....
つまらない くだらない話で
てんとうむし降り立つ
君に言われたくはないね
何の変哲もない自宅の庭で
真っ赤な炎落とした
せめて最後に
あんなことや
こんな形で 理由をこじつけて
せなか ....
あの人は嫌い
あの人は好き
あの人はどっちでもない
そしてその他には
興味も関心もわかない
おおぜいの人
その他おおぜいの人
あの人は私に好意抱いてくれそうだ
顔を会わせる度に ....
いつの間にか
やわらかい風の速度が
しゅんびん、
という空耳を残して
細いぼくの体をすり抜け
ドップラー効果みたいに
ずっと後ろの方で
デリケートな生き物に進化する
それはきっと海か ....
飼い主だった智子が
湖面をすべるように現れ
ミントを抱き上げる
懐かしいぬくもり・・・
やっぱり
おねえちゃんだ
ありがとうミント
よくここまで
これで・・・私
ほん ....
歌いつかれたうぐいすが
フランネルを纏って眠ってる
誰も寝顔を知らない
若葉だけがざわめいて
言の葉を降らせた
フランネル草に舞う
清らかな音がする言葉
ひとりでも飛 ....
水飛沫がきらきらしてるじゃぶじゃぶ池の赤レンガの底の苔とかなんかわからんもののぬるっとした感触を思い出せるか足の裏田子ノ浦にうちいでてみればいいものをうちは出ません溶けちゃうからね富士の高嶺の冠雪みた ....
( 無數の ) ピンホールの光 銀色
賭け
鳩は騎士道か
骨の樹々 行爲
野に裁判
二重處女
螺鈿 池は深い穴
焦る猫 モナカ叶い ....
放課後あなたは先に帰るけど
あなたはゆっくりと自転車を押して歩く
私を待っていてくれる
内緒で付き合って
目があっても言葉はなく
この帰り道が
今はとても大切で
春か ....
この世界に蔓延する聖霊は
父なる神がつかわした
ものごとと
ものごととの間にある
縁みたいなものなのだそう
父が死に母が死に
死んでなお暗き壁
希望なんて ....
その冷気に驚いて、振り返ると
君はその夜も凍っていた
孤独は冷たく瞳のはしから
ひとすじツーって流れ落ちたね
うすい赤色の唇が、吐息を漏らすのは
しあわせという嘘を舐めつくした ....
寂れた町の
寂れた市街地には
寂れた商店が軒を並べていた
その一角
寂れた食堂には
すっかり歳をとってしまった看板娘と
厨房に立ってるその亭主が
うまくもないまずくもない
料理を売 ....
あれがああだとしても風車はああだ
ああしているあれ。
あんなあれはああしだす。
そうか…
私は風車にはああしない。
『香水』『涙』『休み』『美』『ドア』
『ひどく』『誓 ....
女の中には無尽蔵の怒りがある
そして無尽蔵の慈しみがある
幾代にわたって夜を継承しながら
女は毎夜眠りと同じ形で眠る
女を彩る数限りない世界
その世界の振幅を
女は怒りと慈しみでもって ....
晴ればかりではない
雨も時々は降る
雨は歌のように聞こえる
そう思いたいだけかも
独りきりの静かな心
しっとり気分で過ごす夜
何も足りないものはない
雨は歌のように聞こえる
....
夜がくるとおびえて
シャツのすそにかくれてしまう
ぼくのきみ
100年も逃げまどって
かえってきたかとおもえば
もう出たそうにしている
鍵はかけてないんだよ
と言うと
錠を買っ ....
池から溢れた光は森の四方へ
金色の空気が流れ
森に満ちていく
ミントは腕をすり抜けて
跳び下りた
そして
森に流れ込んだ光を見つめた
天国だよ
ここが天国だよ、トワ ....
遣唐使の手に握られ
海を越えて来た牽牛花の種
朝露を呑んで目を覚まし
陽の傾きを枕にして眠る
夏の調べを聞き漏らさず
唄うように風に揺れ
恋するように弦は昇る
井戸水 ....
夕暮れの太陽はとてもきれいで
暖められたアスファルトと
冷えた紅茶と
とぼけた瞳と
香ばしい花と
たくさんの飾り物が
服装とか帽子とか
そんなものから空気を吐き出す
ボクは自立して ....
緑色の足音
朝の匂い
バジルを摘んで
魂が冷めないうちに
ソースにしましょうか
お気に入りの瓶
小さな外国船に
妖精の船長
詩を何遍書こうとも
ただ一度の
セックスにはかなわない
彼女の陰唇が
俺の陰茎に絡みつき
脳味噌に
稲妻が走 ....
社会性をぶっ壊したあとに残るのが野生性なんですか
野生性をぶっ壊したあとに残るのが社会性なんですか
理性をぶっ壊したあとに残るのが本能ですか
本能をぶっ壊したあとに残るのが理性ですか
こい ....
{引用=カチューシャ/かわい/や/わかれ/の/つら/さ}
A
カチューシャ/はエカテリーナの愛称。
かわい/い女の子と出会った。彼女の名はエカテリーナ。カチューシャと呼んでくださいといった。 ....
砂の時計をひっくり返し、3分待ったらふたたび汗にまみれてきっと目覚めるだろう。階下で眠る私の家族を起こさぬようにそうっとタオルをとってふたたび夢にそなえる。祈りを言葉にかえてとなえる。
....
760 761 762 763 764 765 766 767 768 769 770 771 772 773 774 775 776 777 778 779 780 781 782 783 784 785 786 787 788 789 790 791 792 793 794 795 796 797 798 799 800
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