苦労は買ってでもしろと言われても
貧乏だから苦労を買う金がないのさ
それなのに買った覚えの無い
苦労をしてるのは貧乏人だからか
金のない苦労は無価値で
わざわざ金を払ってまでする
苦労には ....
まるく ゆっくり 揺れる髪が 印象的で
君はいつも どこを見ていたの
一番のお気に入りの動物は ロバなのだと
お気に入りの理由は 海馬の溝へ
君は今 どこをゆったり 歩いている ....
どんなタイトルでも詩はかけるさ、
とあの子は俯いて
じゃあエヌエチケーで、とぼくが砂を指でなぞったとき
遠くけむった空のスカートの裾のほう
さみしい集金人の穴の開いたポケットから
ふとこ ....
色黒というだけで
大統領になった男が
色黒以外の爪跡を残すために
被爆者のジジイにハグしたけれど
後で除菌ティッシュで身体中拭きまくった
これは私の創作だが
自分でもプッと吹き出してし ....
シトラスの葉から
落ちないように
無重力の赤ちゃんが歩く
柑橘類の血を吸って成長する
妖精が蜜をたくわえた花を
森に咲かせて待っている
蝶は知っているだろうか
妖精は教えるの ....
暑い夏の通夜にゆるんだネックタイ
どの家の戸も開け放たれ
箪笥の匂いが軒先からあふれてくる
ガラスの風鈴が涼やかに鳴り
カラスの群れが電線で毛づくろいし
包丁座が夜空に輝き
エンバ ....
仲直りは明後日しよう。
明日じゃなくて、明後日しよう。
誰にも見られたくない
知られたくない
日記のありかを
日記の海に私は住む
羽根が欲しくて泳いでる
海の底でゆらゆら
もう少し軽く自由に
いつかなれたなら
ハマナスを見に行く ....
湿った苔の小径
ウサギの足音を吸込み
風の調べに舞う落ち葉
虹の噴水のように
夏菫が寄せ植えされる
見下ろす二羽の小鳥は
ブーケに憧れ
妖精にお願いをする
妖精の森の結婚式 ....
仕事を終わらせて帰宅しても
疲れていない体が欲しい
ビタミン剤や黒酢ニンニク
そんな手だてはもうイヤだ
恋の炎 燃やしてみる?
古い日記に潜んでた私の恋は
熱かったね
ここ ....
風に乗り
真夏の匂いが立ち込める黄昏時
草葉に注ぐ夕日と影
蜩の声は{ルビ空=くう}を舞い琴線に伝う
目に映るもの
聞こえる声
とり巻く全てのものに心惑う夕暮れは
束の間 平和だった幼い ....
強靭な魔力がやどっているのです。
響きよ、お前は美しきものなり。
指ではじかれた魔法。
ダイヤモンドの輝きが、にぶくなるほどの息。
妖艶なたたきこみがくりかえされる。
疎外された孤高の存在。 ....
何度も言うが
表現の自由なんぞは
テロルの想像がなければ
傲慢で際限のない
エゴ丸出しバカの戯言だ
「あまりクソみたいなことを
言っていると近いうちに
酷い目に合いますよ」
三つ揃 ....
夜はクジラのお腹の中だ。
静かな夜ほど、多分そうなのだ。
天気の子のテーマが、
多分、世界と個人を天秤にかける話だとすると、
致命的なのは、
主人公の男の子に、なんの葛藤もないことである。
テーマが突き詰められていないので、
なんの必要もない拳銃と ....
英雄とは母から強く愛された者のことだ ─ ゲーテ
虎の匂いしかない
泳げないきょだいなきょうだいがきょうだいな海に飛び込んだ夏
裸足で夏草の深い抜け道を抜け
踏み板が腐って外れ ....
光が渦巻いていた
熱風が絶えず吹いていた
人々は絶えず歩き過ぎ
俺は串カツ屋の前で
アイスコーヒーを飲んでいた
とても苦い味がした
身体が熱く飢えていた
生きることに飢えていた
す ....
昨夜庭で泣いていたら
妖精が昔話をしてくれた
地中海に棲んでたころの
私も一人海を見ていた
とても眩しい青い海を
花の色は海の色
ケープを纏った魔女が
葉を摘んで行った
....
誰も住んでいない洋館
夏になると妖精が来て
窓を開け一晩だけ過ごす
黄昏の光を吸って
庭からベランダまで
提灯が吊るされ
宴が用意される
世界中の色と香り
一つの言葉と ....
海底のような
月夜の庭に腰を下ろし
夜光虫のような星を見る
緑色に輝く珊瑚礁に
泡のような花が咲く
人魚のような妖精が
珊瑚に座って僕を見る
海の匂いのハーブが
もっと深くと誘 ....
小さな小雨が
おどけた街を照らす
水遊びが楽しげな少女は
明日 何処へ行く
点線をなぞって
普段は飽き飽きの
恋のものがたりを
本当は求めていて
しなびた漬物のように
老いていくのだ ....
燃ゆる炎を宿したこの翼を
閉じる術を知る由もなく
それでも過ぎてゆく{ルビ時間=とき}の中で
愛しさや甘美なそれを知りたいと
束の間過ぎったその想いこそが
そもそもの過ちの始まりであった
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喫煙者でもないのにライターを、それも中々に高額なオイルライターを所持しているのにはそれなりの訳がある、なんのためかって?それは話を聞いているうちに判ってくる―なんて、べつにもったいぶるようなことで ....
朝メシは西瓜
昼メシも西瓜
晩メシも西瓜
西瓜スイカすいか
おれの家は西瓜
おれはひたすら食い続けた
赤い果肉を無心に頬張りながら
朝も昼も夜も
休むことなく眠ることなく
齧り咀 ....
一円玉の数だけキスしようよ。
豚の貯金箱、叩き割っちゃおうよ。
一日、また一日と
忘却した記憶に登場する
キャラクタアが
私たちの行列に
続々
と
立ちならぶ。
あの小さな戦争たち の
ことを 蒸し返すのだ。
あの小さな戦争の
銃撃戦(言 ....
被害者になる想定は多くの人がしているのに
加害者になる可能性を考える人は多くない
ハンドルを握って轢かれる側の想定で走ってるのか?
誰でもよかった
キーボードのくぼみで死んでた羽虫と同じ
価値無価値 正直に言って
私がなりたかったのは愛されるあなた
それに成れないなら
何でもよかった
生きていようが死んでいようが
キ ....
竜笛が竜の鳴き声であるなら
詩も竜の鳴き声でなくてはならない
ドーナツに穴が空いているなら
詩も穴だらけでなくてはならない
人が嵌って抜けられなくなる
罪深い穴を我々は掘り続けている
なん ....
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