お日さまをつかんだ
ちいさな手、まだ開かない開かない
蛍になるか、星になるか、それとも
お月さま、猫の瞳かもしれません
お日さまをつかんだ
ちいさな手、まだ開かない開かない
ギュッと握 ....
張り詰めたガラスはため息を吐くように割れていった。冬の静寂にすべて諦めたように、身を投げた人びとのように、ひと息に去りゆくものの気配に、なにが言えようか。握りしめた石を凍った池に投げつけていた幼い記憶 ....
紫外線量だけはいっちょ前に初夏の
寒いオホーツクの波間へ海鵜が潜って
ぴょこりと浮かぶ
嘴の一つが淡く 光った。
あれは
いつかの私の恋心だろうか……
潮風を爽やかに甘いだけだと思って ....
どこから入ってくるのだろうか?
この優しさは
見つめる葉っぱと僕の違いなど
なかったんだ
生命は世界にひとつで
しかも数ではあらわせない
生と死が混ざる暖かい渦から
それは流れだ ....
流星の親子が流れていく
暗い夜空になかよく
迷子にならないように
手をつないで流れる
赤ちゃんの手が離れ
小さな光が雲に落ちる
一人ぼっちで泣く流星
大きな泣き声は雷になり
....
君の事なら何でも知ってる。
お墓参りの線香を一本くすねた事も。
詩にはルビが振ってあって
読む順番が決まってる
訳だが
....
季節が一つ
生まれ変わろうとしている
蝉が雨上りの森を見つめる
鳴き声のように
花びらの
流れる音が木霊する
夏の花が散っていく
鈴虫の枯れ葉の家にも
綺麗な屋根がのる
落し ....
日曜日、忘れないように。
天使の羽より軽いエアコンの風を
貰って来たのです。
さんまんきゅうせんはっぴゃくえん。
でした。
それでも、心は、冷えません。
憎しみばか ....
みとれていたのは恋をしたから
朝のひかりで空の詩を書く
手紙のように話をしている
風にはきっと心があった
紙ひこうきで何度も出会う
右も左もなく上も下もない
平等な海で星は遊泳する
私たちが憧れる永遠の平等のなかで
妖精は星をあつめて瓶に詰める
おはようとおやすみと言うために
瓶は転がり繰り返し時間が流ていく
....
買っておいた胡瓜と茄子に割り箸をさして
精霊馬をつくり
朝の玄関に置いた
、
いつからなのか
サンダルの隙間に
しろい腹をみせてころがる
蝉の死骸を拾い
リウマチの指を思い出す
....
青と赤の紫陽花は片翼
紫になって
やっと初めてバランスがとれるんだってさ
未完成な赤紫陽花
青を探して飛んで
見つからずにおちて
水たまりに花びら散らしてるんだけど
まあそんなことどうで ....
空をみて
月がでていたからって
それがなんだというの
足元みてないとあるけない
ってきみはいうけど
小銭探しがごとく
地面ばかりみてたって
あぶないとおもうけどな
閉めたブラインド
風が隙間を探してる
湿ったコットンが
乾く場所を探してる
少し開くと一気に
夜行列車のように
光の数珠が流れて来る
一瞬見える青空に
涙を吸った雲が浮いてた
....
熟れた大気をすっぽり両の{ルビ腕=かいな}に収め
瑞々しい空白に奏でる命の揺らめき
絃を断つ蝉ぽつり
また ぽつり
生の祭りの一夜飛行を終え
塵と積もる羽蟻 さらさらと風
山葡萄の花の匂い ....
命が見えるのは
ワインのような
朝日のまどろみ
夢の中のふたり
心の湖に硝子瓶が一つ沈んでる。
もし本当にそうなら、なぜだか僕は幸せだ。
母方の墓参りを済ませて
自転車で80分
父方の墓へ向かう
記憶に残らない事柄を脳の表面で思い
たどり着いた私の感情はほぼ透明だった
リュックの中の飲み物をふたくちみくち飲みトイレを済ませて
....
パリの妖精
第2話「ブローニュの森の妖精」
木漏れ日を閉じた目蓋に受けて
アントワネットと並んでお昼寝
小鳥も啼かずに羽根を日傘に
温かな土と草の匂い
ゆっくり瞳をひらけば
....
歩いて数分の墓所へ一人
車に轢かれた猫と信号待ち
擦れ違ったゴミ袋を持った近所のおばさんが「死んでるの?可哀想に」と言う
歩いて数分の墓所へ一人
車に轢かれた猫と信号待ち
近所で ....
ツクヅク シュクダイ
セミに急き立てられて焦ってる
ぼくの夏休み日記
河童に化けたり蛙に化けたり
川の飛び込みで頭を切ってしまった
ヨモギの汁で血を止めた
ヨーヨーおじさんは
白い入道雲 ....
ついでに牛乳を買ってくると
君が出ていったまま
何回目かの夏が来て
僕は未だに
コーヒーをブラックで飲んでいる
砂糖くらいは
入れさせて欲しい
白と黒で言ったら
どちらでも無い ....
闇の重みがぐんにゃりと
魂に激しく切迫し
私の意識は朦朧として
呻きながら覚醒する
真夜中の病棟にただ独り
呻きながら覚醒する
ハッと息を呑むこの瞬間、
孤独が生きて立ち上がり
....
夜空に絵を描くために
人は花火を打ち上げる
灼熱の夜空の強靭な肌を
華々しく出血させるために
花火は溜め込んだ怒りをまき散らす
ここには夜空と花火との
無意味で無益な戯れしかない
戯れの ....
君の幸せは、もう、静かな心臓へ帰るといい。
夜間飛行のともしびが、
寒い砂漠の夜空に灯るといい。
君の笑顔は、もう、私の部屋から出て行けばいい。
そこで砂漠の闇のような心と ....
恋に落ちてばかりじゃダメだ。
たまには、恋へと這い上がらなきゃ。
少女の頭の中に象が住んでいる。作文をしている時、句読点をどこに打ったらいいか、背後からそっと教えてくれる白い象だった。ある日、少女は工作の授業で作った押し花を、象にプレゼントすることにした。少女の差し ....
パリの妖精
第一話「オペラ座の妖精」
空ほど高いフレスコ画
砂時計を止めるほど美しい階段
バレリーナの魂が空気に溶ける
オペラ座に棲む妖精マリエル
百年が過ぎても愛は色褪せず
....
夕日の卵を提灯にして
黄昏に天国から降りてくる
想いが長い階段になり
一段づつ踏んでは
光に変えて降りてくる
階段を照らし優しく燃える
魂に似たホオズキ
耳元で囁いたのは ....
753 754 755 756 757 758 759 760 761 762 763 764 765 766 767 768 769 770 771 772 773 774 775 776 777 778 779 780 781 782 783 784 785 786 787 788 789 790 791 792 793
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
3.28sec.