うええーん、えん、えん、えん
男の子が一生懸命に、泣く
ぜんしんぜんれいで、泣く
いつのまにかおじさんになった僕が
ぜんしんで泣いたのは
もう何十年前のことだろう
うええーん、 ....
旅先で飲み過ぎて
あぶないので三十分以上
間を
空けて、酔い覚めのからだで
いそいそと…露天風呂へ
(水を飲んだり、最善を尽くしたのだ)
閉館近い露天風呂は
すっかり掃けて
人 ....
たとえば、そこに髪の毛が落ちてて
これ落としましたよ、なんて
わざわざ届けませんよね
なのに、言葉はわたしから
切り離されてもわたしのものなの
宇宙がはじま ....
もし、この街を
ゴジラがかっさらっていくのなら
俺はなにも持たずに
どこにも逃げないだろうよ
ビルディングの屋上から
ゴジラの目を睨みつけ
対等に怒り返す
俺だって
荒 ....
春、の終わりにとらなかった電話の着信音が夏の終わりに鳴り響いている。とても静かな夜、足音も誰かの寝息もブレーキを踏む悲鳴もふいに止んで着信音が何処かで鳴っている。トイレに座って狭い場所で口から漏れるの ....
力を抜いて
空を見上げる
もう ここが
どこでも かまわない
人として
立てる地なら
笑ったり
泣いたりして
生きられる地なら
ここが
痛みに満ちた地であっても
....
串カツ屋の前で飲む
アイスコーヒーの苦さが
口腔内に不穏に広がっていき
遅れて串カツの濃厚なタレの
甘酸っぱい匂いが五臓六腑に染み渡っていく
そーす、そーす
そーす!そーす
大声 ....
パリの妖精
第11話「ルーブル美術館の妖精」
あの人は愛してくれた
月を背にして
そっと忍び込み
ランプを吹き消す
煙がカーテンになり
月の目をかくす
あの人は忘れない ....
松屋のカレーにプレミアム牛皿
こんなうまいもんこの国にしかない
トランプもジョンウンもムンジェインも知らない
習近平とプーチンは知っているような気がする
裏声喫茶でそんな話 ....
砂子で宇宙を描き
夜の卵を割る
月が生まれ
時計草の秒針が
眠れない想いを
刺して蒐めて
美しい言葉に並び変える
砂子の料紙に
時計草に似た太陽と
妖精の詩が刻まれる
戻ら ....
日常の風景を
見えるものを
ただただ
刺し身のように並べられても
私は食べたくない
もし、世界と、それ以外があるとしたら、
わたしはそれ以外で、他には何もない。
鉄塔、「カテゴライズされた」、伝統模様、プリンの空き瓶。
塩は肌からく、あついよ。
皮膚やからだが、自分のもの ....
なんで何度も
こんなとこに戻ってきちまうんだろう
最初からやり直すなんて
もう出来そうになくなってから
あの日確かに
俺はなにかやれそうだったよ
若かったし、今より少し馬鹿だった
....
しあさって手術の説明を受ける
そのあいだに進行したらどうする
思い通りにならないからたるい
コントロールできないことばかり
そのなかでベストを尽くすことが
あらゆる善 ....
当事
彼は三十代の半ばで独身だった。アパートで単独生活をしていて、恋人も同性の友達もいなかった。
職場まではバスで通勤していて、毎日が単調な日々の繰返しだった。
実家にほとんど帰る事がないのは、 ....
いやいや、もう
くたびれたね
気がつけば、まあまあな年
そうなんだよね
ここで煙草吸ったよね
あのサイゼリア、なくなっちゃったね
お気に入りの窓際の席
強気な友達とも集まったし
あ ....
自分を醜いとしか思えなくなったら
不浄の池にて体を洗う
全身の嫌悪感で
心技体は整えられ
生誕の叫びと共に
あの頃に戻る
目に入るもの全てが眩しく
泣き叫ぶことしかできない
羞 ....
この夏に北アメリカから来たバックパッカーの女と友人が意気投合して数日を共に過ごした。
駅前の英会話教室に通う友人にとっては願ったりの相手だ。
三人でしこたま酒を呑み、そのまま友人宅で寝た日の朝 ....
はぁ…。
この感情と長く付き合いすぎた
ルービックキューブの色を揃えたかっただけなんだ
しかしまぁ…
とうとうこのままの方が色々おもしろいと思いだした
あと美しいなぁ!。
....
メガネ外して
泣きそうなのです
まばたきの
かずだけ心に蝶がいて
夜空がこわくてじぶんを抱きます
消えかけた水平線を引き直す。
竹尺とチャコペン、祖母に借りて。
とことんビターでハードボイルドなミーを、
あの人はまるで母乳のようにマイルドにする。
しまいにミーは、ホワイトチョコレートになっちまう。
ヘルプミー
イケエリカコの発病はショックだった
生命力にあふれた順風満帆な人生しか
彼女には見当たらないようだったから
見た目とか雰囲気とか
そんなものは刻一刻と変わるのだ
それ ....
パリの妖精
第10話「チュイルリー公園の妖精」
木陰に作られた笑顔の巣
移動遊園地も去り
妖精は窪んだ芝生に
ひとつひとつ息を吹き入れる
チュイルリー宮殿はもうない
たく ....
秋の入口に
ミツバチと作った
練り香水が届けられ
夏の出口に
琥珀のとんぼ玉が
髪を束ねてかざられ
いつも喧嘩して
跳ねた髪さえ
真っ直ぐに
妖精の練り香水で
気持 ....
révisé et réaffiché
極夜の{ルビ惑星=ほし}
地を這う花々
争う蝶たち
眠る海
砂丘の{ルビ焚書= ....
満月を半分切取って
キノコのように
森の奥深く置く
冷たい森に白い光り
ウサギもキツネも
目を閉じて寄り添い
虫は寝言で歌い始める
薄く羽根一枚ほどの
温かな月の光り
夜明け ....
親知らずが生えてきているらしい。レントゲン写真には横向きに生えた奥歯が白く輝いていて、このまま処置をせずに伸びれば隣の歯に突き当たってしまうのが容易に想像できる。今のうちに抜いておいたほうがいいだろう ....
命、光輝く
命を生け贄として
幸せ、花開く
不幸せを養いとして
どんなに喜びの深い海にも
一粒の涙が
溶けていないということはない
*谷川俊太 ....
ファスナーが馬鹿になった。
昨日までは天才だったのかもしれない。
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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