リンゴ畑は枝を残し
風の止まり木になり
木霊にように繰り返す
カラスと遊んだリンゴの笑い声
落ち葉で眠っている
赤いほっぺで眠っている
甘く匂うよ雪の下
赤い顔した妖精が ....
月を持って帰り
ガラスの花瓶に沈める
リンドウの花はランプ
妖精が囲んで見つめる
雪明りのように静かに
壁に虹が灯る
花瓶の中で夕月が
くるくる周ってる
何度目かの昨日だろうか
....
憶昔の茶席が
目の前に生き続け
公孫樹を二個添える
あなたの抹茶はもう
味わえないけれど
哀しいかな
俺は爽やかイケメンじゃない
哀しいかな
俺は正義に味方しない
哀しいかな
俺はボランティアに気持ちが向かない
哀しいかな
俺は自分の都合しだいで
コロコロ変 ....
奈良飛鳥の彼岸花
線香バーザス金木犀
土手を黒塗りで連なって
現金引き渡し場所はモノクローム
ひとの心を玩ぶ
酷くプライド傷付けた
小市民が大本営
奈 ....
人にいい顔を向けることが出来ないし
わるい顔もできない
被害者面ならできる
破れたジーンズを
めくる風だった
膝の頭を
この世に覗かせて
撫でられるのか
食べられるのか
分からないまま
アップリケをした
人を笑った
何が怖いの
誰の真似なの ....
今日は雲の流れが速い。
または僕の血流が遅い。
ふとChagallの“恋人”を観たいと
新幹線のグリーン車に乗り
倉敷の大原美術館へと向かう
じっとその絵の前でChagallならではの
黄緑色をじっと1時間くらい観つづけた後
また新 ....
欠けてしまった二枚貝片われさがし
ひとひらひとひら、と夜に鳴き笑う
悲しみが過ぎると諦めがふりそそぎ
空になってしまったら笑うしかない
欠けてしまった
二枚貝、誰もみな二枚貝
ひとひら ....
ふつか連続あさそとにでると
キンモクセイの詩をかきたいなとおもった
なんだかひかりが透明なたそがれみたい
ひとのやさしさはさりげなさ過ぎて
在ることがあたりまえすぎて無視さ ....
扇風機の羽根に
纏わりついた
綿ぼこりが
窓をすり抜けて来た風に
ほつれて
ふうわりと
フロアに舞い降りてくる頃
天秤座のワタシは一つ歳を取ります
プロペラを持っているのに
....
忘れること
それは大切なこと
生きていく上での精神安定剤
また同じ話してる
覚えてないの
許してあげよう
身に覚えがあるはずだから
肩を組んだときの
震えるような気持ちを
伝えられずにいたけれど
それで良かったと思う
あなたが
潰されそうになるのを
ただ見ていることは
出来なくて
がむしゃらに走った
あの季節 ....
詩というものが様々に形を変えながらも生き残っていることは、非常に喜ばしいと思っている。特に最近(といっても一昔前と言えるが)「現代詩」という形で新たに自由に詩を構成出来る分野が発達したことは、純粋に芸 ....
子供の頃から 前編と後編に分けられたテレビジョンドラマを見るのは嫌だった
中編なんてあったら許せない気持ちになった
人生を前半と後半に区切るという難問には 対決する必要なんでない
夜
....
大丈夫。。
俺もあたま痺れてるから
憎まれたり恨まれたり疎まれたり
俺もじぶんの正当化に躍起になって
ロックンロールバンドだと思う
売れないバンドだけどね
こんな感 ....
あなたが泣いている時も
お構いなしに季節は過ぎて
鳥は歌い空に舞い上がり
川の水は迷わず流れ
取り残された気分を味わう
時間の中心に咲けばいい
時間を包むのは季節だから
あなただけの ....
雨は砂時計
いつもそう思う
たまった時間が落ちる
懐かしい匂いがする
良寛の詩に涙するのは
そこに嘘が無いから
まわりくどく何でも一言
別の言葉に置き換えるような
幼稚な発想が無いから
良寛の詩に涙するのは
そこに飾り気が無いから
日常の汚 ....
ある朝、わたしは透明になった。
世界は膝を抱えて仰いだ青空であり
そこへとあらゆるものは落下していた。
それは重力という現象ではなく
存在という重心へと還っていく風景だった。
この風と岩 ....
数百年の時を経て
いにしえの武士(もののふ)が
築いた庭園に今日、遊ぶ
巡る先々で草花や
岩、湖、滝の由来を聞き
ときはゆったりと
豊かに流れる
つい先日まで
一人だったときは ....
車輪 歯ぎしり
笑い すぎる曇
橙色に触れる指
午後の星のはじまり
水の蜂 あがき
音の失いきらめき
泡の浪 痛み
報われない 複眼
夜に鳴る紙
さざ ....
ラーメン屋さんで
割りばしが
綺麗に割れなかったので
死にたくなった
あぁ、なるとの渦に
引き込まれる
飛び降り自殺をするには
飛び降りる勇気と
死ねるという自信が
ないとい ....
五円玉に麻紐を通したペンダント。
母に馬鹿にされ、小さな家出、幼き夕方。
どぶ川に浮かんで漂う人間のクズ
何処かで殺害されてから深夜に運ばれて川に投げ込まれた
と推察された
男には相応しい死に様だった 誰からも同情されないだろう
寧ろ犯人は称賛されるに違いなかった
....
その距離は
未だ測れないまま
見つめる星が
見つめ返した夜
瞳の中で
転がる光は
孤独な鉛筆
削り終えたよ
大切なことを
書こうとすると
先へ進まずに
折れる心が ....
la nature morte
夜
鎧を纏った瘦躯は血と灰である
空は 領土の{ルビ虛構=fiction}だった
尻尾がある敎師による
卽興のハ ....
不在にだって好奇心はありますよ
「植物たちの呼吸が羨ましい」
はじまりはその程度だったと思います
その程度のはじまりから
この身体にはひとりでに不在に返る約束が
しっかりとあるのです
....
大地に濡れ
人を買った経済よ
お前はただ無限に略取されればいい
海の押し寄せる血管に
人の声は明け渡され
法規の群れが押し寄せる窓辺に
季節はその最後の一塊を溶かす
ほろ、ほろと
耕さ ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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