秋月の夜の樹々のざわめき
風の卵たちが孵化しはじめ
餌を求めている誕生の産声
雛たちはまだそよ風で
樹々から養分をもらい
ゆるゆる葉は枯れ雛は
みるみる成長しながら
嵐への導火線を ....
積み上げたものがパーになっても大丈夫。
いつかチョキで勝って、すべて取り戻せるよ。
海に浮かんだ
満月は臨月
その膨らみを
我が身に重ねて
呼ばれてもいない
暗闇の中で
下着をはみ出す
肉を震わせた
逞しくなれよと
言われながら
大きくなったのは
随分前 ....
森は金魚鉢
木漏れ日のガラス越しに
紅葉がゆらゆら泳ぐ
幸せは昔掴むことの出来る玉だった。
それは時間が経つと色褪せ、
ついには砂つぶになってしまい
指の隙間からこぼれ落ちるようになった。
それは最初気づかないほど僅かで。
しかも気付いた時に ....
親の死に目に会えない
って言うけど
現実
臨終の場に立ち会うのって
困難だよ
ドラマみたいな訳にはいかないさ
俺の父親は八十過ぎて
夜に風呂場で脳溢血で倒れてしまった
頑固 ....
そこには縁の欠けた器があり、中にはなにも注がれてはいない、埃が厚く積もるほどに長く食卓に捨て置かれたそれは、詩を持たぬものの心で膿のようになって生きている詩情を思わせる、わかるか、回路を持たぬもの ....
アルバイト先の男子トイレで
チーフが手を洗わないで
出て行こうとしたので呼び止めたら
あぁ、おれのちんこキレイだから
手を洗ってからおしっこするからね
汚れた手でさぁ
大事なちんこ触る ....
罪悪感とは
苦しいものだ
拭うこともできず
ひた隠しにしようと試み
時間が過ぎても消し去ることはできず
たまに忘れたふりさえする
心の片隅に小さな穴が空いていて
その中を覗き見る ....
固くなったパンと
心臓だけで
貧しくなるのは
早すぎるから
急いで飲み干す
冷たい牛乳
広がる胃の中で
描く地図さ
一番近くの
スーパーマーケット
汗を流した
ハンバ ....
今の気持ちは言葉にならず、
だから夕焼け色に染まる空を
瓶に詰めて遊んだよ。
知りたいのもっとあなたのこと。
だからお願い私を掴んで。
「着の身着のまま、木の実のなる木の幹を登れ。」
そう3回唱えたら、まもなく出港の船に飛び乗っちゃえ。
洗剤を飲んでこの身体ごと
泡立てて綺麗に生まれ変わろう
鼻から飛び出すシャボンは小さく
天国で揺れるお花みたいだ
張り裂けそうなクッションを抱いたら
跳ね返る痛みここだと教える
....
男は枯れない
枯れてたまるか
父親は豪語していた
親戚が集まる宴会で
「俺は七十になる今も現役だ」
俺は母親をそっと盗み見た
顔が紅潮している
幾ら酒が回っているからって
人前で、 ....
馴れ馴れしく話しかけてきた空が
ぼくに飽きて離れたことに安心していた。
ひとりになったぼくは、青い朝が街にひっそりと
カーテンを少しだけあける頃、急に毛布が恋しくなる。
だけれども、冷たく ....
未払いの自由をとっとと支払え!
自由の請求書を紙飛行機にして飛ばす
神様宛て
ほどなくして現実に撃ち落とされ
燃え散らかし きりもみ降下
空中で出血みたいな炎が黒い塵を残し儚くなる
さ ....
キャメルのタバコ
窓辺に置いてみる
月明かりで歩くラクダ
お揃いで買ったジッポー
今も優しく温かい灯
だけどオイルは想い出の香り
オイルが切れたら
想い出も来れるかしら
....
道端に彼岸花が咲いている
家の近くの細い道に
道端に曼珠沙華が花を咲かせている
家の近くの畑と畑に挟まれながら通り抜けてく農道に
車一台やっと通れる道に
工場の屋根の煙突が
白い煙 ....
そしてほんとうに、
物事が終わり続けている。
かしこい 頭割れ たちが
計算して、
そのとおりに1日がすぎる。
知らない男と過ごしても、
きもちはすかすかさびしくて、
言葉のなかにだ ....
昨日、落ちて行った欠片は
一昨日との間で見失った
今日、すれ違ったものは
いつか仲違いした誰かとよく似ていた
長雨に汚れた
川のほとりに腰を下ろして
彼らの急ぎ足の
旅を
老人 ....
ウエディングドレスを
あなたは作ると言った
型紙も大変そうだったね
仮縫いが終わった夜
妖精が花を持ってきた
レースに満天の星空のように
白く小さな花が咲いた
銀河を渡るように
あ ....
秋の訪れ告げる風は
口笛のように鳴く
子供が練習しているように
何かしら
未来を食べるように
オトコと
一緒に暮らすというのは
お店で気に入った扇風機が
部屋では音がうるさくて
風量調節がいまひとつ
という感じかな
まぁ距離を保てば使えるしね
オンナと
一緒に暮らすというの ....
秋口になると
ジジイのしみったれた自称詩が増える
自称詩のなかでも最悪の部類に入る
こんなクソ自称詩を
決して許してはならない
イイねと言ってる奴は
もっと使えない
クソ自称詩を
....
神さまのぬり絵は芸が細かい。
僕の心に眠る花にまで色がついてる。
光が幹に当たり移動していく
奥まる緑が揺らいでいる
落ちる木葉を捕えた視覚、
落ちた木葉を掴んだ感触、
この晴れやかな秋日に
僕は自分を忘れていく
森の只中に佇んで
すっかり ....
春の桜が
切手になる前に
思いを届ける
言葉を探して
生きることは
きっと寂しいけれど
ひとつの季節が
終わろうとする
この行間に
愛を埋めたい
プリーツスカートの ....
海の隙間から波は産まれる
波は私を満たし
新たな海となる
私はかつて飛ぼうとした空のことを
思い出そうとするけれど
色と形のところで
見失ってしまう
カネを払えば女は抱ける
カネがなければ
女を抱けない
そんな男はごまんといるよ
これを書いたら
「女を何だと思ってるの」
って
世間の女の人に嫌われるだろう
だけど
女の ....
「何もかも無くなれ」
「ただただ死にたい」
またもメッセージが
頭にとどく
どこの誰だか知らないけれど
僕らはそれらを
共有している
受けとるメッセージに
疲れた夜 ....
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