閉店後の園芸店は
花達がゆっくり休む時間
子猫がやって来て
色とりどりのジュリアンに
話しかけた
子猫は言う
僕は自由だよ
どこでも行けるんだ
みんなはずっと
ここに ....
宇宙の公園にいるみたい
あなたのまわりに
星だけが浮いている
すいこまれてしまいそう
あなたは優しくささやいた
ずいぶん待たせたね と
その言葉だけで
私はふるえがとまらない
....
狭い喉に光を乗せる時は
ふるいにかける前の言葉でも
ガラスの内側で温めるから
飴玉みたいに転がっていく
痛くはないかいただ信じている
胸の高さに集まる思いが
アスファルトの道を ....
「二分割」「アキレスと亀」
「飛ばない矢」「運動場」
古代のパラドックスが暗示した
実無限の矛盾が
量子の世界という
現代の物理のミクロで
解き明かされた
そこでは
....
白い部屋に横たわり
独り時が過ぎるのを
さっきからずっと眺めている
)右足の親指が急につり
)反り返ったまま動かない
無音無言の部屋のなか
時は流砂のように流れていき
私が上げる ....
早朝に薄くかかった霧に町は静止しているようだ。ビニールハウスは無防備に丸みのある腹を見せて草木もわずかに頭を下げて眠っている。
狭霧の中を電車だけが走っていく。
この外に動くものなどない ....
闇に飲まれる海を
歩いてくる人々がいる
靴を履かずに
埋立地から町へ
明かりへ
*
事故の影響で
ダイヤは一斉に狂った
側溝に流れ込む雨は
こんなはずではなか ....
負けちゃった
あの人はいつも
自分でいられる
何を言っても
誰を選んでも
どうしたらいい
比べるたびに
笑顔が減っていく
何を忘れても
誰を憎んでも
今日は許して
....
干しっぱなしで冷たくなったタオルに
小指の爪の先よりちいさく
半透明の蜘蛛が
糸を垂らしてぶらさがっていた
ひかりの加減でようやくきらめく
一本の途中をつまんで
ベランダのへりに移植し ....
なんだ、MDMAって?
あれか、ハイパーメディアクリエイターの略か?
・・・違うよな、Mが多過ぎだもんな
ところで
ハイパーなあいつ
今何やってんだ?
wikiで調べようっと
暖房の風に煙草のけむりが流されていく
白い有害物質はもう少し学力があれば
雲になれていたと言いたげに
その頼りない体を漂わせ
目には見えない色になっていった
けむりは部屋に残り壁や天井に付着 ....
人差し指の指紋、混み合う等圧線、嵐の予感。
絶対に押しちゃいけないスイッチ、押してしまえ。
はじまりの海は遠浅で
かなしむことをまだ知らない透明なさかなたち
約束したはずの場所を
ゆききする微熱の波
遠い遠い夢の話
記憶をいくつも交差させて
分かれ道をまどう
ひとりあそび
....
昨日、
貴方が遠いところへいってしまった事を知りました。
その事実は私の思考を過去へと連れていき、あの日の後悔を強く思い出す事に。
さようならの挨拶が出来なかった。あの時も今回も。
いつかは誰 ....
若くて健康な女のこが
突然髪のスタイルを変えたり
化粧を厚くしたり
口紅を血のいろにするには
それなり訳があるんだと知ったのは
十八歳の時だった
ほのかな想いや憧れは抱いていたけれど
....
とっても温かい海の中で
私は笑っていた
優しい母に抱かれて
泣いて生まれたけど
涙はまだ無い
涙の海にいたというのに
温かい涙の海で
私はすべてを
神から頂いてきた
....
妖精が毎晩ずっと
雷雨の夜も
凍る夜も
風が羽根を掴む夜も
いくつも季節を越えて
一つづつ運んでる
小さなバラの蕾を
ひとりぼっちの
あの子のポストに
あの子はもう一年も
....
生まれた土地と育った歳月
は
人の命の岸辺に深く打ち込まれた杭
けして抜けない
もんだ
戸籍に記された
名前と生年月日
は
頭の中に印字されて
いつ聞かれても
書かされても
....
長押しを続けるスペースキーが
溜め息の後で増えていくんだ
口を開けている白いノートに
イルミネーションが反射した夜
果物で手を汚すのが嫌で
透明な椅子に座らなかった
苦手なことが多 ....
珊瑚が恋しい
あの
海渡る風の音
心に響くまなつの思い出
珊瑚が恋しい
あの
海の家であった
水色ビキニの水着の女の子
珊瑚が恋しい
あの
....
秋に咲くススキ
あちらこちらで風に揺れて
気持ち良さそうに見える
陽射しを浴びたススキは綺麗
金色に輝いて魅力がアップする
秋と聞くと
紅葉やススキが思い浮かぶ
どちらも綺麗だか ....
「生活習慣の改善」
捨てたのだ。躰を
鳴き声に眼が覚めて、土の魚は焼かれた。
そして人間は泡から生まれたと水はいう
それは泡に生まれ変わるのだともいう
気になるのは置いてきた框の景色
....
夜の時間が留まっている
静かに此処に留まっている
朝から昼へ、昼から夜へと
一直線に過ぎながら
今、夜陰へと差し掛かり
静かに此処に留まっている
やがて時間は柔らかに
未来から流れ込 ....
ながつづきしそうもない事をさじに拾っては、
数分の間、あれやこれや考えている。
夕日は海の底で
赤いイヤリングになる
人魚がクラゲに
似合うかしらと聞く
誰かに見て欲しい
波を超えると妖精になり
星の浜を飛んでいった
裸の妖精は恥ずかしくて
森のド ....
仕事帰りの車が
ライトをつけて県道を走る
朝の通勤時とはちがい
どことなく
開放感がただよっている
やっと終わったぞ
そんな声が聞こえてきそうだ
みんなの心の高まりを
動力として
....
花見に誰を呼ぼうが
大したこっちゃねえだろ
ここぞとばかりに非難している奴は
どうかしているぜ
だって花見のためにわざわざ東京まで
出掛けるなんて
面倒臭いったらないもん
逆に迷惑ってい ....
冬の始まり秋の忘れ物
真っ赤な紅葉が
地面に寝そべり
手袋と間違われて
拾われる
掌に乗せる小さな芸術
手を温めるには
物足りないけど
目を休めるには
十分すぎる
....
鼻すすりながら、屋台ラーメン、身にしみる。
店主のおっちゃんの養子になりたい程、寒い夜。
草原をずっと、ずっと裸足で駈けていく……
いつかそんな夢を見ていたことがあった。
僕の周りでは、見知らない音楽が鳴り響いて、その音符たちに囲まれて、
今まで誰も考えつかなかった{ルビ旋律=メロデ ....
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