記憶の雫は
葉脈を流れる
妖精の命
笑顔と泣き顔
熱くて懐かしく
後悔は割れながら
万華鏡から落ちていく
美しい物ばかり愛し
忘却の淵にいる
大事なものを
思い出そ ....
夏の陽が透ける
柳の梢を見ると
春の桜も紅梅も
心の梢に消えず
秋の時雨を飲み
葛の眺めに風畑
冬の雪雀は凍え
霰の豆を追掛る
自称詩人が
駅のホームで女子高生数人に
「キモいんだよ!」と詰られている
自称詩人は
にやにや笑って
また自称詩を呟く
おっぱい大きいあなた
あなた合格
おっぱい中くらいのあなた
....
ライオンの
たてがみが
触れるように
空気を折ると
どんな音がするの
黄金の海原が
熱を帯びても
溶けそうになる
腹を見せながら
奪った体温で
眠っている
小 ....
薄い花びらの
ような心臓に
並べた言葉を
蜜蜂が食べる
僕の才能が
君に移って
それを認めない
誰かを刺した
悪く思うな
色のついた反射ガラスは
町をリアリスティックに映していた
赤い建設機械がガラスの中では
錆びているように見えた
工事現場の入り口で
監督がパイプ椅子にだらしなく座っていた
きっと彼は強いの ....
誕生から 過ぎ去りし日々 あまりに
早かったね
そのほとんどを 自分のためにではなく
使い果たして 人は逝く
磨耗 という言葉 なんだかな ぴったりだな
焦燥して ....
フローリングに寝転がり
爆発する太陽を浴びる
降って来る光の洪水は
世界のすべてを肯定し
温め熱し燃やし尽くす
)否、否、否
)肯、肯、肯
)越えて超えて!
病に苦しむ己も
....
昔からコッペパン食べるとコペンハーゲン行きたくなる。
小4の秋、昼休みに裏門から脱走したのも、きっとそのせい。
なぁ…新しい挑戦だ…
靴紐をほどいて天秤を眺めている
乗っているのは救急箱と空箱
自信がない。不安がある。
救急箱からはゴキブリが溢れでる
不安は三日月の落とし子
新しい靴だ…
靴底 ....
紅茶山に陽が隠れて
キャンプを張るには少し肌寒い夜だった。
焚き火の根元をいじってるとムスコが問いかけてきたのだ。
(ねえ、法王様と天皇様ってどっちが偉いの?
枯れ枝で炭の棒を探る、こすり ....
安全ピンなら安全ですから
早く抱きしめてあげてくださいと
好きな色のリボンを渡した
無頭症の胎児の寝息が内耳で呪詛になる日、罫線の中の鉛筆の芯は血のように赤く、「ねえ君、亡霊はきっと足音を立てないのが正解」と、置手紙の文面にあるのは、手を振るよりもずっと痛みに満ちたさよならの意思 ....
が、
歩いてゆく。
こんな靄った空の下でも。
愛していたのだろうか、
幽霊が、
傘もささずに歩いてゆく。
もちろん、傘なんてさせるはずもない。
が、
愛していたのだろうか。 ....
まだ、会える可能性があったとき、このワンピースを作ろうと思い立った。
その勢いでクレジットカード決済で、この布を買った。型紙も買った。
そして、1か月以上放置し、裁断してあったものを昨日今日で形に ....
悲しみだけが
おれの人生なのさ、とか
くっだらない
愚痴こぼして、
ホントにそうなの?
そこにあたしは、いないの?
忘れてもいい不幸なんて
いっぱいいっぱい、あるよね ....
寒い冬は好き
街中のドアも窓もすべて
隙間風を少し残して
閉め切ってしまうから
私は誰にも気づかれず
妖精とピアノを弾く
漏れ溢れる音は庭に流れ
雪に小さな笑窪を残していく
妖精の ....
あなたが雪なら
離れていよう
解かしてしまうから
わたしが雪なら
そばにいたい
温もりで解けたいから
ふたりが雪なら
結びついて
ひとつの氷になりたい
雪が生まれたら ....
雪の下で眠る私を
氷を解かす光がくすぐる
春の時間を切り取り
ひとつまたひとつ
未来から運んで蕾をひらく
足もとに金色の指輪が咲く
見つけたら心につけて
冬の道を照らしてほしい
私 ....
玄関のドアを開けると雨の音がした
アスファルトは濡れていなかった
中空を見ても降っているものはない
存在しない雨を不思議がっていると
中空の先に樹木があり
葉が風に吹かれ擦れていて
この音 ....
握った拳で
光が折れる
俺はいま
障害物になって
誰の視線でも
強く感じる
なぁ信号機
お前の心は
矢印なんかじゃ
曲がりはしない
真っ直ぐに立って
その痛みだけを
....
イートインに
午後の光が射し込んで
私はのんびりコーヒーを啜っている
いつまでこうしていられるのだろうかと
心の隅では考えながら
それでも柔らかな陽射しに包まれて
身も心もうっとりと
今 ....
異国のバーバーで髭を剃ってもらうのが夢です。
僕の髭はその為に生まれ、その日を夢見て生え揃う。
雲梯にぶらさがっていた君たちは
いつか僕の子供でも仲間でも家族でさえも無くなって
風はきっと順番にあらたな名前を生み出してゆくのだろう
忘れ去られる恋人達にもせめて懐かしい墓碑銘を
そ ....
一
あなたに会ったよ
夕方 金曜
こみあう郊外のマーケット
カートを押して
気づけば
目の前にあなたがいた
みつめる僕の視線を
たくみに外す
あなたのしぐさに
胸をつか ....
{ルビその挑戦は魅力的に見える=ドアに貼り付いたタロットカードの"愚者"から良い匂いがしてくる}
{ルビそれは挑戦だからもちろん結果に成功と失敗がある=タロットには正位置と逆位置 ....
世界は自称詩人の屍に
支配されていた
自称詩人の屍に襲われ
噛まれた者は
自称詩人の屍にされてしまう
部屋の外には
多くの自称詩人の屍がぶらつき
自分たちの仲間に引き入れようと
虎 ....
知らない誰かが亡くなったから
道端の電柱に黒枠のお知らせが貼ってある
そんなの見るたびに
自分の生存をあらためて
認識するんだ
今日の朝食は何を食べたんだっけ
そんなの直ぐに思い出 ....
水に浮かぶから舟なのさ
砂に打ち上げられて
歳月に干からびてしまったら
死骸の類いになっちまうだろ
水に泳ぐから魚なのさ
網に引っかけられて
市場で売られたら
人の胃液で溶か ....
何も持たずに追いかける時は
早く会いたいと歌う声がする
アルペジオのような心の中で
間隔を空けた星のマフラーが
ハートの耳を弾いて光るよ
一等星から始まるフレーズ
繰り返すのは ....
699 700 701 702 703 704 705 706 707 708 709 710 711 712 713 714 715 716 717 718 719 720 721 722 723 724 725 726 727 728 729 730 731 732 733 734 735 736 737 738 739
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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