異国のバーバーで髭を剃ってもらうのが夢です。
僕の髭はその為に生まれ、その日を夢見て生え揃う。
雲梯にぶらさがっていた君たちは
いつか僕の子供でも仲間でも家族でさえも無くなって
風はきっと順番にあらたな名前を生み出してゆくのだろう
忘れ去られる恋人達にもせめて懐かしい墓碑銘を
そ ....
一
あなたに会ったよ
夕方 金曜
こみあう郊外のマーケット
カートを押して
気づけば
目の前にあなたがいた
みつめる僕の視線を
たくみに外す
あなたのしぐさに
胸をつか ....
{ルビその挑戦は魅力的に見える=ドアに貼り付いたタロットカードの"愚者"から良い匂いがしてくる}
{ルビそれは挑戦だからもちろん結果に成功と失敗がある=タロットには正位置と逆位置 ....
世界は自称詩人の屍に
支配されていた
自称詩人の屍に襲われ
噛まれた者は
自称詩人の屍にされてしまう
部屋の外には
多くの自称詩人の屍がぶらつき
自分たちの仲間に引き入れようと
虎 ....
知らない誰かが亡くなったから
道端の電柱に黒枠のお知らせが貼ってある
そんなの見るたびに
自分の生存をあらためて
認識するんだ
今日の朝食は何を食べたんだっけ
そんなの直ぐに思い出 ....
水に浮かぶから舟なのさ
砂に打ち上げられて
歳月に干からびてしまったら
死骸の類いになっちまうだろ
水に泳ぐから魚なのさ
網に引っかけられて
市場で売られたら
人の胃液で溶か ....
何も持たずに追いかける時は
早く会いたいと歌う声がする
アルペジオのような心の中で
間隔を空けた星のマフラーが
ハートの耳を弾いて光るよ
一等星から始まるフレーズ
繰り返すのは ....
「 ここはあたしたちがみつけたばしょだから
あんたどっかべつのところでおべんとうたべなさいよ 」
と云われた女の子は
ひとり 歩いて歩いて
森をぬけ
イ ....
寒そうにしているからってすぐに上着を貸そうとするのはちょっと待ってね、ほんとうに自分の上着を渡していいか、実はもう少し考えてほしい。貸してから、やっぱり返してなんて言えないよ。言えないでしょう、とても ....
何処か遠く彼方から
子供たちの声響く夕暮れに
缶カラからから転がっていく
風もない 人もいない のに
からからからから転がって
グシャリひしゃげる 銀の色
すると無数の記憶の断片が
....
木目に触れてつま弾いてみる
腕にしみる音だった
慌てて左手で右腕を抱く
静かに響きが止んでゆく
無粋ないたずらはするまい
たとえ喫茶店の壁が木目であっても
誰かがベースを弾くように
....
夕暮れの梢は影絵になって
本に綴じられるのを夢見つつ
黄昏に黄昏られなくなった
昭和の人を慰める
今朝は霧が深かったが
あの夜とちがって私を不安にさせない
霧の配慮だろうか
舐めて ....
誰の手が自分を温める?
日本の何処かに
そんなお方はいるやも知れぬが
ああせめてその日まで
俺は俺の情けない手で
俺自身を温める
俺は俺の最上の友達
人知れぬ
酸 ....
いっぽんのいとが
とぎれることなく
しずかにつづくことが
いとしいとおもうのです
あの時二人は
駅前の踏み切りで
電車が過ぎるのを待っていた
カンカンカンカンカンカン
「ねえ、遮断機の音って何拍子?」
「二拍子だろ」
「そうかなぁ、ねぇ、ワルツに聞こえない?」
....
生まれ落ちた階段
踊り場ぐらい作ってくれてたら
降りる向きを変えられたのに
天に昇るであろう階段
手すりを付けてくれてたら
観察しながら昇れるのに
いつも最後の一段で
転んで登れ ....
土塊を捏ねる
指先に気を集め
煮え立つ熱を流し込み
ゆっくりしっかり力入れ
未定形の粘る分厚い土塊を
思い思いのまま捏ねくり回す
捏ねくるうちに不思議なこと
土塊と指先は拮抗しながら ....
Zippoで点けてくれた誕生日ケーキの火。
あの人の寿命が縮むなか、僕は健やかに成長した。
想像してたより
酸っぱいね
これが恋ならば
甘ったるいものを好む君には
向いていないのかもしれない
ドキドキと心臓が鳴るたびに
運動嫌いの君を思い出す
同じような想いをしているんだろ ....
壊れかけた百葉箱の中で眠っている僕の架空の妹
いろいろと短いのに産まれた順番だけで長女になってしまった
安心して眠れるように頭を撫でてあげるけれど
架空だから忘れられていくものがある
....
八月の汽水域(即興ゴルコンダ作品2019年8月1日、お題はるるりらさん)
世界が暑すぎるので、汚穢と禁忌のルーツルーツについて、
フキタ先生のことを語りたい。
以前、一度、記載した記憶が ....
咲くだけしおれる花の芽をつんで
これが愛だったらいいのにねえ
わらう
バスの座席が暗く淀むから
歩いて帰る
ぬかるみを
(これが愛だったらいいのにねえ)
ぬかるみを歩いていく ....
愛と信頼のステッカー
はらせてくださいね
一途にあなたを思う私ですから
でもね
あなたと私の隙間から風が吹いたら
ステッカーはいとも簡単に剥がれ
涙に濡れたりしたら
破れてしまう ....
真っ青な大空
太陽がかんかんと燃えてやがる
やたら眩しいから
ためしにこの手でえぐり抜いてやりたい気分さ
この世界はあらかた人で埋まってしまったけど
人間って奴は息づかいが荒いよ
....
消えてしまえと蹴飛ばしたままの
不揃いな石が僕の過去なんだ
尖ってばかりで角が取れずに
哀しみを包む言葉を待ってる
悪いなさっきは痛かっただろう
これあげると言って被せた帽子は
数 ....
砂浜にあまり近づかない
真冬の間は潮風が冷たくて
身体の芯まで冷える
冬の潮騒が小さく聞こえるような
元気のないそんなイメージがある
何となく上手くいかないこと
上手く表現出来ない ....
失敗を生かすって
失敗イコール間違いなのに
何故生かすのか?
間違いは誤ちだろう
それを生かしてしまっては
また失敗をしてしまう
間違いを犯したくないのならば
その失敗にトドメをさせばい ....
ドアに貼り付いたタロットカードの"愚者"から良い匂いがしてくる
タロットには正位置と逆位置が存在する
ドアノブだけが輝きだした
金色のドアノブ
天秤には救急箱と空箱
....
今も昔も変わらず
清き流れ 桂川
石割山の桂の木の下から
最初の一滴が染み出し
やがて千年の森繁る富士山の湧水と合流
桂川溶岩流の上を流れゆく
人の命も然り
一時も絶えること ....
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