愛娘が毎朝八時に起こしに来る
歪み捩れた時空の層を超えるのは
なかなか大変だそうだ
)合鍵を作ってやろうか?ちゃんと電車に乗って来いよ
おはようのキスをしながら僕は言う
)そんな ....
駅前でタクシーを拾ったので交番へ届けた。
善い事をしたはずが、690円を支払わされた。
デモ隊が行進をしている
何を言っているかわからないけれど
行進している
プラカードのようなものも持っている
何て書いてあるかわからないけれど
持っている
先頭が角を曲がる
何 ....
いつもいつも君はそこにいた
いつもいつも捨て猫のような目で
僕を見つめるものだから
いつもいつも連れて帰りたくなった
いつもいつまでもそこに
いてくれるものだと
信じてやまなか ....
近代詩耕助はかぷかぷ笑う。
近代詩耕助はゆあーんゆよーんゆやゆよんする。
近代詩耕助は東京に空がないと言う。
近代詩耕助は自分の感受性ぐらい自分で守る。
近代詩一族の詩を集めて ....
たしかに宇宙には星が星の数ほどあるんだろうな
太陽も月もこの地球も星にかわらないさ
なのに
地球をすっかり征服したと思い違いしている人類は
太陽も月もこの地球も
特別な存在にして例外にしてる ....
二人で珈琲を飲んでいると苺のショートケーキを思い出した。
ひとつしかないので二つにわけることにしよう。
飾りの苺はいらないからと彼は言う。
境界線を測るのは面倒だ。
仕方な ....
12月までに稼いだカネを数えた
ばかみたいだ
いくらにもならないことに
時間も、気持ちも、すり減らして
頭を下げたり
間違えたり
悔やんだり
喪ったり
懐かしかったり
恋しか ....
開くとき、ふるえる 感覚のよろこびは、きっと、花が綻ぶときと同じよろこびでしょう
みずの、たわむれに、足先をふれあわせるとき、神経がふるえるのは、きっと、緊迫した緊張の糸が切れたときと同じふるえ ....
また一つ 鍵をしなくてはなりません
出会わなければ 良かったなんて 思いたくはなくて
悲しい 悲しい 悲しい 悲しい 悲しい
貴方の くしゃりとした 笑い方が 好きでした
貴方 ....
ぐっと空気を、背骨が開く、奥から、丸く、盛り上がる
身体的な構造が、喜びなら
感覚は、恥部だろうか
神経は、管で、感覚を開くくさびだ
喜びがつくられたものなら
この身体的な喜びの感覚は
開 ....
特別支援学校に通う
息子が二年生の
ある夜
初めて妻に打ち明けた
ダウン症告知のあの日以来
息子について後ろ向きなことは
もう決して言うまいと
心に決めていたことを
語らう夫婦 ....
心がよれよれになる事がある
当然
体がくたくたになる事がある
でもこれって人間だけじゃないよね
人間以外の生き物にだって
ヒトの心に相当するものが存在していて
時にはドキドキしたりハラ ....
公園の遊歩道の落葉はもう、絶えず踏みしだかれてかたちを無くしかけていた、きみはおれの先を歩く感じで、ただただどこかを目指して歩いているだけだった、木々の装いや、広場での出来事はもう、会話のきっかけ ....
16才にして頂点を極め
17才の今
既に全盛期を過ぎたと言われる
そんな厳しい世界がある一方
生まれてからずっと下降線で
19才で自称詩人となって
マイナス側に突き抜けて以降
まった ....
たぶんそうだろう
名前がなければ
一色にしか見えない
言霊が消滅してから幾千年たっただろう
万葉集がほんとうに
最後の詩集になってしまった
負けたのだった
空一面を灰色の雲に覆われ
隠された層が露わになる
敗北の土地には
敗者が住んでいる
鎮痛剤はテレビと菓子パン
笑って今日をやり過ごす
私はなんとか
どうにかして敗北の土 ....
世界には、まだ誰も知らない素敵なものがたくさんあることを、私は知っている
零れる優しさの水滴に刺さる
雪風が頬を伝う
最後の嘘を纏った電車の発車音が
膝を殺める
指先が溶けそうな
熱風を吐き出す
初めて素直になれる恋を見つけていた
私と君の
一度きりの絶望の ....
灰の空、
カラスがカアカア鳴いてます
枯れ葉は落ちずに
枝に揺れ
終いの色を響かせて
遠く懐かし高曇り、
鉛の身体を引き摺って
今日も今日とて参ります
....
キリストの誕生日は十二月二十五日
ではないらしい
二十五日はあくまでキリストの誕生を祝う為の日で
誕生日ではないらしい
あくまで誕生日を祝う為の日
降誕祭と言うらしい
知らなかったな
....
以前、知り合いで
心臓の調子が悪い人がいた
ボクもそうだったから
話がよく合ったよ
ボクは金なしだったが
彼は小金持ちだったみたい
心臓バイパスとかいう手術を受けて
調子が良くなった ....
なあ
きみは似ているよ
ぼくが今まで出会ってきた
ぼくがきらいな奴らすべてに
たとえば
自分がまともだって思い込んでるところと
鼻のあながふたつあるところとか
洗面所のガラスに映った ....
雲、流れ
流れ、雲が空をいく
ぽっかぽっかり青を裂き
気流の鳴る音、響かせて
澄み切る初冬の夕暮れに
荒れる呼吸を収めては
私の宇宙を横切って
流れ、雲が空をいく
....
かかとからやって来た
わたしを突き刺す冬
いつの間にか整理していた人生のこと
忘れてさっさと、今夜を食べる
重い荷物を
持たなくなったな
持てなくなったな
愛をわずらう結婚生活
....
柿が自らの重みに耐えかねて
落下するのはいつだろう
近くで見れば黒ずんできているが
遠くからなら変わりなく
まるく楽しい色を放っている
俺は葉の落ちて実だけになった
この柿の木を美しく思う ....
(うしろの正面ダアレ)
、いきなりですが
羽根を持ちあげては殺しあう
郭公が鳴いた
鏡に映るのは化粧の白い羽根
声音を十二階変化させ
モノマネをする
知らない
....
何もかもが一歩だけのとこで壊れた
もう忘れましょう、私には忘れることしか
実行可能性のある選択肢がない
森のある町 隙間を縫う国道
どこにでもあるようなとある街
家と社会を繋ぐ道
森の ....
スパゲティの判決
噛んだ飴で口を切った
午前零時半の雨が頬を打った
熱を冷まして
爪先に手が届いたら
復讐に出掛けたい
割り勘で食べよう 君はなにもしてないけど
愛にはもう何もできな ....
僕はいつも一度だけ改行をする。
その小さな段差に一人で座っている。
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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