切ないことの一切が
夢のように沁みる
不確かな確かさが
心の蔵に突き刺さる
あなたに会えてよかった
それすら切なくて
命が海に浮かんで空を見てる
目覚めるような文章や言葉が書きたかった
今という記憶に埋もれた感性を呼び起こすような
『嗚呼、そうだったね』と涙するような
春の中に芽生えた秋を育てるような
そんな言の葉を 今も
初詣の足を止めて人々の絵馬に目をやった。
僕に見られたせいで、それらの願いは叶わない。
部屋のなかの折れた櫛を
覗き込む鴉
鉄格子 窓
鉄格子 窓
鏡を照らす鏡
夜を囲む夜
目が痛む 息を吐く
雪が止む
夜に切る爪
赤い中指
罪人の樹の ....
花咲く音が聞こえたら
それは妖精の歌
花びらに書いた聖書
波のように繰り返す
光る風の笑い声
コラールの旋律
ミツバチは音譜を持って
蜜と交換に出かける
魔法をかけられた
蝋細工の妖精
透き通る黄色い妖精
暖炉の上に飾られる
すきま風は雪女の歌
暖炉に置かれた香炉
春の匂いだけが生きて
溶けていく妖精の羽
臘月の魔法は新月か ....
うつむいて祈りながら
雪に溶けてきえる
純水だけをのこして
泣きたい時は涙すればいい
それは妖精が残したものだから
瞳は人間の花だから
清められた白いロウソク
心のひび割れに ....
今日に負けたなら
昨日に戻ればいい
明日に負けたなら
今日に戻ればいい
未来は一方通行じゃない
夏の片隅──朽ち果てた蝉の亡骸
群れた蟻が{ルビ解体=バラ}していく
勤勉にも 休むことなく
{ルビ解体=バラ}されていく生の名残り……
ひとつの死の後先に
夏もやがては夕暮れ
....
ふたり、
そのメロディーを聴き
冬の青空を眺め、
とても
たいせつな、
でもガラクタみたいな竹とんぼが、
紙吹雪みたいな軽さで
ただ、
風に舞っている
悲しみを、知った。
....
みかんの皮を剥く
皮が出てくる
剥いたはずなのに
と思って皮を剥く
皮が出てくる
ええっと、何だろう
と思って皮をむく
皮が出てくる
落ち着け、今までのは気のせいで皮など剥いてい ....
もう金輪際
遠い異国を夢見たりしないと
誓った日から
私は翼を折り畳み
地に足をつけて生きてきた
地面をコツコツ歩きつづけ
生活圏を見回っている
あまっちょろい夢など追わずとも
....
つかれた つかれたよ
おれはほんとに つかれたよ
いつも うえには だれかいて
いつも かおにつばをはいて
いらないね はいらないね
きくみみもたず
だまくらかしたあいつが ....
隕石が降ってきたので寝ます
おはよう
詩は動いている
迎える向こうの死を前にして
絶えず絶えず動いている
暮れては明ける、
遠い山並みのシルエットのように
内気な感情で曇らせた窓を
開けてくれた君の指相撲
蓋をしたら二度と出て来ない気がして
魔法のランプを擦ってばかり
負けたフリをしようとするまで
恋に深さがあると知らなくて
金魚のように口を ....
私は私という一人称
薔薇を噛んで唇を切る
何処へ失踪していたの
いつの間に帰ってきたの
夜空に輝く星になっていたというのなら
この夜をすべて闇で塗り潰してしまおう
聴こえてくる吐息は
....
その万年筆が本当に万年筆だと言い切れますか?
9999年目で壊れたら、九千九百九十九年筆ですよ。
また 新しい一年が始まった
誰かに対して
怒ったり 笑ったり
些細なことが許せなかったり
大人気ない自分
そんな自分にがっかりを繰り返しながらも
この当たり前にある毎日が
ふと ....
星条旗を焼けば
躯が笑う
金とオイルは掴み放題で
プールの中に異教徒のねーちゃんでも沈めておけ
誤爆です
誤報です
油に塗れた手だと操作もたいがい
「戦争だ」
僕の中の少年がまたど ....
見ると木には柿のような実がなっている
もっじく手立てがわからないぼくはいつもダメにしてしまう
たまにうまいこともっじいてみても籠のなかで腐らせる
図鑑をのぞけば似たようなものが載っている
....
はよ起きて
はよご飯食べや
はよ食べーや
はよお皿持ってって
はよ着替えてな
はよ歯ぁ磨きぃな
トイレはよ出て
準備おわってんの
はよランドセルに入れや
えぇ宿題してへんの
なんで ....
確かに
掛け金は安くはないですが
友人を失ったら友人を
恋人を失ったら恋人を
伴侶を失ったら伴侶を
仕事を失ったら仕事を
見つかるまで紹介して
あなたの自殺を未然に防ぎます
死 ....
凍り付くような冬の空に
星が瞬く
まばたくまつ毛にイルミネーション
偽りのマドンナは夜のムーンカナリア
粉々にひび割れた心をセメダインで繋いで
夢は孤独の水槽に泳がせる
とまどう ....
三本の吸いがらを並べて
川の字にする
川の字は実際の川を
上手に簡潔に表現している
私が漢字なら
縦に一本、曲線をひいて
右上にちょぼ
、
(
と書いて「ぬふ」と読む
....
本当を書きたいな
真実を見つめたいな
風が吹けば心細いし
たそがれ時は切ないんだな
光が欲しい時もあれば
闇を好むときもあるんだな
なんか不思議なんだな
人間っておもしろいな ....
ネットのオカマをネカマというのは周知のとおりだが、
ネカマは、男性の貴重な時間を無駄にする可能性が合うから罪だ。
私はネカマしたこともあるし、されたこともある。
思えば、人の一生は罪 ....
そもそも最初に仕掛けてきたのはてめえだろ
やり返したらブチ切れるってどうかしてんじゃねえのか
俺はイーブンに戻しただけさ
いつまでもゴネてるとマジで容赦しねえぞ
てめえ、ブ、ブ、ブ、ブ ....
私はたぶん泣かないだろう
悲しいことがおこっても
愛しいものが失われても
これまであまりに
くだらないことで
泣きすぎてしまった
私は命を持て余したのだ
だから必要もないのに
いたずら ....
こっくりさんに使った右手人差し指の先。
あの夏夕の魔力、未だに僅かばかり残ってる。
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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